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しつけとコーチング

しつけを英訳すると trainingまたはdiscipline。
国語辞書を引けば「礼儀作法を身に付けさせること。また、身に付いた礼儀作法」と書いてあります。

子どもを虐待して逮捕された親が、よく「しつけのつもりでやった」と言います。

子どもに身体的・精神的に著しい外傷を与えたり、関心を示さずに放置したりする児童虐待はchild abuse。
abuseには「濫用する」という意味があります。
問題の親は「しつけ」という言葉を濫用しているわけですが、しつけという言葉には「体罰もやむなし」というニュアンスも含まれているのかもしれません。

最近よく目にするコーチングは、しつけとはどう違うのでしょうか。
一般に、他人の能力を開発することをコーチングと呼んでいるようです。

子どものしつけが、社会生活を営むための正しい振る舞いを覚えこませることと考えられます。
一方、子どものコーチングは、子どもが生来持っている生きる力を引き出し、育て、支えることなので、しつけとは本質的に違います。

しつけが「今」に焦点を当てているとしたら、コーチングは「未来」を目指しているのです。

ところで、最近では「子どもを褒めて育てなさい」と言われます。
褒め言葉で、思いどおりに子どもを操ろうとする親。
褒められるためにいい子でいようとする子ども。
この関係が続くと、褒めてくれる人がいなければ、子どもはやる気が出ません。

自分の都合でしかったり脅したりする親が、子どもにいい影響を与えないのと同様に、子どもを支配しようとして褒めるのも問題です。
いずれの場合も、自分で自分のことが決められない、不安定な心の持ち主になる可能性が高くなります。
「しかられないため」「怒られないため」と「褒められたいため」とは、同じ結果を招くと言えます。

親が子どもを思いどおりにふるまわせようとするのではなく、周囲の人の役に立つ喜びを教えましょう。
自分のやったことでだれかが喜ぶ、幸せになるのは、大きな喜びです。

具体的には、親は子どもが手伝ってくれたら、「いい子」「えらい」と褒めるより、「ありがとう」「助かる」「うれしい」と感謝を伝えましょう。

そして、社会生活を営むための正しい振る舞いを子どもに覚えてほしかったら、親がはっきりと手本を示すことです。

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「なんでも葛根湯」には注意を

最近は、「カゼを引いて発熱するのは、体の防御機能(免疫)が働いているからである。ひどく高熱でないときに解熱剤は使わない」という風潮があります。
ですから、体を温める効果のある食品のショウガや漢方薬の葛根湯を、どんなカゼにでも多く取る人もいるのではないでしょうか?

しかし、「どんなときでも体を温める」という考え方は改めましょう。
特に子どもは、夏カゼのときに体を温めすぎて、熱がこもって体調を崩す可能性もあるので、注意が必要です。

東洋医学では、大まかに、カゼを2種類に分けて考えます。
悪寒(寒気)がするカゼと、すぐ熱が出るカゼです。

厳密に2種類を分けるのは難しいかもしれません。
ただ、冬場、強烈に冷えて寒い時間が長いときは、悪寒のするカゼ。
一方、最初から熱感が強く、のどがひどく腫れているときは、熱のカゼと考えればいいでしょう。

1 悪寒がするカゼ(ゾクゾクする寒け、透明な鼻水、セキ):傷寒(しょうかん):風寒型
悪寒は、外からの寒さに対抗して筋肉を震わせて体温を上げようとする反応です。

悪寒を伴う発熱に、解熱剤は逆の効果です。
体を温め、頭だけを冷やしましょう。

葛根湯は傷寒中風のカゼで、初期の最も軽いとき、例えば筋肉痛があるときに適しています。
葛根湯の主薬である麻黄は、桂皮とともに体表を温める作用があり、その作用で発熱を助け、カゼのウイルスを追い出します。
漢方薬を服用して体を温めているので、体を冷やす食べ物はよくありません。
アイスクリームやミカンは避け、リンゴは食べましょう。

カゼのときに足が冷える人は、水分が下半身に集まっています。
この場合小青竜湯が適します。
小青竜湯は、鼻水の多いカゼにもよく効きます。

どんなに体を温めても悪寒が強い場合、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が適当です。

胃腸を悪くして寝込む人は、麻黄が配合された漢方薬は強すぎるので避けましょう。
初期のカゼなら桂枝湯が適しています。
もたれ、食欲不振などの胃腸障害があれば、柴胡桂枝湯が適当です。

○漢方薬を選ぶコツ
軽いカゼ→香蘇散(香附子、紫蘇葉、陳皮、甘草、乾生姜)
軽いカゼ、首のコリ、筋肉痛→葛根湯(葛根、麻黄、大棗、桂皮、芍薬、甘草)
関節が痛む→麻黄湯(麻黄、杏仁、桂皮、甘草)
水っぽいタンや鼻水が多い、足の冷え→小青竜湯(麻黄、芍薬、乾姜、甘草、桂皮、細辛、半夏、五味子)
どんなに体を温めても悪寒がする→麻黄附子細辛湯(麻黄、細辛、附子)
胃腸の調子が悪い→桂枝湯(桂皮、芍薬、甘草、大棗、生姜)
重度のカゼ、食欲不振、吐き気→柴胡桂枝湯(さいこけいしとう:柴胡、半夏、桂皮、芍薬、黄ぎ、人参、大棗、甘草、乾生姜)
桂麻各半湯(けいまかくはんとう)

2 悪寒がないカゼ(熱感、のどの腫れ、乾き、頭痛、セキ):温病(うんびょう):風熱型
悪寒が無い・軽いカゼで、高い熱が出ることがあります。
春から初夏にかけて、特に子どもに多く見られます。
また、インフルエンザのような流行性ウイルス感染症も、このタイプに分類されます。

まずは体を涼しい場所で休ませ、頭を冷やしましょう。

熱を下げることが第一なので、鎮痛解熱剤でよいでしょう。
適している漢方薬は、銀翹散や香蘇散などです。
のどが腫れて痛むときは銀翹散を使います。

○漢方薬を選ぶコツ
軽いカゼ→香蘇散(香附子、紫蘇葉、陳皮、甘草、乾生姜)
セキ→桑菊飲
熱が出てのどが痛い→銀翹散(ぎんぎょうさん:金銀花、連翹、薄荷、桔梗 甘草、淡竹葉、荊芥、淡豆し、牛蒡子、羚羊角)

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ユーカリの精油活用術

ユーカリには700以上の種類があり、主な精油として次の4つが挙げられます。

1 ユーカリ・グロブルスEucalyptus globulus
○香り 
クリアで鋭い、清々しい香り
○主な成分 
1.8-シネオール(殺菌作用、去痰作用)80~90%、αピネン10~15%
○使用法
虫よけ
呼吸を楽にする
※刺激が強いので、少量で試すとよい
※幼児や高齢者に使用する際は要注意

2 ユーカリ・ラディアータEucalyptus radiata
○香り
鼻に抜けるような、スーッとする心地よい香り
○主な成分
1.8-シネオール(殺菌作用、去痰作用)60~75%、α‐テルピネオール5~10%
○使用法
虫よけ
3滴の精油を30mlキャリアオイルで希釈してマッサージ、アロマバス→のど・鼻・耳を楽にする、集中力を高める

3 ユーカリ・シトリオドラEucalyptus citriodora
○香り
レモンを思わせる爽やかで刺激的なグリーン系の香り
○主な成分
シトロネラール70~80%、シトロネロール10~20%
○使用法
気分を明るくリフレッシュ

4 ユーカリ・シュタイゲリアナEucalyptus staigeriana
○香り
レモン系の穏やかで、ややウッディーな香り
○主な芳香成分
リモネン、ゲラニアール
○使用法
芳香浴(アロマキャンドル、ディフュザーなど)

■呼吸を楽にするクリーム
[材料]
ユーカリ・ラディアータの精油 2滴
キャリアオイル(ホホバオイルなど) 10ml
みつろう  2g

1 オイルとみつろうをガラス容器に入れ、湯せんする。
2 ゆっくりかき混ぜて、みつろうを溶かす。
3 湯せんから外し、さらにかき混ぜる。
4 白くなり始めたらユーカリの精油を入れ、かき混ぜる。

そのほか、掃除にもユーカリの精油を使えます。
■リビング
□床

バケツの水に精油を2~3滴ほど加えて、雑巾を絞り、ふき掃除をする。

□におい消し、虫よけ
50mlの水に精油を10滴程度落とし、スプレー容器に入れてよく振った後室内に散布。

■トイレ
□床、便器の外側

[用意するもの]
水 450ml
酢 50ml
ユーカリの精油 15~20滴
スプレーボトル

材料をボトルに入れて、よく振ってから床などにスプレーし、布やトイレットペーパーでふき取る。

□便器の内側
[用意するもの]
重曹 1.5カップ
ユーカリオイル 15~20滴 
容器

材料を容器に入れ、よく振ってから便器にまき、ブラシでこする

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シュタイナー教育について、私なりに考えたこと

シュタイナー教育について書かれた本を読むと、親が自分を成長させることが大事だと書かれています。
大人は自分が完ぺきな人間ではないと認め、自身を成長させるため絶えず努力している態度を子どもに示すのです

では、親も子もなにを目標に成長していくのかというと、「自由」を目指すのではないかと私は感じています。

自分かってに生きていくのが自由ではありません。
貪欲や怒り、冷酷さから解放されるのが、自由なのです。
そのために、自分の感情を押し殺すのではなく、感情を注意深く見つめ、理解すること。
さらに、自分一人では生きられないのだから、他人への思慮を忘れてはいけません。
自由と秩序は決して矛盾しないのです。

では、人間の成長段階がシュタイナー教育ではどのように考えられているのか、私なりにまとめてみます。

シュタイナー教育では、生後7年で、筋肉や骨が成長して調節できるようになると考えます。

この年代の子どもは、体を絶えず動かし、身の回りをまねして成長します。
ところが、なにかを考えさせたり、覚えさせたりしようとすると、体の発達に必要なエネルギーが浪費されます。
ですから、大人は子どもに体験させる、その場でまねをさせることが大事だとされます。

テレビを見ていると、子どもは体を動かしません。
ですから、番組の内容にかかわらず、子どもにテレビを見せないほうがいいでしょう。
また、テレビのように次々と画面が切り替わると、ストレスがたまります。
大人にとってテレビは情報源や気晴らしになりますが、子どもには逆効果なのです。

7歳ぐらいまでの子どもに善悪を教えるとき、言葉ではなく、大人が態度で示すのです。
大人が善を行い、悪を行わないことで、子どもはそのまねをします。
大人が子どもに耳を貸すことで、子どもは大人の言うことを聞けるようになります。
大人が周囲に感謝することで、子どもは感謝を覚えます。

子どもには勉強やスポーツをいっさい教えません。
子どもの自発的な心と体の動きが、健全な成長を促します。

また、子どもの欲求に大人は親切に応じましょう。
子どもは欲求が満たされると、喜び、それが正しく育つ力になります。

加えて、のんびり屋の子どもは、のんびりした子どもといっしょに遊ばせます。
テキパキした子どもと遊ばせて、大人が「こうなりなさい」と叱咤激励しても、ほとんどの場合うまくいきません。

7歳から14歳までは感情が成熟していくと、考えられています。

この年代では、イメージを膨らませることに熱中します。
音楽や絵画など芸術的な手法で教えれば、子どもに訴えかける力が大きくなります。

14歳から21歳までの間に初めて、知的に分析したり、批判したりできるようになると考えられています。

理性的・抽象的な思考力、原因と結果を理解する能力、自分自身の判断力も、この時期に生まれます。
同時に、感情面でも激しさを見せることがあります。

21歳ごろには、もう一人前の大人で、子どもではありません。
親は子育てを卒業して、自由を目指し、また自分自身を充実させることがたいせつなのでしょう。

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