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産後の便秘対策は抜かりなく

便が岩石のように
固まって出せなくなる

 赤ちゃんの世話に忙しくて、産後のお母さんは自分の便通の有無など覚えていないと思います。しかし、1週間ぐらい、便秘をほうっておくと、便の水分が大腸で吸収されて、岩石のように固い便になります。
 特に母乳育児を行っているお母さんは、体内の水分が母乳に使われるので、軽い脱水状態になりがちです。その結果、便の水分量も減って、便が固くなってしまうのです。
 便が固くなると、大腸の内部を移動するのが困難になり、便秘が悪化します。また、便意が起こると、猛烈な痛みを伴います。固い便のために、トイレの中で長時間、脂汗を流したお母さんは決して少なくないことでしょう。
 便通を整えるために、ぜひ取り入れてほしいのが、白湯を飲む習慣です。白湯とは、一度沸騰させたお湯を、口がやけどしない程度の熱さまで冷ましたものです。
 白湯を飲む健康法の由来は、「アーユルヴェーダ」というインド伝統医学です。
 朝は、起きてから口を軽くゆすいで、ちょっと熱めの白湯をコップ1杯以上、たっぷりと飲みます。そして、夜は、寝る前に、60度以上の熱い白湯をコップ1杯ほど、ゆっくりと飲みます。ただし、量は目安なので、自分の体調に合わせて加減しましょう。
 起床後と就寝前には必ず白湯を飲むようにするほか、昼間も食事の前に白湯を飲むといいでしょう。
 白湯で消化管が温められると、消化・排泄が促されて、便通が整えられます。そのときに、未消化物(アーユルヴェーダでは「アーマ」)が排出され、体内で毒素が発生しにくくなると考えられています。

便のタイプで
体質・傾向までわかる

 アーユルヴェーダに詳しい蓮村誠医師は、白湯にクミン、ジンジャー、コリアンダーの3つを加えて飲むと、消化・排泄を促す効果がより高まると語っています。この3つは、スーパーのスパイス売り場でたいてい購入できます。
 粉末のクミン、ジンジャー、コリアンダーをスプーン1杯ずつ、スパイス用の瓶に入れて、よく振って混ぜておきましょう。こうして作ったミックススパイスを、白湯を飲む直前に一振り入れて、ゆっくりと飲みましょう。
 アーユルヴェーダの考え方では、便のタイプでその人の体質や考え方の傾向がわかります。体質に合わせて、ミックススパイスにクミン、ジンジャー、コリアンダーを一振り足すといいでしょう。
○カチカチ・コロコロの便、便秘と下痢を繰り返す → 風(乾燥しやすい、不安になりやすい) → クミンを足す
○便秘よりも下痢しやすい → 火(炎症が起こりやすい、怒りっぽい) → コリアンダーを足す
○ねっとり・ベタベタした便 → 水(むくみやすい、不活発) → ジンジャーを足す
 なお、白湯の作り方については、蓮村医師は「水を沸騰させてから、そのまま10~15分、加熱し続ける」と指導しています。
 しかし、子育て中に15分ほど加熱する時間を取ることは、なかなか困難でしょう。白湯で消化管を温めると同時に水分を補給するしたら、一度沸騰させるだけかまいません。時間に余裕が出てきたら、正式な作り方を試すといいでしょう。

ーグルトや根菜で
解消しない便秘も多い

 一般的に、便秘解消で勧められるのは、乳酸菌と食物繊維の摂取です。しかし、ヨーグルトや根菜、海藻などを熱心に食べても、便秘が改善しないという声を多数聞いてきました。
 医師や専門家に改善しない理由を聞くと、答えはさまざま。摂取量が足りない、タイミングが悪い、温めて取るとよい、そもそもヨーグルトは日本人の腸に合っていないなど、多くの答えが返ってきました。
 結果、はっきりした理由はわからないが、乳酸菌と食物繊維の摂取をしても便通がよくならないときは、積極的に取る必要はないということです。
 加えて、母乳育児を行っているお母さんは便が固くなりやすいので、不溶性食物繊維の摂取を少し控えましょう。不溶性食物繊維は、大腸の水分を吸収して便のかさを増す働きをするため、便がさらに固くなってしまうからです。
 ふだんから便秘がちの人は、産後は便が固くなりすぎて、いきんでも出なくなる状態になることがあります。この状態を解消するには、座薬や浣腸をするしかありません。出るに出ない状態に備えて、薬局で座薬や浣腸を購入しておくといいでしょう。
 「便が出ないけど、まあ、いいか」と軽く考えると、ものすごく痛い目に遭うのが便秘です。赤ちゃんの便の状態だけでなく、お母さん自身の便の状態もチェックしましょう。
 

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産後1カ月が女性の将来を左右する(改)

テンションを
コントロールしましょう

 出産直後に、テンションが上がっているお母さんは珍しくありません。赤ちゃんが生まれてきたことを大喜びするのは、もちろんいいことです。しかし、テンションが異常に上がりすぎると、その後、ガクッとテンションが下がって、うつっぽい状態に陥る可能性があります。そして、夜中の授乳で寝不足などが続くと、体力とともに気力も落ちて、育児がつらいものになってしまいます。「赤ちゃんがかわいいと思えない」「そんな私は母親失格」と、産後うつまでこじらせる場合もあります。
 ですから、出産直後のテンションをコントロールすることは、とてもたいせつです。
 テンションが上がりすぎたときでも、下がりすぎたときでも、足湯は効果を発揮します。
 足湯で足を温めることで、テンションが上がりすぎた、いわば頭がのぼせた状態を解消できます。同時に、末梢である足を温めて全身が穏やかに温められると、落ち込んだ気分から回復することができるのです。
 また、妊娠・出産によって、骨盤は開いて不安定な状態です。ですから、出産直後から、骨盤を締めて安定させるケアを始めて、腰痛などを予防しましょう。
 締める位置は、骨盤の下部。つまり、太もものつけ根です。骨盤の上部に当たるウエストのあたりを締め付けると、骨盤本来の形に戻りにくくなるので、注意してください。
 骨盤を締めるグッズについては、専用のベルトなども発売されていますが、帯など丈夫で長い布でもかまいません。立った状態だと内臓が下垂して骨盤が開いているので、骨盤を締めるのは横に寝た状態で行います。

冷やさず、動かず
物を見ず

 産後10日までは、「冷やさない、動かない、目を使わない」を心がけてください。
 「冷やさない」については、前述の足湯のほか、おふろに入らないようにして、髪も洗わないこと。かゆみが気になる場合は、温かい蒸しタオルで拭くといいでしょう。
 冷たい飲み物や食べ物は、体を冷やします。夏でも、できるだけ摂取しないようにしてください。
 「動かない」ようにするため、家族が不在のときは電話は留守番電話にして、インターフォンの音を消しましょう。来客や宅配便などは家族に対応してもらいます。
 10日程度、掃除しなくても健康を害しません。できるだけ家事は行わないようしましょう。
 妊娠中と同様に「目を使わない」ために、新聞・雑誌・小説など小さな字は読まず、テレビやパソコン、スマートフォンの画面はできるだけ見ないようにします。
  産後10日から3週間までも、「冷やさない、動かない、目を使わない」を継続します。
 外出せず、1日じゅう、パジャマで過ごし、自分を徹底的に甘やかしましょう。
 おふろに入るときは短時間で済ませ、髪を洗わないようにしてください。頭髪が濡れていると、全身が冷えてくるからです。
 掃除は気になるところだけを乾拭きするにとどめます。

骨盤を締めているだけで
体形は戻る

 産後3週間が過ぎたら、「床上げ」の準備を始めます。体を動ける状態に戻していくため、産褥体操、腹式呼吸やストレッチを始めます。ただし、まだ骨盤が不安定な状態なので、開脚するストレッチは避けましょう。
 産後1カ月以降は、たくさん歩いて、体力の回復を早めます。
 産後2カ月を過ぎてから、本格的なストレッチや腹筋運動などの筋力トレーニングを始めます。テレビやパソコンを使い始めるのも、このころからがいいでしょう。
 産後の体形が気になって、腹筋運動などを早く行いたいと焦る人もいるでしょうが、だいじょうぶです。骨盤を締めて安定させるケアは、腰痛を防ぐだけでなく、体形を整える効果もあるからです。
 赤ちゃんの抱っこで手首が痛くなってきたら、抱っこのしかたを変えましょう。古武術の手の動きを利用すると、赤ちゃんの重みが手首から腕全体に分散されるので、腱鞘炎になることを予防できます。
 産後1カ月の過ごし方をちょっと工夫すれば、精神的なつらさや体の痛みを引きずることがありません。また、体形についても、産後1カ月を無理しないほうが、すんなりと元の状態に戻れるのです。

産褥体操 その1
1 座布団などを重ねて15センチぐらいの台を作り、その上に腰を乗せて、あおむけになる。両手は力を抜いて、床に置く
2 両足を腰幅に開き、息を大きく吸って、ゆっくり吐きながら両足を上げる
3 息を吐き切る直前に、一気に力を抜いて足を下ろす

褥体操 その2
1 背すじを伸ばして立ち、足を腰幅に開いて、内またになる(両足の親指を内側に向ける)
2 息を吐きながら、上体を前に倒す
3 息を吐き切ったら、大きく息を吸ってから、息を吐きながら両ひざを寄せる
4 ひざを寄せたままの状態で、上体を立てる

腱鞘炎を防ぐ抱っこのしかた

 通常の抱っこでは、手のひらを使って赤ちゃんの体を支えます。そうすると、手首に赤ちゃんの重みが集中するため、腱鞘炎になりやすいのです。
 手首だけでなく、腕や背中などに重みを分散させるには、手の甲を使って赤ちゃんの体を支えます。このとき、中指と薬指を内側に折り曲げると、重みが全身に分散されて、より疲れにくく、痛みも出にくくなります。

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女性のからだの知恵 自分にとっての「NO」を明確にしましょう

周囲の無神経さを
変えることはできない

 妊娠中も出産後も、ホルモンの関係で、お母さんは心身ともに不安定でナイーブになっています。そのため、高齢など不安材料のある出産の場合は特に、ふだんだったら気にならない些細なことが、とても気になります。
 周囲の人が、妊産婦のナイーブな状態を理解し、それに合った対応をしてくれるのが理想的ですが、現実は残念ながら違います。

 失礼で、まったく気遣いなし。
 やたらと口を出す。
 いつも「私が私が」「オレがオレが」と自己主張。

 悪意のある・ないは別として、このような人はどこにでもいます。彼らから妊娠中や出産後に傷つけられたことが、産後1年たっても、4年たっても、中には20年以上たっても許せないお母さんは少なくありません。「よくもまあ、こんなことまで」とお母さん自身もあきれるほど、根深く嫌悪感を持ち続けています。そして、無神経な彼らと顔を合わせると、こと細かく嫌な経験を思い出してイライラするのです。
 残念ですが、大人になったら性格は直らないもの。無神経さは変わりません。それに、無神経な当の本人たちは、言ったこと・やったことをとっくの昔に忘れています。
 ですから、無神経な人たちから離れるしか、解決法はありません。
 無神経な人から電話がかかってきたら、出ていますか? 無神経な人からメールや手紙が来たら、読んで返信しますか?
 私は電話に出る必要も、メールや手紙を読む必要もないと思います。ほぼ間違いなく、無神経な人たちは怒ったり、責めたりするでしょうが、彼らの感情は、本人の問題であり、お母さんと赤ちゃんの問題ではありません。自他を切り離しましょう。

優先順位をつけると
「NO」が言えるようになる

 無神経な人によく見受けられるのが、「見捨てられ不安」。「私の気持ちを理解してくれない」「×××をしてくれない」などと、彼らはよく口にしていませんか? 周囲に見捨てられる不安が強い結果、わがままなふるまいをして注目されようとしたり、挑発的なことを口にしたり、周囲の人間を試したりしています。

 お母さんが自分と子どものことだけを考えて、淡々と出産の準備を進めることは、無神経な彼らにとっても実はプラスに働きます。エスカレートしがちな「見捨てられ不安」が抑制されるからです。泣いている子どもが周囲にかまわれると大泣きするのに、かまってもらえないと泣きやむことと同様です。
 無神経な人が周囲にいるときには、「私はおなかの子どものお母さんである」と確認してください。そして、優先順位をつけましょう。
 例えば、自分は母親だから、子どもと自分をいちばん尊重し、親類はその次で、ママ友は……などと明確にしておけば、彼らの訪問や電話、メールに対して「今は受け入れません」とはっきり示すことができます。
 また、自分にとっての「NO」が明確になれば、自分の許容範囲、つまり「YES」も明確になり、自分のペースを守ることができます。

妊娠中と産後1年は
大きな決断を避けたい

 無神経な人で悩んでいるときに避けたほうがいいのは、友達に相談することです。「それくらい我慢しなさいよ」「気にすることはないよ」などといった返答が多いからです。お母さんはナイーブな時期なので「我慢できない私・気にしている私の側に非がある」と感じて、自分を追い詰める可能性もあります。
 もう1つ避けたほうがいいことは、大きな決断をすること。妊娠中と産後すぐのお母さんは、ある意味、地に足が着いていません。ふわふわ・グラグラと不安定な心理状況から脱却したいため、「夫が無神経すぎるから離婚」「義理の親と縁を切る」「ママ友から離れたいから引っ越しする」などのように、極端な行動を取りたい衝動に駆られがちなのです。しかし、しばらく時間がたち、子どもが1歳を過ぎる頃からでしょうか、自分自身の行動を後悔するでしょう。
 もちろん、暴力を振るわれるなど、お母さんと子どもの命を脅かす場合は、すぐに行動を取ることを勧めます。そうでなければ、自分はホルモンの関係で通常の精神状態ではないと思い直してください。お母さんは子どもを守るために、野性に戻っているのです。
 周囲の無神経さであまりにもイライラするときは、自分1人になって周囲との交流を断つほうが、極端な行動を取ったりしづらいのでいいでしょう。自分の好きだった音楽を聞いたり、散歩して新鮮な空気を吸い込んだりすることをお勧めします。
 現代は食料品が宅配され、ロボット型掃除機が部屋をきれいにしてくれる、とても便利な時代です。ですから、里帰り出産をしたり、産後に親に来てもらったりする必要などもありません。どのようなサービスが使えるか調べて、出産直後に備えましょう。やることはたくさんあります。無神経な周囲に振り回される時間がもったいないと思います。

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『育児の百科』をすべてのお母さんにプレゼントしたい

828ページにも及ぶ『育児の百科』は、子どもの病気や発達、育て方のコツだけが書かれた本ではありません。
人間としてまだまだ不完全な私たちが、親として成長するための励ましの言葉が語られています。

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子どもの例からすれば、あまり自信のある親は、よい親ではない。子どもといっしょに人生を探求し、いっしょに育ってくれる親がいい。
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著者の松田道雄医師が、長年、小児科医として多くの親子と接してきた経験を記し、1967年に出版したのが『育児の百科』です。
出版された頃と比べると、今はずいぶん社会環境が変わって医療技術も進み、内容の一部は古さを感じさせるものもあるでしょう。
とはいえ、父親と母親がいて子どもは生まれる、妊娠・出産するのは女性である母親、母親が育児の中心となることは、今までも、そしてこれからも、ずっと変わりません。
ですから、妊娠・出産で直面する迷いや困難をどうとらえるのかという点では、松田医師の言葉は現代もなお生きています。

例えば、出生前検査について。
出産の高齢化が進んでいる今、直面している母親が増えていると思います。
本著の中で、松田医師は次のように語っています。

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病気があっても人にめいわくをかけず普通に生きていけるのなら「無」よりも「生」をえらびたい。
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乳幼児の頃は、たとえ大きな病気がなくても、離乳食の進み方や皮膚の状態など、細々としたことで母親は悩んでしまいます。
松田医師は母親の悩みを受け止めたうえで、「赤ちゃんには個性がある」という気づきを与えてくれます。

私個人のケースでは、腸重積に関する詳細な記述を読んでいたおかげで、息子の腸重積を早期発見でき、開腹手術を回避できました。
下の子どもが生まれたばかりの頃、息子は2歳の反抗期真っ盛りでした。
加えて、赤ちゃん返りもしていたのでしょうか、私たちの言うことを聞かず、暴れん坊でした。

ある日曜日、昼食の最中に突然、息子が「おなかが痛い」とイスからひっくり返って、泣き出しました。
おなかを手で押さえて床で転げ回りながら「痛い痛い」と言っていたのですが、数分でけろっとして食事を再開しようとします。
しかし、また数分後、「痛い痛い」と床で転げ回るのです。
その様子を見た夫は、「また息子のわがままだ」とあきれた顔をしていました。
一方、私は、とても嫌な感じがしました。
「本に書かれたいた腸重積と同じ症状だ」
腸重積は、腸が腸の中に入り込んでしまう病気です(長袖を脱いだときのような状態)。

私は生まれたばかりの下の子を世話しなければならにので、夫に頼んで、日曜日でも診療している救急センターに連れて行ってもらいました。
すると、1時間ぐらいたった頃でしょうか、夫が息子を連れて帰ってきました。
話を聞くと、当番の小児科医は「ちょっとおなかの調子が悪いのでしょう」と整腸剤を処方したというのです。
そもそも夫も、息子の腹痛は仮病程度に考えていたようです。

ここで私が激怒して、生まれたばかりの子どもを置いて、私が息子を病院に連れて行く。その医者に抗議してやる、と大騒ぎしました。
夫は慌てて再び救急センターに連れて行ったのですが、待合室で息子の様子がぐったりと明らかに変化し、「これはもしや」と思ったそうです。
二度目の小児科医は別の人だったそうで、浣腸したら血便が出たので、息子は大きな病院に緊急搬送されました。
症状が始まって経過したのが6時間程度だったおかげで、肛門からバリウムを入れて圧をかけて、腸重積を治療することができました。

私がもし『育児の百科』を読んでいなければ、夫と同じように、「また暴れている……」程度にとらえていたはずです。
もう1点、初回の小児科医のように、経験が浅い人であれば医師とはいえ病気を見逃すこともあるでしょう。
母親として、子どもの病気の知識を持っておくこと、勘を働かせることは大事だと実感した出来事でした。

『育児の百科』を出産祝いとしてプレゼントしてくれたのは、尊敬する仕事の先輩と仲間でした。
この本をいただいたことをずっと感謝していますし、私も多くの人に勧めていきたいと思っています。

最後に、赤ちゃんが1歳になる頃に、この本の「お誕生日ばんざい」という項で書かれていることを引用します。

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人間は自分の生命を生きるのだ。いきいきと、楽しく生きるのだ。生命をくみたてる個々の特徴、たとえば小食、たとえばたんがたまりやすい、がどうあろうと、生命をいきいきと楽しく生かすことに支障がなければ、意に介することはない。
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汚れ・においを酸性とアルカリ性に分けると、掃除がぐんと楽になる

掃除、洗濯に重曹を使うのがブームになったのが2004年くらいのこと。
ここ数年は、重曹よりもセスキ炭酸ソーダを使うほうが主流になっているようです。

重曹ブームのときには、家の汚れを見つけたらなんでもかんでも重曹を使う人は珍しくありませんでした。
その結果、「あまりきれいにならないじゃない」と不満の声もよく聞かれました。
セスキ炭酸ソーダについては、どうでしょうか?

多くのかたが、汚れの原因には酸性とアルカリ性があることを、あまり知らないようです。
ただ洗剤をつけてごしごしとこすっていても、疲れる割に効果は実感できません。
汚れを酸性とアルカリ性に区別し、汚れと反対の性質のもので中和すると、こする作業を減らすことができます。
具体的には、下記のとおりです。

油脂によるシミ、べとべとした汚れ=酸性→重曹やセスキ炭酸ソーダ、アルカリ性洗剤を使う
尿や魚の生臭いにおい、カチカチした汚れ=アルカリ性→クエン酸や酢、酸性洗剤を使う

『重曹生活のススメ』は、重曹とクエン酸の使い分け方を丁寧に紹介している本です。
例えばキッチンでの汚れ落としでは、換気扇、ガスレンジ、排水溝など、かなり細かく場所を設定して、重曹とクエン酸をどのように使えばいいのか、詳しく説明しています。

酸性の汚れとにおいには、本書ではアルカリ性の重曹を使うのですが、アルカリ性のセスキ炭酸ソーダも同様に使用することができます。
ただし、重曹は磨き粉になるのですが、セスキ炭酸ソーダは水に溶かして「セスキ炭酸ソーダ水」として使用します。
やかんの黒焦げを落とすなど磨く作業がある場合には、重曹を使いましょう。

顔を洗ったついで、トイレを使ったついで、おふろに入ったついでに、重曹やクエン酸で掃除をしておけば、大掃除をする必要がなくなります。
「ついで掃除」で朝から夜までの1日をどう過ごすのか、モデルケースも紹介されています。
皮膚や環境に負担が少なく、安いという点で、重曹とクエン酸は優れています。

とはいえ、注意も必要です。
重曹とセスキ炭酸ソーダは熱湯に溶かすと強アルカリになり、皮膚を溶かす危険があります。
かなり前に、ある女性から「重曹をお湯で溶かして掃除に使ったら、手の皮膚がベロンと溶けた」と聞きました。
60℃以上のお湯に重曹とセスキ炭酸ソーダを溶かして使う場合は、必ずゴム手袋をはめましょう。

なお、強アルカリになることで、汚れを落とす力は強くなります。
換気扇の掃除には、ゴム手袋をはめてやけどにも注意したうえで、熱湯にセスキ炭酸ソーダを溶かしてから使用してもいいでしょう。

掃除というと、年末に行うイメージが強いのですが、油脂汚れは低温だとなかなか落とせません。
換気扇などを洗うのは、うだるような真夏のほうが楽でしょう。

『重曹生活のススメ』では、塩素系漂白剤を勧めていません。
理由としては、重曹や酸素系漂白剤で汚れはじゅうぶん落とせるので、必要ないとのこと。
この点について、私個人の体験では、塩素系漂白剤でなければ落とせないカビや汚れがあると感じています。
ですから、汚れを見つけたら重曹やセスキ炭酸ソーダを使ってみて、落とせなければ塩素系漂白剤を使うというスタンスです。

加えて、この本は冷蔵庫の掃除にビネガー水(酢水)を勧めています。
私が酢に関して取材を行ってきた中では、「酢には抗菌作用をあっても殺菌作用があるとは言えない」という印象でした。
ですから、食品を保管する冷蔵庫はアルコールを使用しています。

すべてをこの本どおりというわけではありませんが、汚れ・においの分類を学ぶうえでは非常に役立ちます。
重曹やセスキ炭酸ソーダ、クエン酸、酢を使用した「ナチュラルクリーニング」に興味があるかたには、かなりお勧めの1冊です。

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子どもにWhy?ではなくHow?と問いかけたい その5

女装家のミッツマングローブさん。

芸能界ではインテリとされているのですが、学習障害であることをインタビューで話しています。
以下は、『週刊女性PRIME』2016年1月14日配信版から、ミッツマングローブさんの言葉だけを抜粋したものです。
なお、ミッツマングローブさんが出演しているミュージカル劇についてのインタビューです。

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「量は全然多くないけど、セリフが覚えられないんです。ちょっと記憶の回路がおかしくて。実は私、学習障害なの」

「暗記するときは“絵と音”で覚えるの。だいたい“絵”で頭に入るんですけど。教科書を覚えるときは、人物の顔に落書きをしたり、どこかに線を引っ張ったりして“自分用の景色”を作っていました。今も同じやり方で歌詞や台本を覚える。“自分用の絵”を頭の中に複写して、本番はそれを読んでいるんですよ」

「共演者が“ココに立ったときにコレを言う”というように記憶しているんですよ。だから、少し立ち位置が変わったりすると、前後不覚になっちゃう。セリフ自体、なんて書いてあったかを頭の中で見て思い出すので、口に出すスピードが1~2秒くらい遅れてしまうんです。最終的には何もかもを犬のしつけみたいに繰り返すことで、クセをつけて身体に覚えこませるの」
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ミッツマングローブさんについてネットで調べると、小学4年生から中学卒業までロンドンで過ごし、慶應義塾高等学校に進学しています。
内部進学した慶應義塾大学法学部政治学科を卒業。
その後、留学した英国ウエストミンスター大学を中退しました。

帰国子女で、大学は内部進学なので、一般入試の受験勉強のような厳しさはなかったのかもしれません。
とはいえ、高校で授業についていけなくなったり、テストの点数が異様に低かったりすると、内部進学も厳しいのではないでしょうか。
つまりは、ミッツマングローブさんは学習障害でありながら、大学に進学できるほどの学力を持っていたということでしょう。
インタビューでは彼(彼女?)なりの工夫が語られていました。

程度もさまざまでしょうが、かなり多くの人が学習障害、あるいはそのような傾向を抱えているのかもしれません。
ですから、子どもが学習障害だからと将来を悲観したり、進学をあきらめたり、親が被害者意識にとらわれたりするのはやめるべきだと反省しました。
ミッツマングローブさん、そしてディスレクシアと公表したトム・クルーズには感謝しています。

私の場合は、息子の傾向を知り、それに合った学習法や生活術を考え出すことがたいせつだと思いました。
最近気づいたのは、書き写すのは苦手だが、聞いた言葉を書き取るのはそれほどではないということです。
耳から学習するのが適しているというのは、学習障害の人によく見られる傾向です。
筆記道具がなかった大昔の人間は、耳で聞いた内容を記憶していたのでしょうから、「耳学習」は古きよき勉強法なのかもしれません。

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東洋医学的 妊娠から出産後までのスケジュール

 出産は、妊娠から子育てに移行する、1つの通過点です。
 しかし、出産を初めて経験する人は出産をゴールととらえがちです。そのため、どのような場所でどんな出産をしたいか、出産でどんな経験をしたいか、痛いか・痛くないか、など、出産のことだけで頭がいっぱいになりがちです。

 妊娠期間は妊婦である自分が中心だったでしょうが、出産直後から赤ちゃんが中心になります。
 生活が大きく変化することに加えて、骨盤が大きく開いた状態から閉じた状態に変わっていくので、体調も激変します。

 子育て期を見据えて、妊娠期間は体と心、日々の生活の準備を行うといいでしょう。

 また、出産直後に体に負担をかけると、体だけでなく心も不調を引きずり、子育てが負担になります。「産後うつ」も、出産後の過ごし方が影響していると考えられます。そして将来、尿漏れや子宮脱などを招く可能性が高くなります。くれぐれも、無理は禁物です。
 家事や外出は、できるだけ控えてください。そして、それが子育てと女性の体にとって非常にたいせつなことだと、家族に伝えて理解を得るといいでしょう。

 一方、整体の世界では、出産を機に女性の体が整えられて、以前の不調が消えて、美しくなるとも考えられています。出産は、女性としての体と向き合う大きなチャンスなのです。

 女性を健やかに、美しくする妊娠から出産後までの過ごし方の知恵を紹介しましょう。

■妊娠期間の過ごし方
 妊娠中のお母さんの幸福感と安心感は、おなかの赤ちゃんに活力を与えます。ですから、事件、恐怖や暴力をテーマにした本、テレビ、映画は避けてください。
 夜は、できるだけ家でゆったりと、家族いっしょに過ごしましょう。
 食事のときは、温かい料理を、ゆったりと落ち着いた気持ちで、よくかんで食べましょう。



○妊娠初期 
[体の準備]
消化のよい物を食べる
においに敏感になり、気分が悪くなりやすくなるので、無理をしない

○妊娠中期~後期
[体の準備]
適度な運動を行う

○出産直前
[体の準備]
母乳育児を考えているなら、キャリアオイルやカレンデュラオイルを使って、おっぱいマッサージを始める(マッサージのやり方は○ページ参照)
自然分娩の場合は、キャリアオイルやカレンデュラオイルを使って、会陰マッサージを始める(マッサージのやり方は○ページ参照)
クラリセージ、ジャスミンなど、分娩を促すと考えられている精油を利用してもよい

[生活の準備]
産後2週間に家事をいっさい行わずに過ごすため、家族と話し合い、個人向け宅配やヘルパーなどの手配を行う
産前に冷凍物をストックして簡単に調理できる準備をしておくと、産後、レンジで温めて食べられるので便利
産後の過ごし方について、家族の理解を求める
赤ちゃんといっしょに2週間過ごす、薄暗く、静かで、落ち着けるスペースを作っておく

■出産後の過ごし方
 産後1カ月は、自分と赤ちゃんのためだけに過ごします。家族が不在のときは電話は留守番電話にして、インターフォンを消しましょう。来客などは家族に対応してもらいます。
 

○産後10日まで
[体の心がけ] 動かない、冷やさない、目を使わない

できるだけ起き上がらない
授乳も横になったまま行い、トイレに行く以外は寝ている
部屋を暗く、静かにして、急に明るいところへ出ない
おふろに入らず、髪を洗わない(かゆみなどが気になる場合は蒸しタオルで肌を拭くとよい)
体が冷えるときは、足湯などで体を温めるとよい
新聞・雑誌・小説など小さな字は読まず、テレビやパソコン、スマートフォンの画面はできるだけ見ないようにして、目を使わない

○産後2週間まで
[体の心がけ]

一日じゅう、パジャマで過ごし、自分を徹底的に甘やかす
決して体を冷やさないようにする(体を冷やす食品を摂取しない、体をあまり濡らさない、すぐに水気をふき取る)
おふろは短時間で済ませ、髪を洗わない(かゆみなどが気になる場合は蒸しタオルで肌を拭くとよい)
目を使いすぎない
掃除は気になるところだけを乾拭きするにとどめる(掃除機は腰などに負担をかけるので使用しない)
買い物は個人向け宅配を利用したり、週末のまとめ買いで済ます

○産後3週間以降
[体の心がけ]

産褥体操、腹式呼吸やストレッチを始める
※開脚するストレッチは避ける

産褥体操 その1
1 座布団などを重ねて15センチぐらいの台を作り、その上に腰を乗せて、あおむけになる。両手は力を抜いて、床に置く
2 両足を腰幅に開き、息を大きく吸って、ゆっくり吐きながら両足を上げる
3 息を吐き切る直前に、一気に力を抜いて足を下ろす

産褥体操 その2
1 背すじを伸ばして立ち、足を腰幅に開いて、内またになる(両足の親指を内側に向ける)
2 息を吐きながら、上体を前に倒す
3 息を吐き切ったら、大きく息を吸ってから、息を吐きながら両ひざを寄せる
4 ひざを寄せたままの状態で、上体を立てる

○産後1カ月以降
たくさん歩いて、体力の回復を早める
※腹筋運動など、筋力トレーニングは産後2カ月を過ぎてから始める
※小さい字を読んだり、テレビやパソコンを使ったりするのは、産後2カ月を過ぎてから

産後を健康に過ごし、子育てで楽にするために役立てていただきたい、妊娠中の過ごし方や心身のケアを1冊にまとめました。会陰切開・妊娠線の予防や母乳育児、逆子の直し方、無神経な周囲の人との付き合い方、骨盤ケア、子どもの育てにくさ、教育資金のため方などを紹介しています。

『女性の体の知恵  妊娠から子育てまで健やかに過ごす』
9784990901103
 

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