甲田光雄医師について、書き残したいこと その2
例えば、○○が健康によいと耳にして、早速取りかかったとします。
1週間ほど続けても効果が見られないと、たいていの場合、これはダメだとあきらめてしまいます。
飽きっぽくて、根気がなく、いいかダメか口先だけの批評が多いのが、今の時代を生きる私たちの特徴ではないでしょうか。
甲田医師は、少食・断食という健康法と出会って「これだ」と思い、50年以上にわたって少食・断食を実行してきました。
長年、自身の欲望や周囲の冷笑と戦いながら、ただ一つ見つけた「少食・断食がすべてを救う」という真実を追い求めました。
言い換えれば、真実にするために、人生をかけて追求したのです。
自由と安らぎを
得るための少食
今の日本は、不景気とはいえ、食事に困ることはそれほどないでしょう。
スーパーにはさまざまな食材が並び、コンビニには24時間手軽に食べられる物がそろっています。
それなのに、どうして食事をへらさなければならないのか。
少食とはなんて不自由な生活だろうと思ってしまいます。
甲田医師は逆に「自由ってなんやと聞き返したい」と言います。
食べ過ぎた結果、病気になることこそ不自由です。
自分がやりたいことをできないだけでなく、家族や周囲の人たちにも、大きな迷惑をかけることになります。
食事で得られる満足は、一時的なものです。
もっとおいしいものを、もっとたくさん食べたくなり、際限がありません。
けっきょく私たちは、いくら食べても満たされないから、つらくなってしまうのです。
人間には、単に栄養とエネルギーを得るためだけでなく、おいしい物をたくさん食べたいという欲望があります。
この欲望から解放されることで、自由と安らぎが得られるのでしょう。
しかし、食欲が私たちを振り回す力を、甲田医師自身、身をもって痛切に知らされてきたと言います。
「少食を成功させるために、食べたらあかんと自分を縛るのではなく、食事をいただくことに感謝の気持ちがなくてはなりません」
少食は、体の本来の機能を働かせる正しい量の食事です。
とはいえ、病気になりたくないから、健康にいいから、やせたいからという理由だけで少食に取り組んでも、長続きしにくいものです。
少食にすれば、未来はどう変わるのか、想像してみましょう。
少食で食費が削減でき、家計は助かるし、調理や献立作りにかかる時間と労力をへらせます。
そしてガスや電気などのエネルギーをあまり使わないので、地球の環境を守ることにもつながります。
日本の高齢化は進んでいますが、少食でいれば年を取ってからも、寝たきりや認知症になることはありません。
日本じゅうに広まれば、医療費はぐっとへるはずです。
日本では飽食と肥満が問題となっていますが、世界人口の約8分の1に当たる8億の人々が、飢えに苦しみながら暮らし、多くの子どもたちが命を落としています。
少食が世界じゅうに広まれば、食糧不足の心配はありません。
少食で、人間の命も、動物の命も、植物の命も、地球の資源もたいせつにすると、すべての生き物と共生・共存ができて、ほんとうの意味で幸せで平和な時代になる。
甲田医師はそう話していました。


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