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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート4 思春期のスキンケア

パート4 思春期のスキンケア
 大人の想像以上に、思春期の子どもたちは人間関係などで葛藤があるものです。葛藤を抱くのは成長の一つの過程として必要なことかもしれません。ただ、心理的な負担が大きくなり過ぎると皮膚に悪影響が現れます。
 洗わない・こすらないスキンケアは大事ですが、それを大人が押し付けることは難しいので、なぜ大事なのかを説明をする必要があるでしょう。

ニキビができたときのスキンケア
 皮脂の分泌について、年齢のよる変化やストレスとの関係を子どもに説明する→○ページ参照
 基本の「洗わない」スキンケアについて、やり方と理由を子どもに説明する
 マスクで隠すとニキビが悪化することを伝える
 髪の刺激が炎症を悪化させるので、できるだけ皮膚に髪が接触しない髪型にする
 ニキビを気にして触り過ぎたり、洗顔剤を使い過ぎたりしないように、皮膚のバリア機能を子どもに説明する
 睡眠の重要性を子どもに説明する

 日本人の9割近くが思春期にニキビを経験すると言われているようです。そして、一時的に悪化しても、たいてい自然に治っています。
 治らない原因が、ニキビを気にし過ぎること。洗えば皮脂が落ちてニキビも消えると思い込んでいたり、気になって触り過ぎたりして、皮膚を刺激して、いつまでたってもニキビが解消しないわけです。
 マスクでニキビを隠すと、あごやほおなどニキビの患部がマスクの繊維で刺激を受けます。隠そうとする行為は、ニキビの悪化につながるのです。
 もう一つ、受験や人間関係のストレスで、皮脂の分泌が過剰になっている可能性があります。
 ちなみに、チョコレートやナッツがニキビを悪化させるとよく言われますが、明確な因果関係はないそうです。ですから、「大好物のチョコレートをつい食べてしまったから、ニキビが悪化してしまう」と、過ぎてしまった行動に心を痛める必要はありません。むしろ、チョコレートやナッツをドカ食いする背景としてのストレスのほうが問題です。
 思春期の悩みには、アドラー心理学を本人が学ぶことが効果的だと私は考えています。ニキビを通して、ありのままの自分を受け入れるというのはどういうことか、感情とは何かを学べるでしょう。


体臭に対するスキンケア
 「自己臭恐怖症」という病気があることを子どもに説明する
 スポーツなどでたくさん汗をかいて、38℃のお湯で石けんを使わずに体を洗い流す習慣をつける
 ぬるいドクダミ茶でかかり湯をする

 腋臭症(わきが)の罹患率は調べ切れなかったのですが、一般に日本人は少ないと言われています。しかし、自分の体臭など臭いを気にする日本人はかなり多いのでしょう。制汗剤のテレビコマーシャルなどが頻繁に流れています。
 一緒に暮らす家族が気になるような体臭を思春期の子どもが発しているときは、専門医を受診したほうがいいでしょう。
 しかし、家族も気づかないような体臭で悩んだり、頻繁にシャワーを浴びたり、大量に洗浄料や制汗剤を使っていたりする場合は、要注意です。洗い過ぎや化学物質によって皮膚のバリア機能が落ち、肌荒れやかゆみを引き起こすことがあるからです。
 自己臭恐怖症(自臭症)とは、実際に体臭や口臭はないのに、「自分のにおいのせいで周りに嫌われているのではないか」などと感じてしまう症状です。きっかけは「くさい」と言われたことや話している相手が鼻を押さえたことなどで、周囲はからかったり鼻を触ったりしただけなのに、本人が深刻に受け止めて自分のにおいに過敏になるケースが多いようです。
 自己臭恐怖症が悪化すると、精神科での治療が必要になります。まだ軽度の場合は、本人に「自己臭恐怖症について悩んでいる人が多いと言われている」と症状についての説明をしてみましょう。「気にしすぎだよ」という言葉は、悩んでいる本人にとっては気休めにもならないので、かけないようにします。
 そのうえで、スポーツなどでたくさん汗をかかせて、出てきてすぐの汗のにおいを本人にかがせてください。体から出てきたばかりの汗が臭くないこと、時間がたつことで皮膚に棲む細菌が汗を分解してにおいが発生することを、説明しましょう。

 汗をかく意義はもう一つあります。体をたくさん動かしてエネルギーを消費させ、悩むエネルギーを残さないことです。スポーツでなくても自転車で遠出したり、全身を動かすゲームをしたり、どんな形でもいいのでエネルギーを体で発散させましょう。
 また、歴史のある民間療法として、ドクダミ茶を私はお勧めします。民間療法を敬遠する人も多いのですが、長い歴史の中で残ってきた療法は、ある意味、大量の人体実験が行われてきた結果として選ばれ、残ってきたものです。ドクダミは3~4世紀頃に中国で作られた『名医別録』という薬草書に記載され、ドクダミ茶は消毒・消炎剤として外用されていたようです。また、いわゆるデトックス作用があるということで、日本では飲用されてきました。ドクダミは日陰の道端に生えている草なので、自分で乾燥させて茶葉を作ればお金はかかりません。においが気になるところにドクダミ茶をかけたり、ドクダミ茶を飲んだりするといいでしょう。
 においは皮膚よりも布に付着しやすいものです。時間がたった汗のにおいはアンモニア臭でアルカリ性なので、クエン酸で中和させます。水200mlに対しクエン酸を小さじ1杯の割合で薄め、汗でにおう衣類などを漬けておきましょう。クエン酸がなければ、酢でもかまいません。洗濯機で洗剤を使って洗う前に、衣類は簡単に水洗いします。
 自分の体が臭いわけではなく、服が臭いことを認識するための作業として、衣類を子ども本人が洗うことをお勧めします。ドクダミをつんできてお茶を作る、衣類を洗うなど、なにかの作業に没頭すると、心が無になるというのでしょうか、ストレスの影響を受けにくくなります。

 

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート2・3

パート2 赤ちゃんのスキンケア

 つるつるの皮膚を「赤ちゃん肌」などと呼ぶこともありますが、実際の赤ちゃんは皮膚が弱く、トラブルだらけ。ニキビに始まり、脂漏性湿疹、あせも、おむつかぶれなど、湿疹との戦いです。
 しかし、薬による治療の有無を問わず、1歳になる頃に見違えるほど湿疹が消えていきます。そして皮膚の弱い赤ちゃんでも、元気に外で遊んでいれば、就学する頃には見違えるほどきれいな皮膚になってきます。
 真っ赤に腫れた赤ちゃんの皮膚を見るのは、親にとって痛々しいと同時に恥ずかしさも感じるのではないでしょうか。「かわいそう」などといった周囲の言葉に傷つくこともあるでしょう。
 ただ、それは大人が気にしているだけ。赤ちゃんが機嫌よく過ごしているのなら、薬や保湿剤を塗ったり、頻繁な皮膚科通いで時間を割いたり、遊びを制限したりする必要はないのです。
 むしろ、皮膚を濡らしたり、薬や保湿剤を塗るときに皮膚に触ったりすることが、赤ちゃんの角層を弱らせて、トラブルを招くことになるでしょう。加えて、赤ちゃんの衣類をきれいに洗いたいからと、洗濯で洗剤や石けんをたくさん使うと、繊維に残った洗浄成分が皮膚を刺激します。洗剤や石けんは規定量の半分、もしくは使わずに、衣類を洗いましょう。
 皮膚科医の中には、「3つ子の魂と言うが、皮膚も3歳くらいまでに治しておかないと、大人になってもトラブルが続く」というようなことを言う人がいます。この件について調べましたが、あるアメリカの医師が言ったという程度で、「3つ子の魂」と同様、根拠はありませんでした。
 小学校に入るまで、元気に遊ばせながら皮膚の成長を待つ。そんな気持ちで、スキンケアを行いませんか。

ウンチをした後
 お尻に水をかけてウンチを洗い流し、コットンなどを押し当てて水気を吸い込ませる
 お尻拭きは、外出時など、使用を必要最低限にとどめる

 こする刺激をできるだけ避けるために、お尻拭きの使用は控えましょう。また、保湿成分が含まれるお尻拭きでおむつかぶれになる例が多いと、保育士から聞きました。保湿成分による刺激と、おむつ内の蒸れが原因と考えられます。おむつかぶれができたときは、お尻拭きを使わないほうがいいでしょう。
 なお、口の周りや手の汚れなども、水をかけて洗い流し、タオルを押し当てて水気を吸い込ませると、こする刺激を減らせます。


おふろ
 お湯に全身を漬けるのは、週2回以下、1回につき3分適度にとどめる
 湯船やシャワーのお湯の温度は、38℃にする
 手のひらでなでるように体を洗い、ガーゼタオルやスポンジなどを使わない
 シワが寄っているところ、例えば首、わき、ひじ、おなか、また、ひざ、足の指の間などを、手のひらで丁寧に洗う
 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を吸い込ませる。タオルで皮膚をこすらない
 赤ちゃんがかいている部分だけに保湿剤(ワセリンが望ましい)を塗る。塗った後もかゆがるようならば、ほかの保湿剤に切り替える

 お母さんのおなかで、羊水の中にいた赤ちゃん。皮膚がまだ外部の環境に慣れていないので、できるだけ刺激しないことが重要です。
 羊水の温度が約38℃という点で、湯船やシャワーのお湯の温度も同じぐらいにしましょう。大人が入浴する40℃ぐらいのお湯だと、角層の脂質がお湯に溶け出して、バリア機能が低下します。
 沐浴でガーゼタオルを使用するように産院では指導されますが、赤ちゃんの皮膚をこすることになるので避けましょう。大人の手のひらで、赤ちゃんの体でシワが寄っている部分にお湯をかけて、シワに入り込んだホコリなどを取り除きます。
 赤ちゃんの皮膚にホホバオイルなどのキャリアオイルを塗るのはやめましょう。キャリアオイルは皮膚へ浸透しやすく、赤ちゃんの皮膚にアレルギー症状が起こる可能性が高いと、アロマにたいへん詳しい看護師が話していました。
 40℃のおふろやキャリアオイルも、大人の皮膚には気持ちいいかもしれませんが、赤ちゃんの皮膚は角層が薄いのでトラブルの原因になります。
 保湿剤は、皮膚の表面を覆って水分の蒸発を防ぐワセリンが望ましいでしょう。保湿剤にはさまざまな商品があり、含有成分も違います。皮膚の状態が改善しない保湿剤は使い続けないようにしてください。


皮膚をかき始めたとき
 保冷剤で冷やす。冷やす時間は10分以内

 炎症でかゆみが生じているときは、患部の血流量が増えて腫れているような状態です。患部を温めるとさらに血流量が増えて、かゆみが悪化します。おふろ上がりにかゆくなりやすいのは、血流がよくなったことも一因です。
 皮膚をかき始めたら、速やかに冷やすと、かく行為が止まります。行為が止まったら冷やすのはやめて、一緒に遊んであげましょう。ケーキなどの保冷剤を5個ずつぐらい、冷蔵庫と冷凍庫に入れておくと便利です。程よく柔らかい保冷剤と、カチンカチンに凍った保冷剤を、基本や患部の形状に合わせて使い分けるといいでしょう。
 かゆみは数分で治まるはずです。長時間冷やすと、患部だけでなく周辺の血流も悪くなってしまうので、10分程度にとどめてください。

 
引っかき傷ができたとき
 傷にワセリンを薄く塗る

 傷をワセリンでカバーすると、傷口が早く閉じるでしょう。ワセリンを塗るときは、少量を指先に取り、傷にチョンチョン優しく押し当てるようにするとこすらずに済みます。ワセリンが塗りにくいときは、お母さんの手のひらに少量取り、もう片方の手の指でくるくると練りましょう。ワセリンが柔らかくなって、塗りやすくなります。ワセリンが多いと、ベトベトして不快なので、少ない量にしましょう。
 傷口が汚れている場合は、水道水でよく洗ってから、乾いたタオルを押し当てて水気を吸い取り、ワセリンを塗ります。



パート3 子どものスキンケア
 赤ちゃんから子どもへと成長する過程で、角層も少しずつ厚くなり、バリア機能が高くなってきます。とはいえ、大人よりも皮膚のトラブルは起こりやすい状態です。濡らさない・こすらないケアは、大人以上に大事です。
 大人の言葉や態度を理解できるようになったため、子どもなりのストレスが生まれます。大人の中でいちばん影響を与えるのは、身近にいる親です。たとえ見知らぬ人が「皮膚がカサカサでかわいそうね」などと子どもに声をかけても、親が平然としていれば、子どもはその言葉を重要視しません。親としてはグサッと傷つくこともあるでしょうが、どうか受け流してほしいと思います。
 皮膚はとても目につきやすいので、親としてはつい気になるでしょうが、子どもにはいっぱいいいところがあります。胃腸が丈夫・ユーモアがある・がんばり屋など、いいところをたくさん見つけて、「たくさん食べて、よく遊んで、元気だよね」などと子どもに話すといいでしょう。不思議と、親の気持ちも元気になってきます。
 

乾燥肌のスキンケア
 睡眠を重視し、規則正しい生活を送らせる
 見た目がガサガサしているだけで、本人がかゆみや痛みを訴えていなければ、保湿剤などを使用しない
 植物由来のスキンケア用品も化学物質であり、子どもの皮膚を刺激するので、使用を控える
 皮膚を洗わない理由について、子どもに平易な言葉で説明する
 塾や習い事などが子どもにとって心理的な負担になっていないかを見直す
 両親が「皮膚が汚い」「一生治らないのではないか」などの言葉を子どもに対して言わない
 両親は「必ず美肌になる」と口にする

 睡眠をしっかり取ることで、皮膚の細胞が修復されます。じゅうぶんな睡眠時間を確保しましょう。
 皮膚は見た目の美しさよりも、体を守るバリア機能を重視してください。子どもがかゆみなどを訴えていなければ、保湿剤を塗る必要はありません。保湿剤を塗る行為で皮膚をこすると、バリア機能を低下させます。
 よく見受けられる誤解として「石油由来のものは悪く、植物由来の物はよい」という考えがあります。「植物は体に優しい」というのはまったくの逆で、植物はいろいろな化学物質を作り出すから、注意が必要なのです。
 家庭菜園を行っている人は経験しているでしょうが、太陽光がたくさん当たって、虫に食われたサラダ菜は非常に苦く、スーパーで売られている物とは別物です。理由は、太陽光や虫から身を守るための物質を、サラダ菜が作り出しているからです。
 植物は、栽培されている条件などで含有する物質が変化します。ときには人間の体にとって害を及ぼしたり、強いアレルギー反応を引き起こしたりするので、子どもに植物由来のスキンケア用品を使うのは控えたほうがいいでしょう。
 体とともに心が発達し、ストレスも受けるようになります。洗わないスキンケアを行っても皮膚の症状が改善しないときは、塾や習い事も含めた生活を見直す必要があるかもしれません。子どもの皮膚にかまい過ぎていないかも、見直したほうがいいでしょう。
 大人、特に親が子どもに対して前向きな言葉をかけることは、治る力を引き出します。


皮膚をかき始めたとき
 保冷剤で冷やす。冷やす時間は10分以内

 子どもが皮膚をかいているときに、親が保冷剤で患部を冷やすと、そのうち自分で、かゆいときに冷やすようになります。
 「どうしてかくの?」「やめなさい」という親の疑問や命令では、子どものかく行為は止まらないでしょう。子ども自身、かく理由はわからないし、ただ怒られているだけなので、ストレスにしかなりません。逆効果です。
 親が保冷剤で冷やしてあげるときには、「皮膚を守ろうね」「大事、大事」と声をかけるといいでしょう。子どもに自分の皮膚を大事にしようという意識が生まれるはずです。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』 パート1 基本の「洗わない」スキンケア

パート1 基本の「洗わない」スキンケア

 皮膚のバリア機能を担う角層を守るために、濡らさない・こすらないことを重視しましょう。
 特に気を付けたいのは、入浴です。毎日入浴するという日本人の習慣は、世界の中では風変りかもしれません。「毎日入浴しなければ、髪や体がくさくなる」と思い込んでいる人も多いようですが、私が1週間試したときは、特に苦情を言われませんでした。自分自身が思っているほど、周囲の人が気にしていない可能性は高いでしょう。
 入浴は心身をリフレッシュする効果もありますが、皮膚のバリア機能は低下します。入浴後や睡眠中にかゆみ、炎症が起こったら、入浴でバリア機能が低下している可能性が非常に高いと言えます。洗い過ぎる習慣は改善しましょう



 1 基本的に顔は洗わない
 2 目ヤニやよだれなどがついている部分だけ、水か33℃以下のお湯で洗う
 3 汗などをかいて顔を洗いたいときには、水か33℃以下のお湯を使用し、水を顔にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない
 4 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない

 1・2は濡らさない、3・4はこすらないためのケアです。
 睡眠中に分泌される成長ホルモンには、昼間の活動で傷ついた細胞を修復させる働きを持っています。ですから、眠りから目覚めた朝の皮膚は、1日の中で最もよいコンディションにあるのです。
 また、夜に顔を洗った後、出歩いたりしていなければ、顔にホコリなどの汚れはついていません。
 目ヤニやよだれなどがついて汚れている部分、また汗で気持ち悪いときだけ洗いましょう。
 大人の女性の場合、朝の洗顔後に化粧水などをつけることが多いでしょう。しかし顔を洗わなければ、皮脂が落とされないので、乾燥や突っ張り感は起こりにくいはずです。化粧水などをつけると、皮膚に触れたり、化学物質を付着させたりして、ダメージを招く可能性があるので、できるだけ使わないほうがよいでしょう。



 1 基本的に顔は洗わない
 2 汗をかいて顔や体を洗うときには、水か33℃以下のお湯を使用し、水を顔や体にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない
 3 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない
 4 顔や手にかゆみやカサカサ、炎症が見られたら、洗った回数をスマートフォンや手帳などに記録する

 1・4は濡らさない、2・3はこすらないためのケアです。
 仕事や勉強などでストレスがかかると、つい顔を触ったり、何度も手を洗ったりする行為が引き起こされます。
 洗う行為については、回数を記録することで自覚ができます。「洗い過ぎかな」とわかると、洗う行為が自然と抑制されるでしょう。同時に、「どうして洗っちゃのかな」「なにがきっかけで洗うのかな」と考えることで、ストレスの原因も特定できるかもしれません。



 1 かゆみやカサカサ、炎症が見られたら、湯船に漬からない
 2 足の指の間を泡立てた石けんで洗う以外は、石けんを使わない
 3 体は手のひらでなでて洗う。スポンジやタオルなどを使わない
 4 髪を33℃以下のお湯で洗い、シャンプーで洗うのは週に2回まで、1回量は規定量の半分以下にとどめ、体にシャンプーが付着しないようにする
 5 薄毛が気になる場合は、髪をお湯やシャンプーで洗うときに頭皮を指でもむ。頭皮をこすらない
 6 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない
 7 髪を洗った後は、タオルを押し当てて水気を取った後、ドライヤーで乾かす。濡れた髪が顔や首など皮膚につかないようにする

 1・7は濡らさない、3・6はこすらないためのケアです。
 皮膚にかゆみやカサカサ、炎症が見られたら、湯船に漬からないようにしましょう。特におふろ上がりや睡眠中に症状が出るのは、お湯によって皮膚がダメージを受けている証拠。38℃以下のシャワーを浴びるか、シャワーもやめるようにします。
 石けんを使って洗うのは、足の指の間だけ。靴・靴下の中で、足の指は皮膚が重なり合って汚れがたまりやすく、白癬菌が感染しやすいためです。角層が傷つくと白癬菌が繁殖しやすくなるので、ゴシゴシとこすって洗わないようにします。
 髪の汚れもホコリと皮脂がメインで、焼肉屋で働いたり、ワックスなどのスタイリング剤を使っていない限り、33℃以下のお湯で落とせます。一般に、シャンプーに使われている洗浄成分は強力で、皮膚に付着すると皮脂を落としてしまいます。皮膚にトラブルがあるときは、シャンプーの使用を控えましょう。
 髪を洗うときに頭皮をこすると、生えたばかりの細い毛を抜き取ってしまいます。薄毛が気になる場合は、頭皮を押してもむように髪を洗います。
 髪が濡れっぱなしだと、顔や首なども濡れて、皮膚がもろくなります。ですから、速やかに乾かしましょう。 

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』 思春期の子どもたちへの説明

乾燥した陸上生活に
耐えられるように皮膚が進化

 「洗わない」スキンケアの重要性を語るために、まず、私たち人間も含めた陸上生物の皮膚の進化について説明しましょう。
 すでにご存じかもしれませんが、動物は魚類・両生類・は虫類・鳥類または哺乳類という順番で進化しました。魚類や両生類は水中で生活していたのですが、約3・6億年前に両生類が陸上に進出したのです。そのときに、体内の水分が蒸発してしまわないように、皮膚の最も表面に角層(角質層)ができました。
 角層は、水分の蒸発を防ぐだけでなく、紫外線や空気中の病原体が体に入ってくるのも防ぐバリア機能を果たしています。
 そして、毛がフサフサの犬や猫よりも、毛のない人間のほうが角層が厚く、その分バリア機能も強くなっています。
 人間の皮膚は、乾燥した陸上生活に耐えるように適応してきました。その一方で、水中など水に濡れる状況に人間の皮膚は耐えられないのです。

濡れるとふやけて
もろくなる

 角層を構成する角層細胞をティッシュペーパーにたとえると、角層はティッシュペーパーが何層にも重なったような状態で、体を守っています。
 ティッシュペーパーの層が厚くなるほど、体を守る力も強くなります。外界からの刺激や衝撃が強ければ、それに応じて、ティッシュペーパーがさらに積み重ねられます。足の裏や手のひらの皮膚が厚いのは、そのためです。
 最も外側にあるティッシュぺーパーは、刺激や衝撃を受けてボロボロになるので捨てられます。捨てられるペースに合わせて、新しいティッシュペーパーが補充される仕組みになっています。
 ティッシュペーパーは、乾燥した状態だとバラバラになりますね。ですから、ティッシュペーパーの間には程よく水分や脂分があり、お互いにくっついています。
 水分や脂分がなくなってしまうと、ティッシュペーパーどうしがはがれてしまいます。
 逆に脂分が多くなれば、ベタベタして、ホコリなどがつきやすくなります。
 最も困るのは水に濡れること。ティッシュペーパーがふやけてしまいます。

 ティッシュペーパーと同じように、角層細胞も濡れるとふやけて、もろくなるのです。

 さらに、ティッシュペーパーをたたいたり押したりしても破れませんが、引っ張るとピリッとすぐに破れます。角層も同様、たたく・押すという刺激よりも引っ張る力に弱いのです。


そもそも「清潔」とは
なんだろう

 私たち人間は、強靭な角層を持つように進化しましたが、角層を濡らし、こすって引っ張ると角層細胞がはがれ落ちてしまいます。こうして角層が薄くなると、体は「バリア機能が落ちたら困る」と、できるだけ早く角層細胞を作って補充します。
 急ぐと間違えやすくなるのは、学力テストも角層も同じ。短期間で作られた角層細胞は、通常のスピードで作られたものよりも欠陥が多く、本来のバリア機能が果たせません。

 角層のバリア機能が低下して、皮膚が乾燥し、紫外線や病原体を防げなくなって、かゆみや炎症が起こるわけです。見た目の面では、ニキビが腫れ上がる・ガサガサ・赤い・黒ずむなど、まったく清潔感はありません。

 皮膚を洗うときは、角層を水で濡らし、こすることはどうしても避けられません。ですから、できるだけ洗わないことが重要なのです。

 そもそも、「清潔」とは病原菌などが増殖しにくい状態を指すのではないでしょうか。
 皮膚を洗い過ぎれば、バリア機能が落ちて病原菌が入り込んだり増殖したりしやすいので、清潔とは言えないと私は思います。また、皮膚に傷ができてガサガサ・グジュグジュし、「清潔感」もないのです。

 日本のマスメディアは広告で成り立っていると言っても過言ではないでしょう。石けんや洗浄剤を扱っているメーカーは、テレビのゴールデンタイムに何本も広告を流すことができる資本を持った、大きな広告主です。広告主の意向に合わない情報を、マスメディアはなかなか流しません。その代わりに、「洗いなさい」「除菌しなさい」「抗菌効果があるものを使いなさい」というメッセージが、頻繁に発せられます。
 インターネットの情報も、よくよく読んでみると商品を売る目的で流されていることは少なくありません。

 これから大人になる人たちにお伝えしたいのは、情報を鵜呑みにしないこと。「前提を根底から疑う」という言葉は、あるデザイナーの受け売りですが、皮膚やデザインに限らずすべてのジャンルで大切です。
 私がお伝えする「洗わない」スキンケアについても、ご自分で試して、そのほかの情報と比較・検証し、継続するかどうかを決めていただければと思います。

 あともう1つ、「99%に効いた」などといった文言を耳にすることも多いでしょうが、統計についても疑いましょう。統計を取った条件を見ると、かなり偏っていたりするものです。それに、スキンケアをはじめとした健康法については、「99%に効いた」ことよりも、「自分は99%に含まれているか、それとも残りの1%なのか」のほうが重要です。確率的な正しさよりも、自分にとっての正しさを選択する気持ちでいてください。
 おもしろいことに、情報を比較・検証する習慣がつくと、勘がさえて「これは自分にとって正しい!」というひらめきがあるはずです。
 最後に、対人関係で悩みやすい時期にアルフレッド・アドラーの心理学は、皮膚の健康を守るうえでも非常に役立つと私は考えています。お勧めするのは『嫌われる勇気』(著/岸見 一郎 、古賀 史健 ダイヤモンド社)です。持って回ったような表現もあり、やや読みにくいかもしれませんが、ほかの自己啓発書を読む前に、ぜひ最初にこの本を読んでください。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』を作ります その2

パート1 基本の「洗わない」スキンケア
よく知られていることですが、タモリ、福山雅治、ローラといった著名人も石けんで体を洗っていないようです
皮膚のバリア機能を担う角層を守るために、濡らさない・こすらないことを重視します
ストレスケアで、入浴で心身をリフレッシュすることも大事ですが、洗い過ぎる習慣は改善しましょう
入浴後や睡眠中にかゆみ、炎症が起こったら、入浴で皮膚のバリア機能が低下していると認識しましょう



 基本的に顔は洗わない[濡らさない]
 目ヤニやよだれなどがついている部分だけ、水か32℃以下のお湯で洗う[濡らさない]
 顔を洗いたいときには、水か32℃以下のお湯を使用し、水を顔にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない[こすらない]
 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]


 基本的に顔は洗わない[濡らさない]
 汗をかいて顔や体を洗いたいときには、水か32℃以下のお湯を使用し、水を顔や体にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない[こすらない]
 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]
 顔や手にかゆみやカサカサ、炎症が見られたら、洗った回数をスマートフォンや手帳などに記録する[濡らさない][ストレスケア]


 前日のおふろ上がりや睡眠中に、かゆみやカサカサ、炎症が見られたら、湯船に漬からない[濡らさない]
 脇の下・また・足の指の間を、泡立てた石けんで洗う以外は、石けんを使わない→要説明
 体は手のひらで洗う。スポンジやタオルなどを使わない[こすらない]
 髪をシャンプーで洗うのは、週に2回までにとどめる→要説明
 薄毛が気になる場合は、髪をお湯やシャンプーで洗うときに頭皮を指でもむ。頭皮をこすらない→要説明(目に見える抜け毛よりも見えないほど細い毛を摩擦で抜き取るほうが問題が大きい)
 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]
 髪を洗った後は、タオルを押し当てて水気を取った後、ドライヤーで乾かす。濡れた髪が顔や首など皮膚につかないようにする[濡らさない]


パート2 赤ちゃんのスキンケア
皮膚の状態を気にしているのは赤ちゃん自身ですか? それともお父さんやお母さんですか?
赤ちゃんが機嫌よく過ごしているのなら、余計なケアは行わない
洗濯では洗剤が残るのを避けるため、洗いよりもすすぎを重視しましょう


ウンチをした後
 お尻に水をかけてウンチを洗い流し、コットンなどを押し当てて水気を取る[こすらない]
 お尻拭きは、外出時など、使用を必要最低限にとどめる[こすらない]

おふろ
 お湯に全身を漬けるのは、週2回以下、1回につき3分適度にとどめる[濡らさない]
 湯船やシャワーのお湯の温度は、38℃にする→要説明(羊水の温度、角層の厚さ)
 手のひらでなでるように体を洗い、ガーゼタオルやスポンジなどを使わない[こすらない]
 シワが寄っているところ、例えば首、わき、ひじ、おなか、また、ひざなどを、手のひらで丁寧に洗う→要説明
 足の指の間だけ、泡立てた石けんで洗う→要説明
 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]
 赤ちゃんがかいている部分だけに保湿剤を塗る。塗った後もかゆがるようならば、ほかの保湿剤に切り替える→要説明(保湿剤の成分について)
 

パート3 子どものスキンケア
皮膚の状態を気にしているのは子ども自身ですか? それともお父さんやお母さんですか?
お父さん・お母さんが忙しすぎて、子どもに目が向いていないということはありませんか? あるいは、子どもの皮膚ばかりに目を向けていませんか?


乾燥肌のスキンケア
 睡眠を重視し、規則正しい生活を送らせる[ストレスケア]
 見た目がガサガサしているだけで、本人がかゆみや痛みを訴えていなければ、保湿剤などを使用しない[こすらない]
 両親が「皮膚が汚い」などの言葉を子どもに対して言わない[ストレスケア]
 両親は「必ず美肌になる」と口にするようにして、「一生治らないのではないか」などとは言わない[ストレスケア]
 皮膚を洗わない理由について、子どもに平易な言葉で説明する[濡らさない]
 植物由来のスキンケア用品も化学物質であり、子どもの皮膚を刺激するので、使用を控える→要説明
 子どもが皮膚をかいているときに「やめなさい」などと怒らず、かくと皮膚のバリア機能が壊れること、親として子どもの皮膚を大事に思っていることを伝える[ストレスケア]
 塾や習い事などが子どもにとって心理的な負担になっていないかを見直す[ストレスケア]
 

パート4 思春期のスキンケア
大人の想像以上に、思春期の子どもたちは葛藤を抱きやすいものです
スキンケアを大人が押し付けることは難しいので、説明をすることが大事でしょう


ニキビができたときのスキンケア
 日本人の 90 %以上が思春期にニキビを経験し、一時的に悪化しても、多くの場合が自然に治ると伝える[ストレスケア]→「90%」を要確認
 基本の「洗わない」スキンケアについて、やり方と理由を子どもに説明する[濡らさない]
 髪の刺激が炎症を悪化させるので、できるだけ皮膚に髪が接触しない髪型にする[こすらない]
 ニキビを気にして触り過ぎたり、洗顔剤を使い過ぎたりしないように、皮膚のバリア機能を子どもに説明する[ストレスケア]
 皮脂の分泌について、年齢のよる変化やストレスとの関係を子どもに説明する[ストレスケア]
 睡眠の重要性を子どもに説明する[ストレスケア]

体臭に対するスキンケア
 「自己臭恐怖症」という病気があることを子どもに説明する[ストレスケア]
 スポーツなどでたくさん汗をかいて、38℃のお湯で石けんを使わずに体を洗い流す習慣をつける→要説明
 靴は最低週1回は石けんで洗い、よく乾燥させる→要説明
 ドクダミ茶の足湯を試してみる→要説明(ドクダミの採取法、乾燥のしかた、薬効など)

パート5 大人のスキンケア
ガサガサもニキビ隠そうとすると、つい触ってしまい、皮膚のバリア機能を低下させます

乾燥肌・敏感肌の場合のメイクの選び方
 気になる部分をカバーするのではなく、目や唇などのポイントを目立たせる[こすらない]
 植物由来の化粧品やスキンケア用品も化学物質であり、皮膚を刺激するので、使用を控える→要説明
 皮膚にとってメイクは大気中のホコリと同様に汚れなので、「崩れにくい」「化粧直しがいらない」などとうたった商品は「皮膚からはがれにくい化学物質のホコリ」ととらえて使用を控える→要説明
 登山や海水浴など、紫外線を浴び続けるとき以外は、紫外線を跳ね返すパウダーファンデーションを、下地なしで皮膚にはたく[濡らさない]

ニキビができたときのスキンケア
 ストレスがあると皮膚を洗う・かく行為を招き、炎症が起こりやすくなることを再確認する[ストレスケア]
 ニキビをカバーするのではなく、目や唇などのポイントを目立たせる[こすらない]
 マスクは、皮膚に摩擦が生じ、炎症が悪化するので避ける[こすらない]

手荒れのスキンケア
 手を水やお湯で濡らす回数を、できるだけ減らす(ゴム手袋やポリエチレン手袋などを利用)[濡らさない]
 紙(本や雑誌も含む)や乾いた洗濯物を手で扱うときは、綿手袋などをはめる→要説明
 ひび割れができた場合は、寝る前に割れた部分だけにワセリンを塗ってラップで覆うと皮膚がふさがりやすい→要説明(湿潤療法)
 手を洗った回数をスマートフォンや手帳などに記録する[ストレスケア]

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治すのは自分の体の力

 「これで決定版というスキンケアだけを教えてよ」
 私が健康雑誌の編集者だった頃、知人の女性に言われた言葉です。雑誌では毎月違う切り口で健康情報を取り上げていました。スキンケアについても、あるときは食事だったり、あるときは民間療法だったり、あるときは医師による治療だったり、月によっては正反対の内容も書いていたので、彼女にしてみれば不誠実だと感じたのでしょう。
 彼女の気持ちはよくわかるのですが、健康には体質や習慣などさまざまな要素が関係しているため、「これだけが正しい」ではなく「これも正しいし、あれも正しい」「どれも一理ある」というのが、私の本音でした。
 また、よく質問を受けるのが「どの医師がよいのか」「お勧めの医師を紹介してほしい」ということ。こちらについては治療方針だけでなく、医師の人柄や相性も大いに関係します。ですから、私から医師やクリニックを勧めることはありません。
 世の中には、実にたくさんの医師が存在します。あなたにとっての「名医」は、きっといると思います。
 しかし、皮膚を治すのはあなた自身の体です。名医や薬は、手助けをする存在。これが基本です。

 実にたくさんの医師が存在するので、ヤブ医者というのか、「ああ、この人はダメだ」と私が感じた医師もいました。彼らに共通する特徴は次の2つです。
1 「一生治らない」などと脅しをかける
2 自分が開発した、あるいは開発協力した商品などの販売にとても熱心である
 皮膚はストレスの影響を大いに受ける「心の鏡」です。クリニックに商品がズラリと並んで商売っ気たっぷりだったり、依存させようと脅したりする医師と接すると症状は治らないので、すぐに遠ざかるようにしましょう。
 患者の話を聞こうともしない医師は、論外です。マニュアルどおりのワンパターンな治療しかせず、効果が出ないと「おかしいな~、ちゃんと家でケアしているの?」と患者のせいにするでしょう。
 今は便利な時代で、インターネットでは医師やクリニックの口コミがありますが、鵜呑みにするのは危険です。書き込んだ人の思い込みや感情が強く反映されるので、すべてのケースに当てはまるとは限りません。
 患者と向き合おうとする医師を選ぶことだけでなく、患者の側も「私の体が治す」という気持ちで医師と向き合うことも大事です。

 

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート6 ステロイドと保湿剤

炎症が火事だとしたら
ステロイドは消防車

 「3匹の子ブタ」というおとぎ話では、子ブタたちが建てたわらの家も、木の家も、オオカミに吹き飛ばされましたが、レンガの家だけはオオカミから子ブタを守りました。
 皮膚を子ブタの家、病原体をオオカミ、炎症を火事にたとえると、ステロイド外用剤は消防車の役割を果たします 
 わらの家が火事になると火の回りがいいので、急いで消防車を呼ばなければいけません。しかし、消防車の水圧が強すぎると、わらの家は吹き飛ばされてしまい、子ブタは危険にさらされます。
 わらの家のようにもろい皮膚の場合、ステロイド外用剤の使用には注意が必要です。
 わらほどもろくない木の家は、火の勢いが強いときは消防車の水圧も強くして、一気に消火します。火の勢いよりも水の量が少なく、水圧が弱ければ、火を消し止められません。
 皮膚も同様に、炎症に合わせた強さのステロイド外用剤を選んで使用します。
 ステロイド外用剤を長期にわたって使用するのは、木の家に水をかけ続けるようなこと。水圧を受けて木はもろくなり、土台はグラグラになって、やがては倒壊します。皮膚についても、ステロイド外用剤によって深刻なダメージを受けるのです。
 ちなみにレンガの家は火事になりにくいので、消防車の出番はありません。それなのに、火事を予防したいからと水をかけ続けると、レンガを固定しているモルタルが弱くなります。丈夫な皮膚でも、ステロイド外用剤を塗り続けると弱くなってくるということです。
 以上のことから、ステロイド外用剤は炎症を抑えるために必要であり、使用期間を短く切り上げることが大事だと私は考えています。多くの人は、子ブタの木の家のように、オオカミほど強い病原体が来ない限り、バリア機能を壊されない皮膚の持ち主でしょう。
 ステロイド外用剤を塗っても効果が実感できないときは、習慣による洗い過ぎ・こすり過ぎ、ストレスによる洗う・かく行為で、わらの家のようにもろい皮膚になっている可能性があります。習慣とストレスを見直すことが第一ではないでしょうか。

基礎化粧品、ハンドクリームも
「薬」だと考えたい

 保湿剤には「剤」がつくので薬であるという感覚を持ちやすいでしょうが、基礎化粧品とハンドクリームも皮膚に化学的な効果を与える物質が入っているので、薬のようなものです。
 保湿剤や基礎化粧品、ハンドクリームを塗り続けるのは、皮膚を薬漬けにしていると考えることもできます。
 皮膚の水分を保つタンパク質が生まれつき少ない人もいますが、そうでない人も皮膚を薬漬けにしたことで、薬に依存して水分を保てない状態を作っている可能性もあるでしょう。
 また、保湿剤や基礎化粧品、ハンドクリームを皮膚に塗り込むことによる刺激、また、化学物質によるかぶれ(接触皮膚炎)などで皮膚トラブルが起こることもあります。
 女性の場合は当たり前の習慣として基礎化粧品などを使用しがちですが、薬と見なして最小限にとどめる、あるいは使用を控えることが、皮膚の健康につながると私は考えます。

薬をやめる前に
洗い過ぎをやめよう

 私たち人間が環境に適応するように、長期間にわたってステロイド外用剤や保湿剤などを使用してきた皮膚は、薬が使われる状態に適応して炎症や乾燥を抑える機能が落ちています。ですから、突然、ステロイド外用剤や保湿剤などをやめると、炎症や乾燥が悪化する可能性が非常に高くなります。
 順番としては、湯船に漬からない・皮膚を洗わないことから取り組み、皮膚が乾燥しにくい状態になったところで、薬を減らしていくほうがいいでしょう。
 毎日湯船に漬かり、顔などを石けんで洗っていた場合、お湯や石けん、摩擦で皮脂と角層の表面がはぎ取られていました。それに対応して、皮膚は皮脂と細胞を速いスピードで作り、角層まで送り届けていました。いわゆる「ターンオーバーが促されている」状態です。
 そのため、湯船に漬からない・皮膚を洗わないという取り組みを始めると、数日の間は皮膚がベタベタ・ゴワゴワしたように感じるでしょう。取り組みをしばらく続けると、ターンオーバーが調整されて、ベタベタ・ゴワゴワは解消するはずです。そして、角層がバリア機能を取り戻した「美肌」に変わるのです。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート6  ストレスで引き起こされる「かく」「洗う」行為

多数の皮膚科を回っても
治らなかった手荒れ
 スキンケアのページでも書いたように、私は小学生の頃から30歳ぐらいまで手荒れを患っていました。すべての指の腹や関節の皮膚がパックリと割れ、あかぎれができていました。皮膚はガザガザで、指紋がない状態です。
 多くの皮膚科を受診しました。「かぶれのようだ」「手が荒れる体質」「手を洗った後にきちんと拭いていないのでは」「原因は不明」など、さまざまなことを言われましたが、けっきょくステロイド外用剤を処方されるということだけが共通していました。
 症状が手に出ていたので、強いステロイド外用剤だったのですが、塗っても症状は変わりません。
 まじめにケアをしても、薬を塗っても治らなかった手荒れが、主婦業をやっている今になって治っています。その理由は、ストレスが減ったこと、そしてストレスで皮膚をかいたり洗ったりする行為が生まれると知ったことです。

炎症もないのに
皮膚をかいてしまう

 まず、皮膚をかくという行為については、通常だと炎症があるからかゆくなって、爪などでかいてしまうと考えます。しかし、炎症もないのに、皮膚をかくこともあるのです。
 原因はストレス。テレビドラマで、名探偵が推理しているときにボリボリ頭をかきむしっているシーンがあります。これと同じように、考え事でイライラして焦ると、無意識のうちに皮膚をかく行為をしているのです。かく部位は、頭や顔、首など人それぞれです。
 皮膚をかくことで角層がはぎ取られ、バリア機能が落ちているので、炎症が起こります。炎症には、ステロイド外用剤が効果を発揮するのですが、ストレスには効きません。ですから、皮膚をかき続けるために、症状が改善しないのです。
 皮膚が荒れている状態を自分で見るのもストレスなのですが、親など周囲の人に「まだ皮膚がガサガサだ」「きちんとケアをしてないのではないか」と言われるのは、さらなるストレスになります。
 皮膚をかきむしる→皮膚が荒れる→それを見たり指摘されたりしてイライラする→皮膚をかきむしる、という悪循環になるのです。

不安が
皮膚を洗う行為を招く

 皮膚は心の状態の影響を受け、不安があると「なにかが皮膚についている」と感じる場合があります。これがもう一つの、洗うという行為を引き起こすのです。
 「強迫性障害」とは、「ドアに鍵をかけたかな?」「エアコンをつけっぱなしかも」などと不安になって、何度も自宅に戻っては確認するような病気です。強迫性障害の症状として、1日に何度も、長時間にわたって手を洗い続ける「手洗い」がよく知られていますが、同様に顔を何度も洗ったり、何度もシャワーを浴びたりするケースがあります。
 洗い過ぎで皮膚のバリア機能が低下すると、かゆみが生じやすくなります。そのかゆみを「なにかが皮膚についているせいだ」と勘違いして、体を洗うという行為が繰り返されて、結果として炎症が起こるのです。
 漠然としたイライラや不安感がある思春期にニキビが悪化するケースについて、何度も洗顔してしまったことが原因の1つだと推測できます。

生活する上で避けられない
ストレスもある

 私自身の経験では、手荒れが悪化したのは大学受験前と就職後でした。どちらも大きなストレスだったわけですが、手が荒れるからと言って受験や会社を辞めるわけにはいきません。
 私たちが生きていくうえで、ストレスを避けられないシーンがいくつかあります。そのときに、ストレスによって引き起こされる行為、皮膚についてはかく・洗うという行為を自分で認識するかどうかが大事なのです。「あっ、また手をかいていた。仕事でイライラしているのだな」「顔を洗いたい。外出してないからホコリなんかついていないのに」などと自覚するだけで、行為が止まることもあるからです。
 どんな状況でかいたり洗ったりしたかを日記に記録するという手法を採用している皮膚科もあります。


思いっきり遊んで
発散しよう
 子どもについては、親の接し方がポイントになるでしょう。子どもが皮膚をかいている様子を見ると、親はイライラします。特に熱心に治療に取り組み、食事にも気を配っている親にしてみたら、自分の努力を無駄にされている気もするのでしょう。しかし、「なんでかくの!」「やめなさい!」などと疑問形や命令形で声をかけることは、子どもにストレスを与えます。子ども自身も、どうして皮膚をかいてしまうのかわからないし、どうやってやめられるのかもわからないからです。
 小さな子どもには、爪にやすりがけをして、かいたときの皮膚へのダメージを少なくするとともに、皮膚の症状を忘れて親子で思いっきり遊んで発散させるといいでしょう。
 子どもに症状が出ているときは、親が自分のストレスを解消すること。これまで子どもの皮膚症状を改善させるために、多大なる努力を行ってきたことでしょう。じゅうぶんにがんばったのです。これからは少しずつ自分のために時間を使ってはいかがでしょうか。大声を出すことは気分を発散させるので、カラオケに行ったり、スポーツ観戦で大声で応援したりするのもいいかでしょう。
 思春期の子どもはストレスという概念を理解できるので、ストレスで引き起こされるかく・洗う行為のメカニズムについて親が説明することが可能です。
 頻繁にかく・洗うという行為で引き起こされた炎症は、ステロイド外用薬で抑えるという対症療法だけでは改善しません。本当の原因であるストレスへのアプローチが大切です。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート6 皮膚の構造と常在菌 皮膚に棲んでいる細菌の働き

私たちは一生を
細菌と共に過ごす

 私たちがお母さんのおなかから生まれるとき、オギャーと産声を上げるよりも前に産道などで細菌と出合います。その後、細菌を消化管や皮膚などに棲まわせて、一生を共にします。
 細菌が最も多くいるのが腸で、その数は約100兆個。皮膚の表面、つまり角層の上には、約1兆個いると考えられています。人間の細胞は約60兆個ですから、細胞の数より細菌がはるかに多いわけです。
 私たちの体に棲む多種類の細菌たちは、互いに勢力争いをしたり、一致団結したりしながら、まるで人間社会のようなネットワークを作っています。こうした細菌の集まりは、「マイクロバイオーム」と呼ばれています。

 皮膚では、表皮ブドウ球菌がいわゆる「善玉菌」、黄色ブドウ球菌が「悪玉菌」とされ、しのぎを削っています。

○表皮ブドウ球菌
 表皮ブドウ球菌は皮脂や汗をエサにして、弱酸性の脂肪酸を作り出します。そして、アルカリ性を好む黄色ブドウ球菌やカビなどの繁殖を防ぎます。
○黄色ブドウ球菌
 皮膚を化膿させたり、悪臭を放つ悪い脂肪酸やアンモニアなどを作ったりするのが、黄色ブドウ球菌です。

 私たちがおふろに入っただけで、表皮ブドウ球菌が洗い流されます。そして石けんで体を洗うと、さらなる表皮ブドウ球菌と、表皮ブドウ球菌のエサとなる皮脂が失われてしまうのです。

 皮脂とは、角層の上に分泌される、脂肪などが混ざった液体です。
 小学生のときに、理科でマヨネーズを作ったことはありませんか。マヨネーズの材料は酢と油と卵黄です。酢と油は本来混ざらないのですが、卵黄を混ぜることで、酢と油が混ざり合い、マヨネーズができます。
 マヨネーズと同様に皮脂も脂肪(マヨネーズでは油)と水分(マヨネーズでは酢)が混ざり合った、天然のクリームなのです。
 皮脂が汗などの水分と混ざって、皮脂膜ができます。角層の上を皮脂膜がベールのように覆うことで、病原体の細菌やホコリなどの侵入を止めています。加えて、皮膚から水分が蒸発するのを防ぐので、しっとりと滑らかな状態を維持できるのです。
 角層の表面にある古くなった細胞が垢としてはがれ落ちるときに、皮脂やホコリなども一緒に落ちていきます。

 石けんで顔や体を洗うと、皮脂膜が洗い流されるだけではありません。石けんはアルカリ性なので、使用した後は皮膚が一時的にアルカリ性に傾きます。その結果、黄色ブドウ球菌が繁殖しやすい状態になります。

 先に述べたように皮脂は汗と混ざり合う性質があるので、水ともなじみます。ですから、顔や体を水で洗ってタオルで拭くと、水とともに皮脂もタオルに移動するのです。試しに、顔を水で洗った後に拭いたタオルを放置してみましょう。黒ずんで、においが発生するはずです。
 ですから、顔についたホコリや古い皮脂を取り除くのに、石けんは必要ないのです。

皮脂が分泌されすぎる
2つの理由

 皮脂は皮膚を守るために重要な役目を果たしますが、過剰に分泌されると炎症が起こる可能性があります。
 皮膚に棲んでいるアクネ菌は、もともとは表皮ブドウ球菌と同じように、皮脂や汗をエサにして、弱酸性の脂肪酸を作り出しています。しかし、皮脂が多すぎると、アクネ菌の持つリパーゼという酵素が皮脂の分解を促し、遊離脂肪酸という物質が作られます。遊離脂肪酸が皮膚を刺激し、皮膚が腫れて毛穴が小さくなります。その結果、毛穴に皮脂や垢などが詰まって「角栓」ができ、毛穴がふさがると、毛穴の中でアクネ菌が増殖します。その結果、ニキビができるのです。
 皮脂の分泌量は、年齢とともに変化します。生まれたばかりの頃は活発に皮脂が分泌されますが、生後2カ月ぐらいで減少。その後、分泌量が増えていき、20~30歳台をピークに減少していきます。
 皮脂は年齢や性差で分泌量が異なりますが、ある条件で過剰に分泌されます。

1 ストレス
 ストレスを感じると、体がそれに対抗するためにコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールには、男性ホルモンの分泌を増やす作用もあるために、皮脂の分泌が増えます。

2 洗い過ぎ
 石けんなどで何度も顔を洗うと、体は皮脂の不足に対応するために、皮脂を活発に分泌するようになります。また、皮膚がアルカリ性になることで黄色ブドウ球菌が増殖し、炎症を招きます。炎症や化膿が起こりやすい皮膚は、もはや「清潔」とは言えないのではないでしょうか。

細菌との
共栄共存を目指す

 洗い過ぎの問題は、角層のバリア機能を壊す点にもあります。バリア機能が壊れたことを体が察知してサイトカインというタンパク質が分泌されると、バリアを高めようと角層が厚くなったり、角層の細胞がくっつきやすくなったりします。こうして、角栓ができやすくなるのです。

 皮脂や、ニキビの原因菌とされているアクネ菌を取り除こうと、顔を洗い過ぎると逆効果になるわけです。

 人間の体に棲む細菌を大別して、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と命名したのは、乳酸菌研究の第一人者である東京大学の光岡知足名誉教授です。
 光岡名誉教授は、細菌の世界は人間社会と同じで、悪玉だけを取り除こうとすると、かえってバランスが悪くなると語っていました。そうではなく、善玉を守ることで、悪玉は存在していても害が出ない状態が、皮膚でも人間社会でも健康的だと言えそうです。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート6 皮膚の構造と常在菌 角層のバリア機能について

最も表面の角層が
バリア機能を果たす

 皮膚は3層構造をしていて、外側から順に、表皮、真皮、皮下組織で成り立っています。
 本書での「美肌」、つまりバリア機能が発揮された皮膚と関係しているのが、表皮の最も外側にある角層(角質層)です。

 バリア機能については、体外の物質を体内に入れないようにする面と、逆に体内の物質が外に出て行かないようにする面とがあります。
○外→内をバリアする
 細菌やウイルス、化学物質、紫外線、寒冷・温熱など
○内→外をバリアする
 体液など

 体の部位によって角層の厚さは異なりますが、平均的して0・02ミリメートルだと言われています。食品用のラップとほぼ同じ厚さの角層が全身を包み、私たちの生命活動を守っているわけです。

表皮の深い部分で
細胞が分裂している

 角層のできるしくみですが、まず、表皮の最も内側にある基底層で細胞分裂が行われます。作られた細胞が、基底層から有棘層、顆粒層と押し上げられて、角層まで達するのです。細胞が角層まで押し上げられる過程を、角化と言います。
 角層では、古くなった細胞がやがて垢としてはがれ落ちるので、だいたい一定の厚さで角層は保たれます。
 バリア機能を果たす角層は、外部の物を触れたりこすれたりする部位では厚くなります。足の裏では角層が0・14ミリメートルほどの厚さがあるのですが、重心がずれて体重のかかる部分が集中するとさらに厚くなってタコができるわけです。
 このように、圧力がかかるといった条件に合わせて、角層の厚さなどは変化をします。
 健康な皮膚の場合、基底層の細胞が角化して、最も表面に達するまでに2週間ほどかかります。こうして角層を形成するようになる頃には、核のない死んだ細胞となります。体の最前線で盾になるわけですから、死んだ細胞のほうが都合がいいわけです。そして数週間後に、垢としてはがれ落ちます。
 ところが、皮膚がこすれるなどして角層がはぎ取られると、基底層での細胞分裂が早いペースで行われて、細胞がどんどん角層まで押し上げられていくのです。その結果、核が残ったままの状態で細胞が角層まで達してしまいます。
 ある意味で、未熟者が最前線に追いやられ、外敵と戦うわけです。外→内・内→外のバリアも未熟なので、細菌やウイルスが侵入しやすく、体内の水分も奪われて乾燥しやすい皮膚になってしまいます。
 
乾燥した陸上生活に
適応して角層は発達

 角層があるという皮膚の構造を持っているのは、人間だけではありません。猫もカエルも蛇も、陸上で生活する生物には角層があるのです。
 進化の歴史の中で、脊椎動物が水の中から陸の上に進出したときに、バリアとして角層が発達してきたという説があります。
 水の中で暮らす魚の皮膚は、表面が粘液で覆われています。粘液がバリアとして働いているわけです。
 では水の中と陸上の両方で暮らすカエルの場合なのですが、角層はあるにはあります。しかしとても角層が薄いので、陸上にいると乾燥に耐えらず、干からびてしまいます。ですから、粘液でも覆われているのです。
 両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類と、陸上生活が長くなるに伴って、乾燥した環境で生き延びられるように、角層はバリアとして進化してきたようです。
 ちなみに、毛で覆われている犬と比べて、毛がない私たち人間のほうが角層が5~6倍厚く、丈夫にできています。ですから、人間用のシャンプーで犬を洗ってしまうと、皮膚が荒れる危険性があるので、避けたほうがいいでしょう。

角層は乾燥した状態よりも
濡れた状態でもろくなる

 角層は、細胞がブロックのように積み重なり、その間を細胞間脂質がセメントのようにつないでいる構造をしています。「脂質」と言うとおり脂なので、水に長く漬けておくと少しずつ溶けていき、水の温度が高くなればそのスピードが速まります。
 ですから、皮膚がお湯に濡れると、細胞間脂質が溶けてしまいます。そして、セメントがもろくなったブロック塀が倒壊するように、角層ももろく、はがれやすくなるのです。
 生物が乾燥した生活を送るために丈夫に発達してきた角層は、水やお湯に濡れるという環境には弱いということです。

赤ちゃんと大人では
角層の厚さが違う

 私たちがお母さんのおなかの中にいるときに、38億年かかった生物の進化と似た過程をたどって育っていきます。赤ちゃんの角層は、妊娠20週頃から形成され始めるのだそうです。
 お母さんのおなかの中で羊水にずっと漬かっていた赤ちゃんが、誕生とともに一気に乾燥した環境に身を置くわけです。皮膚にとっては、激しい変化です。
 環境の激変に備えるため、生まれたての赤ちゃんの皮膚には、胎脂がくっついているのでしょう。胎脂は、まるで両生類の粘膜のように、羊水の中で赤ちゃんの皮膚を守る機能を果たし、出生後は皮膚が乾燥しないように守る働きがあるからです。人間の体は、実にうまくできていると思います。
 赤ちゃんは角層が薄く、バリア機能が未熟なので、皮膚の乾燥や炎症などが起こりやすいと言えます。成長するとともに乾燥した環境に対応するように角層が厚くなっていき、「美肌」へと変化するのです。

お湯に漬かるダメージは
赤ちゃんのほうが大きい

 皮膚をお湯に漬けると、角層の細胞ははがれ落ちやすくなります。その温度が高いほど、細胞がはがれ落ちるスピードも速くなっていきます。
 角層の細胞がはがれ落ちたら、「これはいけない!」とばかりに基底層では細胞がどんどん分裂して、新しい細胞を角層にまで送り込みます。ところが、粗製乱造で角層にまで押し上げられた細胞は、バリア機能を果たせない未熟者。結果として、皮膚が乾燥して、炎症などが起こります。
 赤ちゃんは角層が薄いので、細胞がはがれ落ちたときのダメージは大人よりも大きくなります。

どうして皮膚を
お湯に漬けなければならないのか

 赤ちゃんや角層のバリア機能が落ちている乾燥肌の人は、多くの場合、おふろ上がりに乾燥や炎症が悪化します。
 乾燥や炎症を抑えるためには保湿剤を塗るのですが、角層に亀裂が入っているような状態なので、保湿剤の成分が刺激となって逆に炎症の原因になる場合もあります。
 それから、保湿剤の塗り方も問題で、手のひらに保湿剤を取って患部にすり込むと、皮膚をこすることになります。お湯に漬かってもろくなっている角層の細胞を手でこすって、はぎ取ることにもつながるわけです。
 それにもかかわらず、おふろに入り、皮膚をお湯に漬け、保湿剤を塗ります。
 だったら、最初からおふろに入らなければいいのではないか、という結論が出るでしょう。
 しかし、日本人には「おふろに入ると清潔になり、皮膚の健康につながる」という考え方が根強いようです。加えて、皮膚の汚れや皮脂を洗浄しなければ、皮膚に炎症が起こりやすくなるという考え方もあります。
 次のページでは、皮膚の汚れと皮脂を洗い流すことについて述べていきましょう。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』 スキンケア導入

 手のひらも甲もあかぎれだらけの手荒れを、私は小学生の頃から30歳ぐらいまで患っていました。自分の手を他人に見られるのがとても嫌で、買い物をしてレジでお金を手渡すだけで気が重くなっていました。
 汚い皮膚の自分が、恥ずかしいのです。
 高校生の頃、同じように手が荒れていた友人とは、「いつも手を握り締めて、見られないようにするよね」などと共通の経験を語り合ったことがあります。

 海外経験の少ない私が語るのもおこがましいのですが、皮膚について日本人ほど神経質な民族はいないような気がします。
 私がこれまでに会った外国の人は、シミやソバカスがあってもあまり隠そうとしていませんでした。皮膚がカサカサしていたり、シミ・シワがあったりしても、「大したことはない」という態度を取っていました。アトピー性皮膚炎に対する態度はカゼなどと変わらず、基本的には治る病気として対応しているようです。

 日本で生まれ育った私たちは、皮膚に神経質になるあまりに、アトピー性皮膚炎や乾燥肌などに過剰に反応しているのかもしれません。
 これは医師にも責任があると私は思います。皮膚がカサカサになった赤ちゃんのお母さんに対して、「この子はアトピー体質だから、一生治りません」「『三つ子の魂百まで』って言うけど、3歳までに治さないと大人になってもこのままですよ」などと口にする人がいたからです。
 「秋生まれの子どもにアトピー性皮膚炎が多い」などのデータがありますが、世界中で医学論文は山のように発表されていて、矛盾する内容が少なくありません。あるデータで正しいと導き出されたことが、別のデータでは否定されている場合も多いのです。1つの論文に書かれたことが「真実」とは、誰も言えないはずです。

 問題は、そのような医師が発する言葉で、患者さんや家族が大きなストレスを抱える点です。ストレスが皮膚に悪影響を与えるのは、日本・アメリカ・ヨーロッパで認められていること。その認識もなく、不用意な発言で患者さんや家族を心理的に追い詰めている医師が多すぎるのではないでしょうか。

 

アトピー性皮膚炎や乾燥肌、ニキビなどは、治る病気です。カゼといっしょで、治りやすい・治りにくいという個人差はありますが、最終的には治ると思ってください。

 勉強や仕事などでストレスがたまっていたり、不規則な生活をしていたりしたら、カゼは治りにくくなります。
 同様に皮膚のトラブルが治りにくいのも、日常生活に原因が潜んでいるのかもしれません。

 本書では、「洗う」という生活習慣が皮膚にどのように影響を与えるのかを考えます。もう1点、「なぜ皮膚を洗うのか」について、生活習慣にプラスして、心理的な要因も検討します。
 皮膚を改善するのは、スキンケアという行動だけ。皮膚の構造などについて書いたパート1を飛ばして、パート2以降を実践することをお勧めします。「洗わない」スキンケアはお金のかからない方法ですから、試してみて、自分の皮膚で検証することは意味があることだと思っています。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』 はじめに

 雑誌の編集者として、21年にわたって健康情報を扱ってきました。そしてアトピー性皮膚炎をはじめ、多くの皮膚のトラブルについて、医師だけでなく多くの患者さんからもたくさんのお話を伺いました。
 また、私自身と娘が、皮膚のトラブルで深刻に悩んでいた時期がありました。
 こうした仕事と個人的な経験から、スキンケアに関して私が出した結論が「洗わないほど健康な皮膚になる」です。

 皮膚を洗うときには、濡らす・こするという行為が生じます。この2つの行為が、皮膚にダメージを与えて本来のバリア機能を低下させているのです。バリア機能を守るために、日常生活の中で皮膚を濡らす機会をできるだけ減らすのが「洗わない」スキンケアです。
 皮膚を洗う必要があるケースは限定されていて、細菌が増殖しやすい部位だったり、薬品などが付着したり、ケガをして傷口に砂が入ったりしたときです。それ以外では、洗わないほうが皮膚のバリア機能は保たれます。
 人間の長い歴史で清潔な水はとても貴重だったので、皮膚を頻繁に洗ってこなかったのではないでしょうか。それでも人間は生き残ってきました。
 不潔な環境で石けんなどの洗浄剤で洗うことは感染症の予防に有効でしょうが、現代の日本では洗い過ぎが皮膚の機能を損なっている可能性があります。
 「洗わない」スキンケアは、歴史的にも安全と考えられ、洗浄剤や保湿剤などを減らしてお金の節約にもなります。

 この本を書くに当たって考えたのは、「美肌とは、なんなのか」ということでした。
 一般的には、シミやシワがほとんどない、白くツルツルの皮膚を指しています。しかし、炎症や不快感が起こりやすくて保湿剤などの薬が手放せなければ、もはや美肌ではないのではないでしょうか。

 美肌を「赤ちゃん肌」と表現することもあります。赤ちゃんの皮膚に透明感があるのは、薄くてまだ未熟なためで、その分バリア機能が低く、かゆみや湿疹などが起こりやすい状態です。皮膚がピンク色をしているのも、とても薄いためで、毛細血管を通る血液の色が透けて見えているのです。ですから「赤ちゃん肌」は美肌ではなく、むしろトラブル肌と言えるでしょう。

 シミや細かいシワについては、紫外線による皮膚の老化に加え、皮膚をこすり過ぎてバリア機能が破壊されていることが原因と考えられます。皮膚を洗ってダメージを与え続けた結果かもしれません。

 この本でのスキンケアの目標は、シミやシワを消すのではなく、皮膚のバリア機能が発揮される「美肌」を取り戻すこと。
 バリア機能は、皮膚の最も表面にある角層(角質層)と、皮膚を覆っている皮脂膜が担っています。この2つを減らしたり、もろくしたりしないことが大切です。

 万人にとって正しいスキンケアはありません。
 「洗わない」スキンケアはあくまでも選択肢の一つに過ぎず、また「白くツルツルの皮膚」を目指している方にはまったく役に立たないでしょう。そして「3日でよくなる」といった短期間での効果の実感も、ほとんど得られないと思います。
 また、私は編集者で、医師や美容の専門家ではありません。「洗わない」スキンケアについては、ご自分の判断と責任で行っていただき、異常が見られたら速やかに皮膚科を受診してください。

 皮膚がちょっとザラついたり乾燥したりすることはあっても、炎症やかゆみなどがほとんど起こらず、スキンケアにかける時間が少ない分だけ自分なりの楽しみを見つけて毎日を暮らせる。そんな美肌になる選択肢として、「洗わない」スキンケアを知ってもらえればと思っています。

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皮膚の機能はわかってきたが、スキンケアはまだよくわからない!『スキンケアを科学する』

『スキンケアを科学する』(南江堂)が非常におもしろいのは、スキンケアについて数人の皮膚科医が熱く議論を交わし合ったであろうと推測できるからです。
例えば洗顔については、洗浄剤メーカーと、洗顔有害派の皮膚科医、洗顔必要派の皮膚科医、「人それぞれでしょ」という皮膚科医の記事が掲載されていました。そしてまだ結論は出ていません。

この本を読んで、私が感じたのは、「万人にとって正しいスキンケアはない」ということ。

そして、「医師もいろいろ」ということ。
1人の医師に聞いたこと・教わったことがすべてとは思わないという心構えが大事です。
皮膚科については継続して通院している人が多いのですが、その医師の治療法を長く続けても改善したと実感できないときには、通院をやめるという選択も考えたほうがいいでしょう。

ところで、京都大学の宮地良樹名誉教授によれば、おふろに入らなかったことが、重い皮膚病を引き起こしたという報告はないとのこと。
赤ちゃんについても、おふろに入れるのではなく油で拭く民族もあると今山修平クリニック&ラボの今山修平医師が書いていて、水が貴重な国では大人も子どもも赤ちゃんも入浴より飲用を優先するだろうと私は思いました。

その今山医師が、私たちがシミやシワを嫌がるのは、種として考えた場合、ちょっと変ではないかというようなことを書いていました。

生物は、自分の遺伝子を残すために、生殖期間はオスどうし・メスどうしで激しく争います。
生殖期間を過ぎた、要は老いた生物は、この抗争に巻き込まれると死につながる可能性が高くなります。
ですから見た目で「私はもう老いてしまって、生殖できませんから~」とアピールすると、抗争から離れて自分を守ることにつながるのではないかと。
シミやシワなどの老化現象とは、抗争に巻き込まれずに生き残る手段のようなものと言い換えられるかもしれません。
それが人間の場合は、遺伝子を残せなくなってからも、シミやシワがないことで異性から若いと評価され、ある意味、抗争に参加できるとうれしいわけです。

上記は、私の解釈ではありますが、そのようなことを考えているなんて、医師もいろいろだとやっぱり思った次第です。

最後に、健康雑誌の編集者を21年間やってきた私も、皮膚科医や患者さん、美容家から聞いてきた話をもとに本を作りました。
「洗わないスキンケア」をテーマに、日常的な習慣や思い込み、ストレスで皮膚を洗い過ぎるためにトラブルが起こっていること。
トラブルを防ぐために、赤ちゃん、子ども、思春期、大人の年代別にスキンケアを具体的に紹介しています。

『ふろに入らないほうが美肌になる  「洗わない」スキンケア年代別ガイド』
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子どものアトピー対策で、スキンケアにプラスしたいこと

体が学習することで
過剰反応が起こらなくなる

以前、ブログに書きましたが、私たちは生まれるときに、母親の産道などで細菌と出会います。
その後、消化管や皮膚などに細菌を棲まわせて、一生を共にします。

細菌には、私たちの体に有益に働く「善玉菌」、有害に働く「悪玉菌」、時と場合で働き方が違う「日和見菌」があります。

悪玉菌などの有害なものの働きを抑え込めなければ、いつも病気にかかっているような状態になるでしょう。
ただ、それほど有害なものに対して、体が防御しようと過剰に反応してしまうと、炎症などが起こるのです。
前者が「免疫不全」で後者が「アレルギー」です。

赤ちゃんや子どもの場合、悪玉菌などの有害なものとのつきあう日が浅いため、それほど有害ではないものに対しても「危ない」と勘違いして、過剰に反応しがちです。
しかし、こうした勘違いによる失敗を体験して、「危なくなかったのだ」と体は学んでいくのでしょう。

私が子育てする中で経験したのは、息子がまだ保育園児の頃に、ファミリーレストランの半熟卵を食べて、じんましんが出たことでした。
最初は両腕が対照的に真っ赤に腫れ上がっていたのですが、じんましんは30分ぐらいで消えました。
それからは、半熟卵を食べさせた後には皮膚を注意していたのですが、じんましんが出ることはありませんでした。
もしかしたらちょっとしたかゆみなどはあったのかもしれませんが、息子の様子を見る限りでは平気なようでした。
何度か半熟卵を食べる中で、息子の体は「危なくないから、過剰に反応しなくていい」と学んだのでしょう。

もちろん、体質には個人差があり、多くの条件が絡んでくるので(いつ、どこで、どんな、気温は、天気は、など)、一概には言えないのですが、勘違いによる失敗を体が学んだことによって、免疫が修正されるのではないでしょうか。
あくまでも推測なのですが、勘違いだったと体が気づく前に、薬などで症状を抑え込んでしまうと、学習する機会を得られなくなるのではないでしょうか。

私のイライラが
子どもの症状を悪化させていた

我が家の事例ですが、息子は皮膚の乾燥や湿疹はほとんどありませんでした。
しかし、娘は生まれたばかりで顔に赤い湿疹があり、「これは大変かも」と私は内心思っていました。
実際、乳児湿疹がひどく、1歳になるぐらいまで顔は真っ赤でした。
その後も、ひじやひざの裏側、おなかなどがカサカサして、よくかいていました。

娘が体をかくと、私はものすごくイライラしていました。
ボリボリという音が気に障って、「やめなさい」と大声を出すこともしばしば。
私の声に驚いて、娘はかくのをやめるのですが、しばらくするとまたボリボリ。

ある夜、寝る前にボリボリかいている娘の手を私は握り、「お肌、大事、大事だから」と口にしたところ、かく手が止まりました。
そして、私が手を握っていると、娘はそのまま寝てしまいました。
夜中も、娘が体をかいているときに、「大事、大事」と言いながら私が手を握ると、かく手が止まるのです。

親である私のイライラが幼い娘にストレスを与えて、皮膚の状態を悪化させていたのでしょう。
親が気持ちを落ち着けて、禁止の言葉を投げつけないことが大事だったと、今は思います。

私が「大事、大事」と言うようになったのは、精神科の明橋大二医師の言葉がきっかけでした。
以前、「子どもが性器を触る癖があるときは、どのように対処したらいいのか」というテーマで、明橋医師に取材したことがありました。
明橋医師は「汚い! 触ったらダメ!」と注意するのではなく、「大事なところだから、きちんと手を洗ってから触ろうね」と親が語り掛けてくださいとのこと。

理屈については長くなるので置いておいて、明橋医師の言葉を思い出し、皮膚をかく娘に対して私は「私にはあなたの肌が大事」というメッセージを送ってみようと思ったのです。
不思議なことに、娘に対して「大事、大事」と言うと、私自身も気持ちが落ち着くのでした。

皮膚炎の原因は
「かゆい」だけではない

こうしたことから思うのは、子どもの皮膚の状態に親がイライラして、ステロイドを頻繁に、長期にわたって塗り続けるのは逆効果かもしれないということ。

まずは、子どもの皮膚の状態に対する親のイライラや不安、不満を、子どもに見せないこと。
マイナス感情の解消法は、カラオケでもスポーツでもいいので、自分で見つけておいたほうがいいでしょう。

それから、我が家の息子のように免疫の勘違いをすぐに学習するタイプもいれば、娘のように学習に時間がかかるタイプもいます。
どちらにしても、ステロイドで症状を抑え込めばいいというわけでなく、子どもが学習することを親が待つ時間は必要かもしれません。

たとえ皮膚がガサガサでも、子どもたちは元気に友達と遊び回ったり、思いがけない優しさを見せたりすることはあります。
皮膚は目に入りやすい部位ではありますが、そればかりに注目するのではなく、元気さ、やさしさ、がんばりなど、子どもの成長に目を向けると、親として穏やかな気持ちになれるかもしれません。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』を作ります その1

「自分で読んで選んだ本を扱うお店を開きたい」という夢を、私は持っています。
この本屋で、「石けんを使わない」「保湿剤に頼らない」スキンケアがテーマの本を扱いたいのですが、どうしても自分で編集したいという欲望(?)が強すぎるのです。
企画書を出版社に持ち込んだのですが、「難しいかな~」という反応。私自身、出版社の社員として編集をしてきたので、その反応は予想していました。にもかかわらず、ちょっと落ち込んでいました。

店を開きたいの? 本を作りたいの?
私の迷える話を聞いた知人はちょっとあきれていました。

知人の言葉を、私なりによく考えたら「本が作りたい」という結論が出ました(知人よ、ありがとう!)。
ですから、自分の経験をもとに『「洗わない」スキンケア完全ガイド』を作ります。



『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』
■出版する目的
 かゆみやピリピリした違和感を覚える乾燥肌、ニキビ、湿疹などを改善させるための、日常的なケアの1つとして、皮膚を洗わない方法をこの本では紹介します。

 過去に皮膚科でよく指導されてきた「石けん・洗浄剤でしっかり洗って、すぐに保湿剤を塗る」というスキンケアをまじめに、長期間続けても、乾燥肌やアトピー性皮膚炎が治っていない事例が多数ありました。
 治らない原因が、石けん・洗浄剤で洗うという生活習慣にあるかもしれないと考えた皮膚科医が、洗わないスキンケアを指導したところ、症状が軽くなったそうです。そして、保湿剤も不要になったとのこと。

 石けん・洗浄剤で洗わないスキンケアは、お金がかからず(むしろ節約になり)、安全だと私は考えています。
 皮膚には個人差があるので、石けん・洗浄剤で洗ってもまったくダメージのない、健康な皮膚の人のほうが多いかもしれません。そうした人にまで、石けん・洗浄剤を使わないことを本著で勧めるつもりはありません。
 ですから、界面活性剤を危険視する内容にはならないでしょう。

 本著では、皮膚の構造などの解説よりも、具体的なスキンケアを中心に紹介する予定です。
 
■構成
 世代や症状別の具体的なスキンケアと、理屈を分けて構成します。理由は、あくまでも私の印象なのですが、すでに出版されている「せっけんを使わない」「保湿剤に頼らない」がテーマの本は、理屈が多くて、スキンケアの手順が少ないからです。
 『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』では、年齢別のスキンケアの手順を最初に紹介し、なぜこのようなスキンケアを行うかという根拠を後半で厚く説明します。


■構成案
はじめに 

パート1 基本の「洗わない」スキンケア(全世代共通) 
 「毎日の入浴」を習慣にしない(上限は週3回)
 皮膚のかゆみや乾燥があるときは湯船につからない
 石けんを使わない「ぬるま湯洗い」を行う
 朝昼晩のスキンケア、ふろのお湯の温度、時間→図解


パート2 赤ちゃんのスキンケア
 入浴時にガーゼタオル・スポンジなどを使わない(一般に、産院では新生児の入浴にガーゼタオルを使うように指導)
 ふろのお湯の温度、時間→図解
 新生児ざ瘡・脂漏性湿疹への対処法→図解
 足指の間や股間は石けんを使用??

パート3 子どものスキンケア
 乾燥肌(アトピー性皮膚炎)への対処法→図解

パート4 思春期のスキンケア
 乾燥肌(アトピー性皮膚炎)への対処法→図解
 ニキビ・体臭への対処法→図解

※思春期の男子が、うろこ状に顔の皮膚がはがれる、激しい乾燥肌になった例をいくつか知っています。そのうちの1人は引きこもりになり、親子関係が深刻なものになっていました。皮脂の分泌が多い年代なので、洗浄力の強い洗顔料で顔を洗い過ぎて、乾燥肌を招いたのかもしれません。また、受験や人間関係のストレスも、皮膚に悪影響を与えているように感じています。繊細なきれい好き男子についても、言及します。

※ストレスがたまると、私たちはつい顔を触ったり、こすったりするそうです。そして皮膚に細かい傷がつくと、かゆみが生じ、「なにかついている」と勘違いをして顔を洗うケースもあるようです

パート5 大人のスキンケア
 大人ニキビ・乾燥肌・敏感肌・主婦湿疹への対処法
 メイクの選び方と落とし方

※「メイクはクレンジング剤を使わないと落とせず、クレンジング剤は洗浄剤を使わないと落とせない」と、医学書に書いている皮膚科医がいました。洗浄剤が必要となる前提の「メイクはクレンジング剤を使わないと落とせない」という点に対して、ぬるま湯でも落とせるメイクを紹介し、洗浄剤で顔を洗わないことへとつなげていきたいと思います。
 なお、私が以前に別の皮膚科医(女性)に直接聞いた話では、パウダータイプのファンデーションを、下地なしではたいておくと、紫外線を反射する効果があるうえ、簡単に落とせるそうです。ただし、皮膚からファンデーションが落ちやすいので、こまめにはたく必要はあるようです。


パート6 皮膚の構造と常在菌
 角質層のバリア機能について
 皮膚に棲んでいる細菌の構成・働きについて
 皮膚トラブル(いわゆる「アトピー性皮膚炎」など)の原因は、体質なのか、日常のスキンケアなのか

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「壁で深呼吸」ダイエット  スマホ・タブレットを多用する人は背骨に要注意

違和感が出た人は
要注意

「壁で深呼吸」ダイエットで、深呼吸を続けていると、首や肩に違和感を覚える人は少なくないでしょう。
違和感が生じる理由は、首の骨の変形、ストレートネックです。

本来、背骨は緩やかな湾曲を描き、体の重さを分散させています。
首の部分については、なだらかな「く」の字を描いているのですが、ストレートネックの場合はその名のとおりでまっすぐ。
あごが前に突き出て、首の骨が斜め上に伸びています。

そのため、「壁で深呼吸」ダイエットでかかとや背中を壁に着けられるのに、後頭部だけが壁から離れてしまいます。
そして、普段よりも頭の位置を後方に持ってこなければならなくなるため、首や肩に違和感が発生するのです。

人間の頭の重さは、体重の約1割。
50キロの人は約5キロが頭の重さです。
5キロといえば、米袋1つ分で約33合。1日3合食べるとすると、11日分の米になります。
それほど重い頭を、細い首が支えているわけです。
ストレートネックの場合、クッションの役割を果たす背骨の湾曲がないので、頭の重みの影響を首と肩が受けます。

スマホは
持つ位置が大事

ストレートネックの原因の1つが、スマホやタブレットを使うときの姿勢。
多くの人が、胸の高さでスマホやタブレットを持ち、操作しています。
このとき、頭を下に傾けて、首の後ろ側が伸び切った状態になっています。

スマホやタブレットを長時間使用すると、首の後ろ側が伸び切った姿勢が癖になり、やがてストレートネックが引き起こされるのです。

ストレートネックの改善法は、スマホやタブレットを顔の高さまで持ち上げて操作する癖をつけること。
腕は疲れるかもしれませんが、首や肩のこり・痛みは改善されるはずです。
軽い筋トレと思って、スマホやタブレットを持つ位置を高くするといいでしょう。
二の腕も引き締まってきます

ちなみに、頭を下に傾けている時間が長くなると、顔のぜい肉が重力に従って垂れ下がります。
結果、二重あごやほおのたるみを引き起こします。
顔をたるませないためにも、スマホやタブレットは高い位置で使いたいものです。

前のブログにも書きましたが、姿勢を自分の目で見ることは難しいものです。
「壁で深呼吸」ダイエットを行うと、首や腰などに違和感が出ることで、自分の体で姿勢を確認できます。
お金は一切かかりません!
ぜひ、毎日の習慣にしてください。

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今や、教育は投資ではない

公立→国立で
小学校から大学までで10299483円

文部科学省と日本学生支援機構が発表したデータ(平成22年度)をもとに、教育にかかる費用を調べたことがありました。

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ざっくり計算すれば、小学1年生から大学4年生まで、公立から国立に進んだとして、教育にかかる費用は10299483円。
1千万円ちょっと。
すべて私立に進めば、23140556円
2千万円ちょっと。

もちろん、一気にこれだけの額がかかるわけではありません。
それに個人差はあります。
しかし、教育にかかる費用がかなり高額であることは実感します。

教育は
投資ではない

ところで、最近、女性の医師が診療報酬詐欺で逮捕されました。
いわゆる「お嬢様学校」から東京女子医大を出て、麻酔科専門医の資格も持っているそうです。
医療ドラマを見て、麻酔科専門医は患者さんの生命を維持するために、ものすごい神経と経験、技術が必要とするのだなと思っておりました。
この医師は、大変な努力家だったし、成績も優秀だったのだろうと推測されます。

それが、テレビ番組などで悪目立ちをし、借金を抱え、逮捕までされて、これからのキャリアは絶望的でしょう。

朝のテレビ番組で、女性医師の話が取り上げられたときに、近所に住む人が「お母様がかわいそう。一生懸命、投資してきたのに」みたいなコメントしていたので、なるほどと思ってしまいました。
やはり、教育は投資という考え方は根強いのかと。

派手な言動でマスコミを騒がした医師だったので私たちの知るところとなりましたが、個人的には氷山の一角だと感じています。
開業して経営状況が芳しくなく、借金を抱えているクリニックは少なくありません。

つまり、医師免許を子どもが取るために、教育にお金を費やしても、それが必ずしも返ってくるとは限らないのです。
子どもが開業するために借金をし、返済できなければ、親にも負担がかかる可能性は高いでしょう。

教育に費用をかけて、偏差値の高い大学を出て、就職したり開業したりしたとしても、それはゴールではありません。
社会人として、子どもが一人前になったかどうかが重要なのです。
教育にかける費用が投資ではなく、一人前になるための教育、それも学力だけでなく世間の常識を学び、心身両面を鍛えることが、投資ではないでしょうか。

この世の中を
生き抜くということ

私は四捨五入すると50歳になります。
子ども時代から大学4年生まで、大量生産・大量消費の成長社会でした。
子どももたくさんいて、小学校では1学年に6クラスありました。
私たちは学力を競い合い、高い学歴を目指し、大企業に就職すればゴールだと信じていました。

一方、私の子どもが通う小学校は1学年に2~3クラス。
バブル崩壊だけでなく、東日本大震災での原発事故の後遺症をまだまだ引きずり、「豊かさとはなんだ」と考える社会ではないでしょうか。

電気をたくさん使って、たくさんのものを作って、食べ切れないほどの料理を並べて、たくさんのものを捨てて、環境を汚す生活を、もう「かっこいい」とは子どもたちは思わないでしょう。
お金はあったほうがいいけれど、無理してまでお金持ちになろうとはしません。なぜなら、大量消費は古い感覚ですから。

アベノミクスの本丸は成長戦略ですが、どうでしょうか。
さまざま評論家が是非を争っていますが、個人の生活レベルではお金を使って回していこうという気にはなれず、いまだに防衛傾向のような印象です。

成長から成熟へと社会が変化していく中で、古い価値観・成功体験やマスコミの書き立てる情報に惑わされず、自分で考え、判断し、選択すること。
これから世の中を生き抜くために、丸暗記の知識よりも、知恵と判断力、さらには行動力が、子どもたちには重要になってくるでしょう。

それは、大人である私も同じで、あと何年生きられるのかわかりませんが、まだまだ勉強しなければと痛感しているところです。

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尿素について、私なりに考えました

美肌水や市販クリームに含まれている尿素について、「触るな危険」並みに扱っているインターネット上の書き込みがありました。

こうした書き込みで不安を抱いたい人には、まず、一般社団法人 日本化学物質安全・情報センターの「尿素」に関するデータをインターネットで見ていただきたいと思います。

皮膚の最も表面にある角質層での、尿素の働きは主に以下の2つと考えられます。

○角質層の水分を保つ
尿素が角質層の水分を保つのは、「水素結合」が関係します。

尿素 CH4N2O 炭素原子が1個、水素原子が4個、窒素原子が2個、酸素原子が1個
水 H2O 水素原子が2個、酸素原子が1個

尿素は、炭素に窒素がくっつき、窒素に水素がくっつき、また、炭素には酸素が二重結合しています。
水は、酸素に水素がくっついています。

酸素や窒素にくっついた水素は、プラスの電気を帯びています。
酸素原子は、マイナスの電気を帯びています。
プラスとマイナスが互いに引き合うのが水素結合です。

角質層に尿素があると、水素結合で水分子をつかまえられるのです。
こうして、角質層の水分が保たれます。

○角質細胞を取り除く
私たちの皮膚の表面は、角質細胞で成る角質層で覆われています。
古くなった角質細胞はやがて垢としてはがれ落ちますが、外部からの刺激や代謝の低下などが原因で、角質細胞がはがれ落ちず、角質層が厚くなるケースがあります。
厚くなった角質層は、ザラザラするといった手触り・見た目の問題だけでなく、皮膚の柔軟性が失われることでひび割れなどが生じやすくなるのです。

角層細胞の主な成分は、ケラチンというタンパク質です。
ちなみに、髪や爪もケラチンからできています。

ケラチンは、アミノ酸分子がさまざまな形でくっつき合っていて、その1つが水素結合です。
ただ、アミノ酸どうしよりもアミノ酸と尿素とのほうが水素結合をしやすいので、角質層に尿素があると、アミノ酸どうしの水素結合の間に入り込みます。
その結果、アミノ酸の結合がもろくなり、角質細胞がはがれやすくなります。

なお、水素結合については、「プラスとマイナスが引き寄せ合う」程度。
アミノ酸どうしのペプチド結合などよりも、結合する力は弱いとされています。

ですから、「角質層を溶かして削り取るような作用が尿素にはある」というのは、私には現実的な話とは思えないのですが。


上記のことから、通常濃度の美肌水や尿素クリームを塗ると、肌荒れが起きるとは考えにくいのです。
もちろん、高濃度で刺激が現れることはあるでしょう。塩水も、濃度によっては皮膚にピリピリとした刺激を与えます。

私が雑誌編集者として美肌水を紹介してきた経験で、美肌水を顔に使って乾燥肌になったなどのトラブルは数例聞きましたが、手足などでのトラブル報告はまったく覚えていません。
「濃いほうが効くと思って原液を使ってトラブルが起こった」「効果がなかった」という報告は、けっこうありました。

個人的に思うのは、皮膚を触り過ぎるのがトラブルの原因。
シミやシワ、ニキビが気になると、鏡を見てはついつい触っていませんか?
美肌水は安く作れるのは利点ですが、それでバシャバシャと顔に何度も塗っていると、皮膚を触ったりこすったりする刺激が肌荒れや湿疹などのトラブルを招くのではないかと考えます。

顔については、なにもしないのが、一番のスキンケアではないでしょうか。
手はどうしても使わざるを得ないので、手袋やワセリンでカバーをするという守備ケアが必要でしょう。
刺激をたくさん受けて角質層が厚くなり、ひび割れてしまったら、手には5倍に薄めた美肌水、かかとには美肌水原液を塗ってケアするといいでしょう。

なお、手足にひび割れや傷があり、美肌水が染みるときは、まずひび割れや傷に食用油を1滴垂らし、コーティングしてから美肌水を使うとよいと、今井龍弥医師は指導していました。

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背中を壁に当てて深呼吸するだけ!便秘が解消し下腹がほっそり!簡単腹やせ「壁で深呼吸」ダイエット

姿勢が整うだけで
若く見える

腰が曲がっているか・伸びているか、背中が丸まっているか・伸びているかの違いだけで、見た目の若さは大きく変わります。
ただ、残念なことに姿勢を自分でチェックすることはできません。

姿勢を美しくするための習慣としてお勧めなのが、「壁で深呼吸」ダイエット。
やり方は簡単。

1 かかと・お尻・背中・肩・後頭部を壁に着けて立つ。
2 へその下に両手を当てて、大きく鼻から息を吐いて下腹をひっこめた後、大きく息を吸って下腹を膨らませる。これを10回繰り返す。

やり方は簡単なのですが、「1 かかと・お尻・背中・肩・後頭部を壁に着けて立つ」こと自体ができない人は少なくありません。
その原因は、骨盤の傾き。
前や後ろに傾き過ぎていると、お尻や背中が壁から離れてしまうのです。

お尻や背中が壁から離れてしまう場合は、骨盤回しをやってから「壁で深呼吸」ダイエットを行うといいでしょう。
加えて、「1 かかと・お尻・背中・肩・後頭部を壁に着けて立つ」の後、ひざを軽く曲げてから、ゆっくりとひざを伸ばしていくと、骨盤の傾きが修正されます。

へそをひっこめると
腹部の筋肉が鍛えられる

「2 へその下に両手を当てて、大きく鼻から息を吐いて下腹をひっこめた後、大きく息を吸って下腹を膨らませる」では、息を吐くとき、へそを壁に近づけるように意識しましょう。
実は、これもできない人がいるはずです。
腹筋が弱っていると、下腹をひっこめることが困難になるからです。

最初はできる範囲でかまわないので、「壁で深呼吸」ダイエットを長く継続させましょう。
続けるうちに、腹部のいちばん深い部分にある「腹横筋(ふくおうきん)」が鍛えられます。
腹横筋は、姿勢を保つだけでなく、腹部の内臓が下垂しないように支える働きもします。
ですから、腹横筋を鍛えることで胃や腸の調子も良くなり、便秘などの解消にもつながります。
結果として、下腹がぺたんとへこむのです。

美男美女医師夫婦として有名な方も、「壁で深呼吸」ダイエットを習慣にしていると話していました。
座っている時間が長く、姿勢も悪くなりやすいので、診察の合間などに意識して「壁で深呼吸」ダイエットを行っているそうです。

特にやったほうがいいのは、朝、起きた後です。
「壁で深呼吸」ダイエットを行って、体に良い姿勢をインプットさせるのです。

私の個人的な考えですが、顔のシミやシワは、自分が思っているほど他人は気にしていません。
というか、そこまでじっくりと顔を見ることはないはずです。
むしろ、姿勢や身のこなしが、自分の印象を大きく左右しています。

腰や背中が曲がっていたり、体をふらつかせながら歩いたりすると、顔にシミ・シワがなくても老けて見えます。
歩き方については、「妊娠中は、腕を後ろに振って歩くことを心がけましょう」に書きました。
この内容は、妊娠している人だけでなく、すべての人に当てはまります。
腕をまっすぐ後ろに振り、足は骨盤から前に出す(よって1本の線の上を歩く「モデル歩き」は行わない)と、体が安定し、さっそうと歩けます。

春は厚手のコートなどを脱ぎ捨て、姿勢や体の動きが目立つようになる季節です。
「壁で深呼吸」ダイエットで、姿勢を美してはいかがでしょうか。

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誕生日占い 人生のサイクル

昔から「諸行無常」「人間万事塞翁が馬」と言いますが、運気は時間の経過とともに変化していきます。
ここでの「運気」とは、「自分の性質と資質を生かせる時期、生かせる度合」としましょう。

運気が上がっているときは、自分の性質や資質をすんなりと認めてもらえる環境や人間関係の中にいます。
一方、運気が下がっているときに、強引に物事を推し進めたり、わがままを押し通したり、他人のせいにしてケンカしたり、環境を大きく変えたりすると、状況はもっと悪化するでしょう。
運気の変化を待つことが大切なのです。

現在の自分の運気を教えているのが、体です。
病気になる、ケガをする、骨折するなどといった体のトラブルは、運気が下がっていることを示しています。

ただ、病気やケガをしなくても、体を観察すると運気の小さな変化を察知できるでしょう。
分かりやすいのが、手のひらと足の裏です。
色を見て、血色がなく白くなっていたり、赤くテカテカしていたり、血管が浮き上がって青くなっていたりしていたら、要注意。
体が運気の低下と内臓の不調を教えています。
生活リズムを整え、体を冷やさないようにし、食事を節制するなどの対処を行って、書物などを読んで自分を見つめ直しながら、穏やかに経過させることを心がけましょう。

誕生数占いでは、占いたい年(西暦)と、自分の生まれた月日との和が、その年の大きなテーマを示すと考えます。
例えば、10月13日生まれの人が2016年のテーマを知りたいときは、2+0+1+6+1+0+1+3=14、1+4=5で5となります。

サイクル数
1 エネルギーがみなぎる年。新しい方向性や機会が現れたら、受け入れるとよい。
2 平穏で静かに過ごす年。友情をたいせつにし、他人と協力するとよい。
3 活発に行動する年。楽天的になって、たくさんの人と交流するとよい。
4 安定する年。自分の基盤をより強固にするとよい。
5 新しいことを始める年。新しい人と出会い、新しいことに興味がわく。
6 家族や家庭など自分が所属する場所をたいせつにする年。義務を果たすとよい。
7 休息と反省の年。一人で過ごし、自分の内面を見つめ直すとよい。
8 ビジネス面での成功の年。物事を強力に推進させるとよい。
9 変化に富むドラマチックな年。来年に向けて、新しいことを始める準備をするとよい。

たとえ今、運気が下がっていて、悩みやつらさ、悲しみを感じていても、気を落とさないで。
人生には波があり、運気は再び上がるものです。

そして、悩みやつらさ、悲しみは、私たちの心の成長を促します。
安易なポジティブ思想で、悩みやつらさ、悲しみをごまかす必要はありません。

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傷は潤して治す 続き

『女性のからだの知恵 ~妊娠から子育てまで健やかに過ごす~』の手直しを進める中で、「傷は潤して治す」のページを追加したいと考えるようになりました。
そして久しぶりに夏井 睦医師(練馬光が丘病院傷の治療センター医師)のサイトを見ました。

新しい創傷治療
http://www.wound-treatment.jp/

2016年3月2日に夏井医師が書いた文章を読んで、「そうよね……」と、突然うるうる涙が出てきました(年齢的に涙もろいもので)。
子どもの傷を、親がどうとらえるかという内容です。
また、夏井医師の文章を読んだ別の医師が夏井医師に送ったメールの内容も、「なるほど」と。

ケガや傷について、私がこれまで会ったきた医師は「元の状態に戻すのがベストの治療」という態度で処置を行っていました。
それが過剰になれば、「シミ・シワもなかった状態に戻すのがベスト」と“再生医療”を勧めるケースも見てきました。

私たちが生きるうえでのケガや傷はなんなのか。
ケガや傷さえなければ、安心か。
外で激しく遊びまわることも、ちょっとした冒険も、ケガや傷を回避するために行わないのか。

……と書いてきましたが、娘の頭の深い傷は、私の「なんちゃって湿潤療法」で跡形もなく治ってしまいました
夏井医師は「小さな傷跡があろうがなかろうがハンディにはならない」と書いていましたが、やっぱり、きれいに治るとうれしいというのが親心です。

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今年やせたい人には「骨盤回し」を強くお勧めします!その4(腰痛バンド・コルセットはお勧めしません)

テレビ番組を見ていたら、今、コルセットが女性たちの間で人気だと紹介されていました。
「ウエストにくびれができて、姿勢もよくなる」と、常に着用している女性もいるのだとか。

コルセットは、肋骨の下から骨盤の上までを圧迫し、ひもでギューギューに締めます。
このコルセットを毎日、長時間、身に着けるのは、個人的にお勧めしません。
むしろ、いくら人気でも、あまり使わないほうがいいと思っています。
理由は、以下の3点です。

1 内臓がもっと下垂する
今年やせたい人には「骨盤回し」を強くお勧めします!その3(効果が出る理由) に書きましたが、横行結腸や胃が垂れ下がって、骨盤の中に入り込んでいる人もいます。
消化器は体の中(体腔)にぶら下がっている状態なので、内容物が重いと重力に引っ張られて垂れ下がりやすいのです。

消化器が垂れ下がっているウエスト周辺を圧迫すると、ぶら下がっている消化器がはみ出してしまいます。
もちろん、骨盤側にです。
コルセットを着用しただけでウエストにくびれはできるでしょうが、はみ出した消化器のせいで骨盤が広がってしまいます。
この状態を「ボン・キュッ・ボン」と呼ぶのかもしれません。
ただ、見た目はともかく、消化器の機能を妨げ、不健康です。

また、骨盤内の内臓が渋滞し、子宮、膀胱、直腸などが体外に出てしまう「骨盤臓器脱」を将来招く心配もあります。

2 骨盤の下部が広がる
骨盤は、複数の骨で構成され、すり鉢状に下部が狭くなっています。
妊娠や出産で骨盤は広がることからも分かるように、形は状況に応じて変化します。

コルセットで骨盤の上部が締め付けられると、それに応じて骨盤の下部が開きぎみになり、骨盤がすり鉢型の逆三角形から四角になってしまうのです。
骨盤が変形することによって、体のバランスが取れにくくなり、疲労感や痛みを招く可能性があります。

3 腹部の筋肉が衰える
私たちの体幹(胴体)は、前後に曲げる・左右に曲げる・ねじるという3方向の動きをします。
こうした動きには、腹筋が働いています。
腹部をコルセットで固定すると、3方向の動きが妨げられ、腹筋があまり働かなくなります。
その結果、腹筋が衰えていくのです。

加えて、体幹をまっすぐに保つために、脊柱起立筋など「抗重力筋」が働いています。
コルセットで固定すると、抗重力筋も使われなくなり、衰えるでしょう。
筋肉を使わなければ、委縮して、自分の筋肉では体を支えられなくなるかもしれません。

上記3点については、コルセットだけでなく、ウエストニッパーや腰に巻く腰痛バンドにも当てはまります。
特別におしゃれしたい日や、腰の痛みがひどいときなど、使うシチュエーションを限定したほうがいいでしょう。

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誕生数占い 数字の解釈と占う目的

通常のルートから外れる
人生の寄り道


 「誕生数」が人生のルートとしたら、「誕生月日数」は人生の寄り道を表しています。寄り道なので、ふらりと心をひかれてしまう方向。さまざまな経験をして成長につながることもあれば、本来のルートを見失う場合もあります。
 また、「誕生数」と「誕生月日数」が一致すると、誕生数が示すテーマのよい面も悪い面もが強められて、極端な生き方になる可能性が高くなります。

○誕生月日数の計算

生まれた年(西暦)、生まれた月、生まれた日
□□□□年 ○○月 ▽▽日

○+○+▽+▽=△△
※▽▽が11、22、33のときは、計算をしない→11、22、33が誕生月日数

→△+△=◎ →1ケタの◎の数字が誕生日数

※例 セカイノオワリの深瀬慧さん
1985年10月13日

1+0+1+3=5 →5が誕生月日数



●誕生月日数1 指導者的な立場を取る
 自分が正しいと思ったことを語り、周囲を牽引する機会があるでしょう。誕生数が1の場合、自分の信念が強いゆえに過激な行動したり、自分への反論を嫌って孤立したりするかもしれません。

●誕生月日数2 周囲の人に協力する
 周囲を気遣い、サポートする機会があるでしょう。誕生数が2の場合、周囲に尽くし過ぎて「私ってかわいそう」などと自己憐憫に何度も陥る可能性があります。

●誕生月日数3 自分が想像したことを表現する
 思いついたことをすぐに行動に移し、知り合いが増える機会があるでしょう。誕生数が3の場合、フラフラと落ち着きのない人生を歩むかもしれません。

●誕生月日数4 現実的な成果を出す
 目標を達成するために、単調な作業でも粘り強く繰り返す機会があるでしょう。誕生数が4の場合、働き過ぎによる心身の消耗に注意しましょう。

●誕生月日数5 自由気ままに行動する
 これまでの常識やしがらみを捨てて、刺激的なことを求める機会があるでしょう。誕生数が5の場合、常識から逸脱した、波乱万丈の人生になるかもしれません。

●誕生月日数6 後進を育成する
 子どもたちや後輩などを指導し、育てる機会があるでしょう。誕生数が6の場合、身内びいきが激しく、排他的になる可能性があります。

●誕生月日数7 1人で探求する
 周囲とは隔絶した空間で、専門性の高い事柄を1人で分析する機会があるでしょう。誕生数が7の場合、世捨て人のような人生を歩むかもしれません。

●誕生月日数8 ビジネスで成功する
 大きな組織から離れて、独力で仕事を成功させる機会があるでしょう。誕生数が8の場合、家族や身近な人が目に入らず、お金や物に固執するかもしれません。

●誕生月日数9 理想の世界を表現する
 農薬を使わないオーガニックな食事や、自分のコンセプトで選んだ小物の収集など、自分独自の世界観を表現した生活を送る機会があるでしょう。誕生数が8の場合、その生活にはまりすぎて、周囲がついていけないかもしれません。

●誕生月日数11 勘で行動する
 「これは!」とひらめくシーンが増えて、直感に従って行動する機会があるでしょう。誕生数が11の場合、オカルトやスピリチュアルなどへの興味が強くなる可能性があります。

●誕生月日数22 支配的な立場を取る
 人々の中心的な役割を負って、周囲を動かす機会があるでしょう。誕生数が22の場合、敵が多い状態になるかもしれません。

●誕生月日数33 周囲の人に奉仕する
 無償で人助けをしたり、ボランティア活動をしたりする機会があるでしょう。誕生数が33の場合、金銭的に苦しい状態になるかもしれません。


性格と生き方のギャップに
自分自身が戸惑うことも

 [「誕生日数」「名前数」で性格を知る]の項目で書きましたが、誕生数占いでは行動と性格を分けて考えます。
 さらに、子どもの頃は、家族関係や生活環境、周囲の対応などで引き出された行動が、いわゆる「性格」の判断材料になりがちです。この「性格」を、ここでは「パーソナリティー」と表記しましょう。
 例えば、体育会系の両親を持つと、子どもも幼い頃からサッカーや野球などのスポーツチームに入る傾向があります。チームでは大声を出したり、仲間と連携したりすることを求められます。すると、子どもの声も大きくなり、仲間を行動を共にするので、「活発でガッツがあり、協調性もある」と周囲から評価されやすいでしょう。
 やがて成長し、両親との心理的な距離が離れてくると、スポーツはそこそこで、1人で楽しそうに本を読んでいる姿を目にするかもしれません。
 誕生数占いでは、「活発でガッツがあり、協調性もある」というのはパーソナリティーで、1人を好むのが本来の性格と考えるのです。
 両親や生活環境などの影響が強く継続すれば、人生の中で本来の性格が表面に出てくる時間はほとんどないかもしれません。
 また、孤独を愛しながらも、人助けのために尽力し、そのことで自分が成長したと感じられ、充実感が得られる、そんな人生もあるでしょう。性格と生き方の違いに、自分自身も戸惑うかもしれません。
 ここで、深瀬慧さんの数字を見てみましょう。
◇誕生数 1
◇誕生日数 4
◇名前数 1
◇誕生月日数 5
 深瀬慧さんについては、常識を重んじながらも、自分が正しいと思ったことは周囲に強く訴えかける性格と読み解きます。あるいは、自分が正しさを主張しながら、その正しさを示すために、地道に努力するとも読めるでしょう。
 普段が責任感が強くて堅実な分、ときには羽目を外して、気ままで自分の思いどおりに動きたくなるときがあるでしょう。周囲はアッと驚くでしょうが、実は自分も驚いています。

 そうした経験を踏まえ、慣習となってしまったことを打ち破って、今を新しく変えていく活動をし、たとえ孤立しても革新の道を進むでしょう。
 筆者はセカイノオワリの音楽は好きですが、まったく深瀬慧さん本人について知らないので、あくまでも誕生数占いでの解釈です。

過去の評価とは別の観点で
性格・生き方をとらえる

 私たち、人間は多面的な生き物です。長い人生の中で、パーソナリティーのままで生きるのが苦しくなったり、行き詰まったり、また、自分や周囲からの評価に対して、違和感を抱くすることもあるでしょう。自己評価も、パーソナリティーをもとに分析するので、あてにならない場合があるのです。
 そんなときに、家族関係や生活環境、周囲の対応などとは無関係の誕生数占いは、自分を把握するうえで、まったく新しい観点を与えます。
 もう1つ、家族、特に子どもとの関係においても、誕生数占いは有効に機能すると思います。私たちは、「私が○○だったから、子どもも○○」という具合に、自分の子どもをつい自分と同一視しがちではないでしょうか。顔や体つきで似ている点が多く、「遺伝」として一見科学的・論理的な説明もしやすいからです(「遺伝」については、現実的にはまだよく分かっていない)。

 誕生数占いを行う意義は、「親と子は表面的に似ていたとしても、性格も、生きるテーマも異なる」と自覚すること。違いが分かれば、お互いを認め合う余裕も生まれると考えます。
 性格と生きるテーマに、優劣や善悪はありません。
 資本主義の競争社会の中では、勝ち負けという価値観が強いので、受験・就職試験で受かった、お金をたくさん稼いだという現象が「勝ち」で「優れている」と一般にとらえられるでしょう。
 こうした価値観とは異なる角度で自分と周囲の人を見つめ直すために、誕生数占いを利用してほしいと願っています。

 他人と自分を比較したり、性質・資質を決めつけたりするのではなく、互いの違いを認めて自分を生かすこと。それが占う目的です。

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誕生数占い 「誕生日数」「名前数」で性格を知る

行動と性格は
分けて考える

 誕生数占いで基本的な性格を知る道しるべとなるのが、「誕生日」と「名前数」です。
 一般に、私たちの行動は性格によって左右されていると思われていますが、誕生数占いでは少し異なります。行動の原動力となるのは、行動した後に起こった結果だと考えるからです。例を挙げると、子どもが大声で泣くのは、寂しがり屋だからとは限らず、周囲の大人が注目するという「結果」を求めるからとするわけです。周囲に誰もいなければ、子どもは「泣く」という行動をしなかった可能性は高いでしょう。
 行動は、家族関係や生活環境、周囲の対応などの影響を大きく受けます。
 行動と切り離して性格を類推するのが、誕生数占いの目的の1つです。
 案外、自分自身の性格について、行動に対する周囲の評価をもとに思い込んでいる場合は多いものです。それとは違う角度から、性格をとらえ直す作業を行うと、新しい発見があるでしょう。
 「誕生日数」は簡単にわかるのですが、「名前数」にはいくつかの手順が必要となります。

○誕生日数の計算

生まれた年(西暦)、生まれた月、生まれた日
□□□□年 ○○月 ▽▽日

▽+▽=△△
※▽▽が11、22のときは、計算をしない→11、22が誕生日数

→△+△=◎ →1ケタの◎の数字が誕生日数

※例 セカイノオワリの深瀬慧さん
1985年10月13日

1+3=4 →4が誕生日数

○名前数の計算

(1)自分の名前をヘボン式のローマ字で表記します。
以下がとても参考になります。
https://www.japannet.jp/ca/procedure/apply/hebon.pdf

※例 フカセサトシさんの場合→fukase satoshi

(2)アルファベットを、以下の図表を見ながら、数字に置き換えます。

1 2 3 4 5 6 7 8 9

a b c d e f g h i
j k l m n o p q r
s t u v w x y z


※例 fukase satoshi→6 3 2 1 1 5 1 1 2 6 1 8 9

(3)置き換えた数字をすべて足します。

※例 6+3+2+1+1+5+1+1+2+6+1+8+9=46

(4)(3)の数字が11、22、33の場合は、名前数の計算は終了。そうでない場合は、1ケタになるまで足し算をします。

※例 4+6=10→1+0=1 →1が名前数


 「誕生日数」と「名前数」を組み合わせた表に、性格の傾向をざっくりと示しました。

Hyou

 「誕生数」も「誕生日数」「名前数」も、数字が意味していることは同じです。性格を詳細に類推する場合は、「誕生数」のページで書いた数字の意味も考慮してください。
 同じ数字が複数回現れた場合は、数字の意味が強化されて、極端な方向に振れている可能性があります。誕生数が1、誕生日数が4、名前数が1の深瀬慧さんは、性格的にも、人生のテーマでも「革新」がキーワードになりそうです。そこに4という「完全」が影響を与えます。
 勝手に深瀬慧さんを類推するのは、次の「誕生月日数」も計算してからにしましょう。

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