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October 31, 2008

甲田光雄医師について、書き残したいこと その3

甲田医師から怒られそうですが、○○運動や、あれを食べる・これを食べないということが、健康法ではないと思うのです。

なにかを追求し、目的を持って、いつも張り切っていること。
こうした状態が、私たちの心と体を健康にしているのです。
甲田医師について考えると、つい、そう感じてしまいます。

甲田医師は、自身の病気から、教科書的・世間的な正誤を捨てて、自らの体で断食や少食の効果を検証してきました。
自分の頭で考え、自分の体で実行し、また、多くの患者さんの「治る力」を信じて治療に当たり、自分の「生」をまっとうした、私が知る中で唯一の人です。

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October 15, 2008

甲田光雄医師について、書き残したいこと その2

例えば、○○が健康によいと耳にして、早速取りかかったとします。
1週間ほど続けても効果が見られないと、たいていの場合、これはダメだとあきらめてしまいます。

飽きっぽくて、根気がなく、いいかダメか口先だけの批評が多いのが、今の時代を生きる私たちの特徴ではないでしょうか。

甲田医師は、少食・断食という健康法と出会って「これだ」と思い、50年以上にわたって少食・断食を実行してきました。
長年、自身の欲望や周囲の冷笑と戦いながら、ただ一つ見つけた「少食・断食がすべてを救う」という真実を追い求めました。
言い換えれば、真実にするために、人生をかけて追求したのです。

自由と安らぎを
得るための少食

今の日本は、不景気とはいえ、食事に困ることはそれほどないでしょう。
スーパーにはさまざまな食材が並び、コンビニには24時間手軽に食べられる物がそろっています。

それなのに、どうして食事をへらさなければならないのか。
少食とはなんて不自由な生活だろうと思ってしまいます。

甲田医師は逆に「自由ってなんやと聞き返したい」と言います。

食べ過ぎた結果、病気になることこそ不自由です。
自分がやりたいことをできないだけでなく、家族や周囲の人たちにも、大きな迷惑をかけることになります。

食事で得られる満足は、一時的なものです。
もっとおいしいものを、もっとたくさん食べたくなり、際限がありません。
けっきょく私たちは、いくら食べても満たされないから、つらくなってしまうのです。

人間には、単に栄養とエネルギーを得るためだけでなく、おいしい物をたくさん食べたいという欲望があります。
この欲望から解放されることで、自由と安らぎが得られるのでしょう。

しかし、食欲が私たちを振り回す力を、甲田医師自身、身をもって痛切に知らされてきたと言います。
「少食を成功させるために、食べたらあかんと自分を縛るのではなく、食事をいただくことに感謝の気持ちがなくてはなりません」

少食は、体の本来の機能を働かせる正しい量の食事です。
とはいえ、病気になりたくないから、健康にいいから、やせたいからという理由だけで少食に取り組んでも、長続きしにくいものです。

少食にすれば、未来はどう変わるのか、想像してみましょう。
少食で食費が削減でき、家計は助かるし、調理や献立作りにかかる時間と労力をへらせます。
そしてガスや電気などのエネルギーをあまり使わないので、地球の環境を守ることにもつながります。

日本の高齢化は進んでいますが、少食でいれば年を取ってからも、寝たきりや認知症になることはありません。
日本じゅうに広まれば、医療費はぐっとへるはずです。

日本では飽食と肥満が問題となっていますが、世界人口の約8分の1に当たる8億の人々が、飢えに苦しみながら暮らし、多くの子どもたちが命を落としています。
少食が世界じゅうに広まれば、食糧不足の心配はありません。

少食で、人間の命も、動物の命も、植物の命も、地球の資源もたいせつにすると、すべての生き物と共生・共存ができて、ほんとうの意味で幸せで平和な時代になる。
甲田医師はそう話していました。

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October 10, 2008

甲田光雄医師について、書き残したいこと その1

甲田医院院長の甲田光雄医師が2008年8月12日に亡くなりましたた。
甲田医師は1924年8月2日生まれ。
私はこの10年くらいの間に仕事で5~6回ほど甲田医師に会いました。
甲田医師は「関西人のおじいちゃん」で、私の話をあまり聞かずにしゃべりたいことを一方的にしゃべるだけだったし、カメラを向けると張り切って180度開脚して若さをアピールするなど、ある意味、お茶目な人でした。
しかし、会った時間がほんのわずかでも、恐ろしく印象深く、甲田医師の言葉を私のできる範囲で残しておきたいという思いがあります。

大飯食らいだった
「断食博士」

甲田医師は、何万人もの人々に断食や少食を指導してきました。
そして、難病がみごとに治ってくるという症例が、続々と出てきました。

健康になりたいと思って、断食や少食を実践すれば、なんとか生き抜こうとするエネルギーが、体の中からわき上がってきます。
そして、体が軽くなり、どんどん元気になってきます。
甲田医師によると、これが自然の法則なのだそうです。

甲田医師自身が、最初に断食を行ったのは1950年のことです。
ここ数年は、以下のような少食生活を送っていました。
朝3時 起床
昼12時 青汁を飲み、生の玄米をすりつぶした生玄米粉と豆腐を食べる
夜6時 青汁とニンジンジュースを飲み、生玄米粉、豆腐、ゴマ、海藻類を食べる
※午前中は、水と柿の葉茶をたくさん飲み、食べ物はいっさい取らない
甲田医師は、食べない楽しみを味わいながら、毎日、気持ちよく生活したといいます。
ただ、甲田医師自身、生来の大飯食らいで、甘い物好きだったそうです。
「まんじゅうでも大福でも、1つなら食べないほうがましで、3つも4つも食べないと満足できなかった」と話していました。

甲田医師が少食を続けるようになったきっかけは、慢性肝炎を断食で治したことでした。
中学のときに、食べすぎのために慢性の胃腸病にかかって、2年間学校を休みました。
その後、復学したのですが、肝炎を患い、慢性化してしまいました。
健康になりたい一心で医師を志し、大阪大学医学部に進みました。
ところが慢性肝炎は治らず、大学3年のとき、十二指腸潰瘍、大腸炎、胆嚢胆道炎まで患って、大阪大学附属病院に入院することになりました。
当時の最先端治療を受けても、病状はいっこうによくなりません。
そして、主治医にこう言われたのです。
「甲田君。いつまでもこんなとこで治療を受けるよりは、家に帰ってのんびり養生したらどうや」。

甲田医師は、現代医学でだめなら民間療法で治らないかと、いろいろな本を読みあさりました。
そして知ったのが、断食療法です。
試してみたいと思って主治医に相談したら、「断食したら死んでしまう」と、ものすごくしかられました。

覚悟を決めて、生駒(奈良県)の山に登り、11日間の断食をやりました。
断食で甲田医師の体は回復していったのです。
繰り返し行えば、病気は治るかもしれないと、甲田医師は希望を持ちました。
そして、断食には、現代医学でまだ解明されていない深い真理が秘められていることを、体で感じ取ったのです。

それからは、大学で現代医学を学びながら、何度も断食を行い、少食にも取り組むようになりました。
どうして食を断つことでこんなに元気になるのか、医学的に解明しようと、甲田医師は考えていました。

ただ、最初から少食を実行できたわけではありません。
食事をへらすと、体が回復していくのがよくわかりました。
ところが、しばらく続けると、甘い物が食べたくて、たまらなくなるのです。
食べるとてきめん、体がだるくなります。
「これはいかんと、もう今日から甘い物は食べないことにすると決心するのですが、1カ月もたたないうちに、あんころもちを3つも4つも食べてしまう。そんな失敗ばかりです」

医者をやめて死んでしまおうと思い詰めたこともあったそうです。
そんなときでも、「待てよ。どうせ死ぬのやったら、その前に腹いっぱいぜんざいを食べておこう」と思う始末です。

甲田医師自身がさんざん苦労して、「少食にしなければならない」と自分を縛るのではなく、「少食になりたい」という思いを強くすることがたいせつだと気づきました。

やがて、食べ物への執着が消え、1枚の葉っぱ、1粒の米も、感謝して食べなくてはならないと、実感としてわかるようになったそうです。

心と体を蝕む
「宿便」

私たちは、「今まで健康だったのが一変して病気になった」と思いがちです。
ただ、甲田医師によると、病気は突然かかるものではありません。
「宿便」をためる生活を続けて、その結果として病気になるのです。

宿便がたまってくると、心と体の症状が現れます。
○いつも疲れた感じがして、手足が冷たい
○頭がスッキリせず、体のあちこちにしょっちゅう湿疹ができる
○取り越し苦労が多く、余裕がない

宿便とは、腸管内に滞った物の総称です。

胃腸の消化能力を超えて食べ物を取ると、食べ物の一部がうまく消化されず、腸管内に残ってしまいます。
これが宿便です。
人間の体は、口から肛門まで、消化管という管が1本通っています。
いつも大量の食べ物を摂取していると、消化管の途中で詰まりが生じてしまいます。
車の量がふえすぎると、道路が渋滞することと同じです。

腸管が長く伸びたり、横に膨らんだりして、宿便を収容します。
そして腸内細菌の出す酵素(化学変化を促す物質)が、宿便を分解するのですが、食べすぎが続くと分解が追いつきません。
やがて腸管が垂れ下がって、腸管どうしや、腸管とほかの組織などが癒着し、腸管の動きが鈍くなるのです。
これを甲田医師は「腸マヒ」と呼んでいます。

腸マヒがあると、腸管を内容物が通過できなくなり、宿便がさらにたまってくるわけです。
また、宿便が分解される中で発生した有害な毒素が、体内へ吸収されてしまいます。
そして、毒素が血液の中へ入り、体じゅうの臓器へと運ばれます。
結果、全身の倦怠感やアレルギー症状、肩こり、頭痛、肌荒れ、ひどい口臭など、いろいろな不快症状が出てきます。
「宿便は万病のもと」といっても過言ではありません。

道路の渋滞を解消するために、車両の通行を制限します。
これと同様に、宿便の解消には、食べ物が消化管に入ってくるのを止める、あるいはへらすのが効果的です。
断食で宿便が出るのは、モチリンという消化管ホルモンが、空腹時にたくさん分泌されるためです。
モチリンは「腸管の掃除屋」で、腸管の運動を活発にして、腸の内容物を下部に移送し、早く体外に排せつさせます。

宿便が出ると、症状は劇的に好転してきます。
甲田医師は、難病の患者さんがどんどん治っていく姿を見ながら、現代医学ではまだわからない真理がある、断食療法は間違っていないと確信しました。

犬や猫などの動物は、体の調子が悪くなると、日ごろの好物でも食べなくなります。
これは食べ物を断って自然治癒力を高め、体調を回復させる大自然の計らいに従っているわけです。

人間も、体調をくずして高熱が出ると、通常は食欲が落ちてくるものです。
ところが、食べないと栄養不良になり、弱ってしまうと考えます。
食欲がないのに無理して食べるから、ますます体がだるくなって、治る病気も治らないのです。

食欲のないときは、大自然の計らいにすなおに従って食べない。
また、食欲があっても、積極的に食をへらす。
すると、自然治癒力が高まり、体が疲れなくなって活力がわき、頭がさえて、なんともいえないくらい気持ちのいい生活を送ることができるのだそうです、
「少食に病なし」と甲田医師は話しました。

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