カテゴリー「書籍・雑誌」の22件の記事

人間は今も昔も変わらないのかな??  『古い医術について 他八篇』ヒポクラテス

○技術について 第一節
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 諸々の技術を誹謗するための技術を作ったところの人々がある。
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 医学の教科書に書いていないような、新しいさまざまな治療法に対して、「そんなの効くはずがない」「おかしい」とおとしめるようなことを言うのがとても上手な人がいますよね。さも論理的な雰囲気で。
 そんな人々は「別に、新しいことを否定するつもりはないよ。ただ、医学をよくわかっていないみたいだからさ」などと自分の医学的な知識を教えようとしていると思い込んでいるとヒポクラテスは語っています。

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 これに反していかがわしい言葉の技術によって、他人の発見の結果を誹謗することにいっしょうけんめいになり、進歩は何らもたらさずに、学識ある人々の発見を学識のない人々に向かって誹謗して見せるのは、けっして人知の欲求でも課題でもなく、けがれた根性の徴しもしくは技術の欠如である。
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 新しい発見をしようとするのは私たちの欲求であり、課題であるとヒポクラテスは語ります。それにもかかわらず、粗探しばかり行っている人は、自分に新しい発見をするだけの技術がなく、実力もないのに名声ばかり求めているわけですね。

○医師の心得 第一節
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 経る時の中に機会は含まれている。しかし機会は長い時を含んではいない。治療は時の経過による、しかし機会によることもある。しかし医療は、このことを知りながらもあらかじめもっともらしい理説を頼りにこれを行うのではなく、実地に理説を配しながら行うのでなければならない。
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 時間は絶え間なく過去から未来へと流れていき、その中の一瞬だけチャンスが訪れます。
 病気は長い時間をかけて治っていくこともあれば、あるタイミングで治ってしまうこともあります。「この病気は治るのに時間がかかると教科書に書いてあったから」と学説だけをもとにするのではなく、患者さんの変化を観察しながら学説を参考にして治療を行いなさいとヒポクラテスは語っています。
 学説などに頼って治療を行うと、治療は行き詰まり、罪のない患者さんに迷惑がかかるわけです。

○医師の心得 第二節
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 しかし言葉の上だけでなされた結論からは何ら益も得られない。益は事実の明証にもとづく結論から得られる。饒舌による強弁は欺きやすく、あてにならない。それゆえいやしくも安定さと、我々が医術と称しているところのあの間違いなさの域に到達しようと欲するならば、われわれは終始事物の生成の概括化に努め、事実への密着に努めなければならない。
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 口ばっかりで理屈をこねくり回すよりも、事実をしっかりと観察しなさいとヒポクラテスは語っています。
 ヒポクラテスが活躍した思われる紀元前400年頃と現在とでは、状況はあまり変わっていないように私は感じました。
 口ばっかりの人は、自分の知らないことを否定するのが上手ですからね。

 ヒポクラテスの誓いよりも医師の心得のほうが私が共感し、納得した文章がたくさんありました。

 教科書に書かれていないこと、論文で発表されていないことは、スルーしたり「根拠がない」と否定したりする傾向がどの分野でもあると思います。
 では根拠とされる論文はどうやって書かれているのでしょうか。

 私が駆け出しの編集者だった頃、ある有名大学の歯学部の教授に取材に行きました。教授が発表された論文に関して、記事を作りたかったからです。
 取材の場で、教授にあいさつして論文の内容を聞き始めると、「ちょっと待ってね。○○君!」と若手を呼び寄せました。「はい、全部彼に聞いてね」と教授はニコニコ。教授も同席して取材を進め、原稿はその教授の名前で掲載しました。
 後でわかったのですが、教授は名前だけ貸しているような状態が多いのだそうです。学会で力を持っているような教授の名前で論文を出したほうが、認められやすいのだとか。
 『ドクターX』や『マスターキートン』でも、大学や論文発表について描かれていますね。

 根拠とは学説や論文の引用ではなく、目の前で起こっている現象であり、それが偶然か必然かを確かめる観察の積み重ねだと思った次第です。
 人間は昔も今も変わらないというのか、歴史は繰り返すというのか、古典を読む大切さを実感しました。

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医師の世界の派閥争いや治療方針の理不尽な決め方、無駄な忙しさゆえの情報不足

『傷はぜったい消毒するな』(書/夏井睦 光文社文庫)を3回ほど読み直しました。
この本については、サブタイトルの「生態系としての皮膚の科学」について書かれているため、湿潤療法を詳しく知りたい場合は『キズ・ヤケドは消毒してはいけない』(書/夏井睦 主婦の友社)をお勧めします。

『傷はぜったい消毒するな』「はじめに」の一文を紹介します。
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普段何気なくしていることや、皆がしているので特に気にせずにやっていることの中には、よく考えてみるとなぜそれをしてるのかわからないものが結構ある。
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この本で印象的だったのが、夏井医師が外科から形成外科に移ったときに「外科の非常識」が「形成外科では常識」だったこと。
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例えば、外科では抜糸をするまで傷は絶対に濡らすなと教えられていたが、形成外科では手の手術後は翌日から消毒薬を入れた水道水で手術創を洗うのだ。
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また皮膚科は非常に古い歴史があり、「皮膚科は軟膏で治療」「軟膏で治療するのが皮膚科」という常識があると推論されています。
そのため、軟膏を塗っても治らない症状は「慢性湿疹」と名付けられ、治らない病気だから治らなくて当たり前で、治療法や薬はおかしいとは感じなくなるし(結果として治らないのは患者のせいにする)、新しい発想も生まれないと書かれていました。

人気ドラマの『ドクターX ~外科医・大門未知子~』でも、上記のような医師同士のやり取りはおもしろおかしく描かれていました。脚本家の中園ミホさんは“取材の中園”と呼ばれているようで、医師の世界には派閥争いや治療方針の理不尽な決め方、無駄な忙しさゆえの情報不足は実際にあるのでしょう。

現在、『傷はぜったい消毒するな』第11章の11~13を読み返しています。
自分が『ふろに入らないほうが美肌になる』の第1章に書いたことと関係が深く、しかも夏井医師が臨床医で専門家としての目で解説されています。
角層の傷と表皮以下の傷について、もう少し調べてブログに書ければいいなあと思っています。

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ペンタブレット導入

筋トレを図解したいと思って、ペンタブレットを購入しました。

それで描いたのがこれ。
Photo_2
画力はまだまだですが、ポーズぐらいはわかるでしょうかね……
これを描いただけで、肩がえらくこりました。

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本題からそれますが、アレルギーについて

あとがき 本題からそれますが、アレルギーについて

 慢性的な症状の原因は、日常生活の習慣にあります。
 皮膚のトラブルについては、洗い過ぎともう一つ、アレルギーが原因として挙げられます。「洗わない」スキンケアという本のテーマからそれるので、アレルギーについてはあとがきで書くことにしました。
 ダニやペットの皮膚、卵・牛乳・小麦粉などの食品によるアレルギーで、湿疹やかゆみが現れることはよく知られています。一方、植物によるアレルギーが見落とされがちなのです。
 部屋に観葉植物をたくさん飾ると、おしゃれで癒される感じがするでしょう。ところが、葉にホコリがたまらないように拭いたり、枯れた葉を取り除いたりして植物に触れていると、かゆみなどが引き起こされる場合があります。
 「植物は自然で安全」というイメージを多くの人が抱いているようで、観葉植物が皮膚のアレルギー症状を招いているとは思っていません。そのため、観葉植物の手入れを続けて、症状が長引いてしまうのです。
 同じ植物を触っても、アレルギー症状が起こる人と起こらない人がいます。ほかの家族は平気でも、自分一人だけが過敏に反応する場合もあるでしょう。。
 植物によるアレルギーに思い当たったら、まずはすべての観葉植物を撤去しましょう。そして1種類ずつ観葉植物を部屋に置いて、アレルギー反応が起こるかどうか自分の体で確かめます。かぶれやかゆみといったアレルギー反応が出た観葉植物だけ処分するといいでしょう。また、皮膚科でアレルギー検査を受けることもできます。

 治療を受け続けたり、薬を使い続けたりしても症状が改善しないときに、私たちは落胆してしまいます。「一生治らないのではないか」と将来に希望が持てなくなるかもしれません。
 しかし、症状を引き起こしているのが普段の生活習慣で、案外簡単に原因を取り除ける可能性もあるのです。

 大切なのは、選択肢を増やすこと。
 自分の生活習慣を徹底的に見直すと同時に、世界にも目を向けると、症状を改善するために自分ができることは見つかるはずです。
 
 そして、スキンケアをはじめとした健康法は「日本人の99%に効いた」ことよりも、「自分は99%に含まれているか、それとも残りの1%なのか」のほうが重要です。また「AとBのどちらが正しいか」よりも、「自分に効果があるのはどちらなのか」のほうが重要でしょう。
 自分に効果があるかどうかは、試してみなければわかりません。確率や論理性を頭で考えるのは必要ですが、それだけでは目の前の現実はなにも変わらないでしょう。
 行動して、自分の体で検証することが症状を改善させるのです。

 ただ、次のような健康法は、選択肢から外したほうがいいでしょう。
●「これさえ行っていれば大丈夫」「どんな病気や症状にも効く」などと言われている
●実行するために必要となる金額が非常に高い
 特に注意したいのが後者のお金。私たちは高いお金を払ってしまうと、「その分、なんとか元を取りたい」という思いが湧いてくるものです。健康法については体にあまり変化がなくても、経済的観念で「高いから効くはず」などと思い込もうとするのです。体と頭がバラバラの状態で、冷静に検証できません。

 「洗わない」スキンケアについては、お金がかかりません。乾燥肌に悩む方々が検証して、効果を確かめていただければと願っています。
 最後に、娘が保育園を卒園するときに製作した文集の「お母さんの好きなところは?」という項目で、「ガザガザの手」と娘は答えていました。現在の私の手はひび割れるほど荒れてはいませんが、いつも乾燥しています。手をつなぐとき、娘はそれが気持ちいいのだそうです。ガザガザの手でも、悪いことばかりではありません。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート5 大人のスキンケア

パート5 大人のスキンケア
 ガサガサした部分やニキビをメイクで隠そうとすると、触る頻度が高くなり、皮膚のバリア機能を低下させます。自分が気になるところをカバーをするのではなく、気に入っているところ・自信があるところを目立たせるようなメイクをするといいでしょう。
 コスメ選びで重要なのは、落としやすい点。リキッドやクリーム状ではなくパウダーを選びましょう。

乾燥肌・敏感肌の場合のメイクの選び方
 気になる部分をカバーするのではなく、目や唇などのポイントを目立たせる
 植物由来の化粧品やスキンケア用品も化学物質であり、皮膚を刺激するので、使用を控える
 皮膚にとってメイクは大気中のホコリと同様に汚れなので、「崩れにくい」「化粧直しがいらない」などとうたった商品は「皮膚からはがれにくい化学物質のホコリ」ととらえて使用を控える
 登山や海水浴など、紫外線を浴び続けるとき以外は、紫外線を跳ね返すパウダーファンデーションを、下地なしで皮膚にはたく

 目元や口元が目立つと、相対的にあごやほおは目立たなくなります。気になる部分にコンシーラーやファンデーションを厚く塗るのではなく、自分の魅力を一層アップさせるポイントメイクを行いましょう。そうすれば、トラブルのある部分への刺激が減らせます。
 パート2に書きましたが、植物由来の化粧品は重大なアレルギーを引き起こす可能性があります。加えて、民間療法的に使われてきたカミツレなどのハーブも、煎じ汁(お茶)と抽出エキスとでは別物です。化粧品に使われているエキスではアルコールや酵素反応などによって抽出されているので、特定の成分だけ高濃度であるなどのケースがあるからです。敏感肌の人はできるだけ化粧品を使わないようにし、皮膚のバリア機能を取り戻すことが大事です。
 皮膚にとっては、コスメもホコリも同じ汚れ。「崩れにくい」「化粧直しがいらない」というコスメは、頑固な汚れなのです。当然、頑固な汚れを落とすには強力な洗浄剤、つまりはクレンジング剤を使うことになり、皮膚への刺激が強まります。同窓会やパーティーなど特別な日以外は、パウダーをはたく程度にしましょう。顔を洗わなければ皮脂があるので、下地クリームは不要です。
 紫外線の害である光老化を防ぐため、日焼け止めを常用している人は多いでしょう。皮膚科医が日焼け止めの使い方を指導していたのですが、1回で使う量は500円玉大。これを皮膚に載せて伸ばすのですが、顔が白浮きします。白浮きを解消しようとなじませる結果、皮膚をこすってしまうことになるのです。
 登山やゴルフ、海水浴など、屋外で長時間過ごすときは日焼け止めが必要ですが、買い物や通勤程度なら、つばの広い帽子とパウダーファンデーションで十分に紫外線をカットできます。
 角層は、皮膚の奥にある真皮などを紫外線から守る働きもしています。皮膚をこすらないほうが、紫外線によるダメージを防げるのです。

 

ニキビができたときのスキンケア
 ニキビをカバーするのではなく、目や唇などのポイントを目立たせる
 マスクは、皮膚に摩擦が生じ、炎症が悪化するので避ける
 ストレスがあると皮膚を洗う・かく行為を招き、炎症が起こりやすくなることを再確認する

 パート4の思春期のニキビとは違って、角層の乾燥が原因になりやすいものです。角層には適度の水分が含まれているのですが、この水分は自分では気づかないような汗(不感蒸泄)によるものです。
 ○ページでティッシュペーパーを例に角層を説明しますが、間違って洗濯したティッシュペーパーが乾くと、硬く丸まって1枚ずつはがれないものです。角層も同様に、一度濡れてから乾くと、古くなった細胞がアカとしてはがれ落ちにくくなるのです。その結果、角層が分厚くなり、汗が表面まで届かなくなって、角層が乾燥して縮こまってしまいます。毛穴も縮むので、ホコリやアカが詰まり、皮脂が毛穴の中にたまってニキビができます。
 仕事や対人関係などで悩むと、無意識のうちに皮膚を洗ったりかいたりしやすくなります。また、髪の毛や眉毛を抜いたり、唇の皮むけや爪のささくれをいじって引っ張ったりする例もありました。皮膚は 「肌は内臓を映す鏡」であると同時に、「心を映す鏡」です。ニキビは、内臓と心が休憩を求めるサインなのかもしれません。


手荒れのスキンケア
 ひび割れなどができた場合は、寝る前に割れた部分だけにワセリンを塗ってラップで覆うと傷がふさがりやすい
 手を水やお湯で濡らす回数を、できるだけ減らす(ゴム手袋やポリエチレン手袋などを利用)
 紙(本や雑誌も含む)や乾いた洗濯物を手で扱うときは、ワセリンを塗ってから綿手袋などをはめる
 手を洗った回数をスマートフォンや手帳などに記録する

 手荒れで最優先するのは、あかぎれやひび割れなど傷のケアです。傷があると細菌感染しやすいうえ、痛みによるストレスで末梢血管の血流が阻害されて、皮膚の状態はどんどん悪化します。保湿などは後回しにして、傷をふさぐケアをしましょう。
 傷を早く治すのが、「湿潤療法」です。使用するのはワセリンと傷の大きさに切ったラップ、医療用のテープです。テープは安いものでかまいません。
 まず傷を水道水で洗い、タオルで水気をよく吸い取ります。ラップにワセリンを少量塗り、傷にかぶせたら、テープで固定します。テープがはがれやすいのですが、そのたびに貼り直しましょう。面倒なら寝る前だけ湿潤療法を行います。傷の深さにもよりますが、一晩で傷がくっついてふさがるでしょう。
 傷への刺激と乾燥を避けるために、手をできるだけ濡らさないようにします。
 また、紙や布は、皮膚の水分を奪って乾燥させるだけでなく、角層をこすってダメージを与えます。手が荒れているときは、本を読む前や洗濯物を畳む前は、手にワセリンを塗って綿手袋をはめましょう。しばらく不便でしょうが、角層のバリア機能を取り戻せば、手袋などは不要になります。
 手を濡らすような仕事や家事をあまり行っていないのに手が荒れている場合は、無意識のうちに洗い過ぎている可能性が高いでしょう。一度手を石けんで洗ってハンカチで拭いたのに、数秒後にまた手を洗っているというような行動を取るケースもあります。なにかしらのストレスがかかっているかもしれません。手を洗った回数を記録したり、手を洗う行動を意識したりすることで、手洗いを抑制できます。ハンドクリームを何度も塗るよりも、自分の行動に注意を向けましょう。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート4 思春期のスキンケア

パート4 思春期のスキンケア
 大人の想像以上に、思春期の子どもたちは人間関係などで葛藤があるものです。葛藤を抱くのは成長の一つの過程として必要なことかもしれません。ただ、心理的な負担が大きくなり過ぎると皮膚に悪影響が現れます。
 洗わない・こすらないスキンケアは大事ですが、それを大人が押し付けることは難しいので、なぜ大事なのかを説明をする必要があるでしょう。

ニキビができたときのスキンケア
 皮脂の分泌について、年齢のよる変化やストレスとの関係を子どもに説明する→○ページ参照
 基本の「洗わない」スキンケアについて、やり方と理由を子どもに説明する
 マスクで隠すとニキビが悪化することを伝える
 髪の刺激が炎症を悪化させるので、できるだけ皮膚に髪が接触しない髪型にする
 ニキビを気にして触り過ぎたり、洗顔剤を使い過ぎたりしないように、皮膚のバリア機能を子どもに説明する
 睡眠の重要性を子どもに説明する

 日本人の9割近くが思春期にニキビを経験すると言われているようです。そして、一時的に悪化しても、たいてい自然に治っています。
 治らない原因が、ニキビを気にし過ぎること。洗えば皮脂が落ちてニキビも消えると思い込んでいたり、気になって触り過ぎたりして、皮膚を刺激して、いつまでたってもニキビが解消しないわけです。
 マスクでニキビを隠すと、あごやほおなどニキビの患部がマスクの繊維で刺激を受けます。隠そうとする行為は、ニキビの悪化につながるのです。
 もう一つ、受験や人間関係のストレスで、皮脂の分泌が過剰になっている可能性があります。
 ちなみに、チョコレートやナッツがニキビを悪化させるとよく言われますが、明確な因果関係はないそうです。ですから、「大好物のチョコレートをつい食べてしまったから、ニキビが悪化してしまう」と、過ぎてしまった行動に心を痛める必要はありません。むしろ、チョコレートやナッツをドカ食いする背景としてのストレスのほうが問題です。
 思春期の悩みには、アドラー心理学を本人が学ぶことが効果的だと私は考えています。ニキビを通して、ありのままの自分を受け入れるというのはどういうことか、感情とは何かを学べるでしょう。


体臭に対するスキンケア
 「自己臭恐怖症」という病気があることを子どもに説明する
 スポーツなどでたくさん汗をかいて、38℃のお湯で石けんを使わずに体を洗い流す習慣をつける
 ぬるいドクダミ茶でかかり湯をする

 腋臭症(わきが)の罹患率は調べ切れなかったのですが、一般に日本人は少ないと言われています。しかし、自分の体臭など臭いを気にする日本人はかなり多いのでしょう。制汗剤のテレビコマーシャルなどが頻繁に流れています。
 一緒に暮らす家族が気になるような体臭を思春期の子どもが発しているときは、専門医を受診したほうがいいでしょう。
 しかし、家族も気づかないような体臭で悩んだり、頻繁にシャワーを浴びたり、大量に洗浄料や制汗剤を使っていたりする場合は、要注意です。洗い過ぎや化学物質によって皮膚のバリア機能が落ち、肌荒れやかゆみを引き起こすことがあるからです。
 自己臭恐怖症(自臭症)とは、実際に体臭や口臭はないのに、「自分のにおいのせいで周りに嫌われているのではないか」などと感じてしまう症状です。きっかけは「くさい」と言われたことや話している相手が鼻を押さえたことなどで、周囲はからかったり鼻を触ったりしただけなのに、本人が深刻に受け止めて自分のにおいに過敏になるケースが多いようです。
 自己臭恐怖症が悪化すると、精神科での治療が必要になります。まだ軽度の場合は、本人に「自己臭恐怖症について悩んでいる人が多いと言われている」と症状についての説明をしてみましょう。「気にしすぎだよ」という言葉は、悩んでいる本人にとっては気休めにもならないので、かけないようにします。
 そのうえで、スポーツなどでたくさん汗をかかせて、出てきてすぐの汗のにおいを本人にかがせてください。体から出てきたばかりの汗が臭くないこと、時間がたつことで皮膚に棲む細菌が汗を分解してにおいが発生することを、説明しましょう。

 汗をかく意義はもう一つあります。体をたくさん動かしてエネルギーを消費させ、悩むエネルギーを残さないことです。スポーツでなくても自転車で遠出したり、全身を動かすゲームをしたり、どんな形でもいいのでエネルギーを体で発散させましょう。
 また、歴史のある民間療法として、ドクダミ茶を私はお勧めします。民間療法を敬遠する人も多いのですが、長い歴史の中で残ってきた療法は、ある意味、大量の人体実験が行われてきた結果として選ばれ、残ってきたものです。ドクダミは3~4世紀頃に中国で作られた『名医別録』という薬草書に記載され、ドクダミ茶は消毒・消炎剤として外用されていたようです。また、いわゆるデトックス作用があるということで、日本では飲用されてきました。ドクダミは日陰の道端に生えている草なので、自分で乾燥させて茶葉を作ればお金はかかりません。においが気になるところにドクダミ茶をかけたり、ドクダミ茶を飲んだりするといいでしょう。
 においは皮膚よりも布に付着しやすいものです。時間がたった汗のにおいはアンモニア臭でアルカリ性なので、クエン酸で中和させます。水200mlに対しクエン酸を小さじ1杯の割合で薄め、汗でにおう衣類などを漬けておきましょう。クエン酸がなければ、酢でもかまいません。洗濯機で洗剤を使って洗う前に、衣類は簡単に水洗いします。
 自分の体が臭いわけではなく、服が臭いことを認識するための作業として、衣類を子ども本人が洗うことをお勧めします。ドクダミをつんできてお茶を作る、衣類を洗うなど、なにかの作業に没頭すると、心が無になるというのでしょうか、ストレスの影響を受けにくくなります。

 

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』パート2・3

パート2 赤ちゃんのスキンケア

 つるつるの皮膚を「赤ちゃん肌」などと呼ぶこともありますが、実際の赤ちゃんは皮膚が弱く、トラブルだらけ。ニキビに始まり、脂漏性湿疹、あせも、おむつかぶれなど、湿疹との戦いです。
 しかし、薬による治療の有無を問わず、1歳になる頃に見違えるほど湿疹が消えていきます。そして皮膚の弱い赤ちゃんでも、元気に外で遊んでいれば、就学する頃には見違えるほどきれいな皮膚になってきます。
 真っ赤に腫れた赤ちゃんの皮膚を見るのは、親にとって痛々しいと同時に恥ずかしさも感じるのではないでしょうか。「かわいそう」などといった周囲の言葉に傷つくこともあるでしょう。
 ただ、それは大人が気にしているだけ。赤ちゃんが機嫌よく過ごしているのなら、薬や保湿剤を塗ったり、頻繁な皮膚科通いで時間を割いたり、遊びを制限したりする必要はないのです。
 むしろ、皮膚を濡らしたり、薬や保湿剤を塗るときに皮膚に触ったりすることが、赤ちゃんの角層を弱らせて、トラブルを招くことになるでしょう。加えて、赤ちゃんの衣類をきれいに洗いたいからと、洗濯で洗剤や石けんをたくさん使うと、繊維に残った洗浄成分が皮膚を刺激します。洗剤や石けんは規定量の半分、もしくは使わずに、衣類を洗いましょう。
 皮膚科医の中には、「3つ子の魂と言うが、皮膚も3歳くらいまでに治しておかないと、大人になってもトラブルが続く」というようなことを言う人がいます。この件について調べましたが、あるアメリカの医師が言ったという程度で、「3つ子の魂」と同様、根拠はありませんでした。
 小学校に入るまで、元気に遊ばせながら皮膚の成長を待つ。そんな気持ちで、スキンケアを行いませんか。

ウンチをした後
 お尻に水をかけてウンチを洗い流し、コットンなどを押し当てて水気を吸い込ませる
 お尻拭きは、外出時など、使用を必要最低限にとどめる

 こする刺激をできるだけ避けるために、お尻拭きの使用は控えましょう。また、保湿成分が含まれるお尻拭きでおむつかぶれになる例が多いと、保育士から聞きました。保湿成分による刺激と、おむつ内の蒸れが原因と考えられます。おむつかぶれができたときは、お尻拭きを使わないほうがいいでしょう。
 なお、口の周りや手の汚れなども、水をかけて洗い流し、タオルを押し当てて水気を吸い込ませると、こする刺激を減らせます。


おふろ
 お湯に全身を漬けるのは、週2回以下、1回につき3分適度にとどめる
 湯船やシャワーのお湯の温度は、38℃にする
 手のひらでなでるように体を洗い、ガーゼタオルやスポンジなどを使わない
 シワが寄っているところ、例えば首、わき、ひじ、おなか、また、ひざ、足の指の間などを、手のひらで丁寧に洗う
 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を吸い込ませる。タオルで皮膚をこすらない
 赤ちゃんがかいている部分だけに保湿剤(ワセリンが望ましい)を塗る。塗った後もかゆがるようならば、ほかの保湿剤に切り替える

 お母さんのおなかで、羊水の中にいた赤ちゃん。皮膚がまだ外部の環境に慣れていないので、できるだけ刺激しないことが重要です。
 羊水の温度が約38℃という点で、湯船やシャワーのお湯の温度も同じぐらいにしましょう。大人が入浴する40℃ぐらいのお湯だと、角層の脂質がお湯に溶け出して、バリア機能が低下します。
 沐浴でガーゼタオルを使用するように産院では指導されますが、赤ちゃんの皮膚をこすることになるので避けましょう。大人の手のひらで、赤ちゃんの体でシワが寄っている部分にお湯をかけて、シワに入り込んだホコリなどを取り除きます。
 赤ちゃんの皮膚にホホバオイルなどのキャリアオイルを塗るのはやめましょう。キャリアオイルは皮膚へ浸透しやすく、赤ちゃんの皮膚にアレルギー症状が起こる可能性が高いと、アロマにたいへん詳しい看護師が話していました。
 40℃のおふろやキャリアオイルも、大人の皮膚には気持ちいいかもしれませんが、赤ちゃんの皮膚は角層が薄いのでトラブルの原因になります。
 保湿剤は、皮膚の表面を覆って水分の蒸発を防ぐワセリンが望ましいでしょう。保湿剤にはさまざまな商品があり、含有成分も違います。皮膚の状態が改善しない保湿剤は使い続けないようにしてください。


皮膚をかき始めたとき
 保冷剤で冷やす。冷やす時間は10分以内

 炎症でかゆみが生じているときは、患部の血流量が増えて腫れているような状態です。患部を温めるとさらに血流量が増えて、かゆみが悪化します。おふろ上がりにかゆくなりやすいのは、血流がよくなったことも一因です。
 皮膚をかき始めたら、速やかに冷やすと、かく行為が止まります。行為が止まったら冷やすのはやめて、一緒に遊んであげましょう。ケーキなどの保冷剤を5個ずつぐらい、冷蔵庫と冷凍庫に入れておくと便利です。程よく柔らかい保冷剤と、カチンカチンに凍った保冷剤を、基本や患部の形状に合わせて使い分けるといいでしょう。
 かゆみは数分で治まるはずです。長時間冷やすと、患部だけでなく周辺の血流も悪くなってしまうので、10分程度にとどめてください。

 
引っかき傷ができたとき
 傷にワセリンを薄く塗る

 傷をワセリンでカバーすると、傷口が早く閉じるでしょう。ワセリンを塗るときは、少量を指先に取り、傷にチョンチョン優しく押し当てるようにするとこすらずに済みます。ワセリンが塗りにくいときは、お母さんの手のひらに少量取り、もう片方の手の指でくるくると練りましょう。ワセリンが柔らかくなって、塗りやすくなります。ワセリンが多いと、ベトベトして不快なので、少ない量にしましょう。
 傷口が汚れている場合は、水道水でよく洗ってから、乾いたタオルを押し当てて水気を吸い取り、ワセリンを塗ります。



パート3 子どものスキンケア
 赤ちゃんから子どもへと成長する過程で、角層も少しずつ厚くなり、バリア機能が高くなってきます。とはいえ、大人よりも皮膚のトラブルは起こりやすい状態です。濡らさない・こすらないケアは、大人以上に大事です。
 大人の言葉や態度を理解できるようになったため、子どもなりのストレスが生まれます。大人の中でいちばん影響を与えるのは、身近にいる親です。たとえ見知らぬ人が「皮膚がカサカサでかわいそうね」などと子どもに声をかけても、親が平然としていれば、子どもはその言葉を重要視しません。親としてはグサッと傷つくこともあるでしょうが、どうか受け流してほしいと思います。
 皮膚はとても目につきやすいので、親としてはつい気になるでしょうが、子どもにはいっぱいいいところがあります。胃腸が丈夫・ユーモアがある・がんばり屋など、いいところをたくさん見つけて、「たくさん食べて、よく遊んで、元気だよね」などと子どもに話すといいでしょう。不思議と、親の気持ちも元気になってきます。
 

乾燥肌のスキンケア
 睡眠を重視し、規則正しい生活を送らせる
 見た目がガサガサしているだけで、本人がかゆみや痛みを訴えていなければ、保湿剤などを使用しない
 植物由来のスキンケア用品も化学物質であり、子どもの皮膚を刺激するので、使用を控える
 皮膚を洗わない理由について、子どもに平易な言葉で説明する
 塾や習い事などが子どもにとって心理的な負担になっていないかを見直す
 両親が「皮膚が汚い」「一生治らないのではないか」などの言葉を子どもに対して言わない
 両親は「必ず美肌になる」と口にする

 睡眠をしっかり取ることで、皮膚の細胞が修復されます。じゅうぶんな睡眠時間を確保しましょう。
 皮膚は見た目の美しさよりも、体を守るバリア機能を重視してください。子どもがかゆみなどを訴えていなければ、保湿剤を塗る必要はありません。保湿剤を塗る行為で皮膚をこすると、バリア機能を低下させます。
 よく見受けられる誤解として「石油由来のものは悪く、植物由来の物はよい」という考えがあります。「植物は体に優しい」というのはまったくの逆で、植物はいろいろな化学物質を作り出すから、注意が必要なのです。
 家庭菜園を行っている人は経験しているでしょうが、太陽光がたくさん当たって、虫に食われたサラダ菜は非常に苦く、スーパーで売られている物とは別物です。理由は、太陽光や虫から身を守るための物質を、サラダ菜が作り出しているからです。
 植物は、栽培されている条件などで含有する物質が変化します。ときには人間の体にとって害を及ぼしたり、強いアレルギー反応を引き起こしたりするので、子どもに植物由来のスキンケア用品を使うのは控えたほうがいいでしょう。
 体とともに心が発達し、ストレスも受けるようになります。洗わないスキンケアを行っても皮膚の症状が改善しないときは、塾や習い事も含めた生活を見直す必要があるかもしれません。子どもの皮膚にかまい過ぎていないかも、見直したほうがいいでしょう。
 大人、特に親が子どもに対して前向きな言葉をかけることは、治る力を引き出します。


皮膚をかき始めたとき
 保冷剤で冷やす。冷やす時間は10分以内

 子どもが皮膚をかいているときに、親が保冷剤で患部を冷やすと、そのうち自分で、かゆいときに冷やすようになります。
 「どうしてかくの?」「やめなさい」という親の疑問や命令では、子どものかく行為は止まらないでしょう。子ども自身、かく理由はわからないし、ただ怒られているだけなので、ストレスにしかなりません。逆効果です。
 親が保冷剤で冷やしてあげるときには、「皮膚を守ろうね」「大事、大事」と声をかけるといいでしょう。子どもに自分の皮膚を大事にしようという意識が生まれるはずです。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』 パート1 基本の「洗わない」スキンケア

パート1 基本の「洗わない」スキンケア

 皮膚のバリア機能を担う角層を守るために、濡らさない・こすらないことを重視しましょう。
 特に気を付けたいのは、入浴です。毎日入浴するという日本人の習慣は、世界の中では風変りかもしれません。「毎日入浴しなければ、髪や体がくさくなる」と思い込んでいる人も多いようですが、私が1週間試したときは、特に苦情を言われませんでした。自分自身が思っているほど、周囲の人が気にしていない可能性は高いでしょう。
 入浴は心身をリフレッシュする効果もありますが、皮膚のバリア機能は低下します。入浴後や睡眠中にかゆみ、炎症が起こったら、入浴でバリア機能が低下している可能性が非常に高いと言えます。洗い過ぎる習慣は改善しましょう



 1 基本的に顔は洗わない
 2 目ヤニやよだれなどがついている部分だけ、水か33℃以下のお湯で洗う
 3 汗などをかいて顔を洗いたいときには、水か33℃以下のお湯を使用し、水を顔にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない
 4 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない

 1・2は濡らさない、3・4はこすらないためのケアです。
 睡眠中に分泌される成長ホルモンには、昼間の活動で傷ついた細胞を修復させる働きを持っています。ですから、眠りから目覚めた朝の皮膚は、1日の中で最もよいコンディションにあるのです。
 また、夜に顔を洗った後、出歩いたりしていなければ、顔にホコリなどの汚れはついていません。
 目ヤニやよだれなどがついて汚れている部分、また汗で気持ち悪いときだけ洗いましょう。
 大人の女性の場合、朝の洗顔後に化粧水などをつけることが多いでしょう。しかし顔を洗わなければ、皮脂が落とされないので、乾燥や突っ張り感は起こりにくいはずです。化粧水などをつけると、皮膚に触れたり、化学物質を付着させたりして、ダメージを招く可能性があるので、できるだけ使わないほうがよいでしょう。



 1 基本的に顔は洗わない
 2 汗をかいて顔や体を洗うときには、水か33℃以下のお湯を使用し、水を顔や体にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない
 3 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない
 4 顔や手にかゆみやカサカサ、炎症が見られたら、洗った回数をスマートフォンや手帳などに記録する

 1・4は濡らさない、2・3はこすらないためのケアです。
 仕事や勉強などでストレスがかかると、つい顔を触ったり、何度も手を洗ったりする行為が引き起こされます。
 洗う行為については、回数を記録することで自覚ができます。「洗い過ぎかな」とわかると、洗う行為が自然と抑制されるでしょう。同時に、「どうして洗っちゃのかな」「なにがきっかけで洗うのかな」と考えることで、ストレスの原因も特定できるかもしれません。



 1 かゆみやカサカサ、炎症が見られたら、湯船に漬からない
 2 足の指の間を泡立てた石けんで洗う以外は、石けんを使わない
 3 体は手のひらでなでて洗う。スポンジやタオルなどを使わない
 4 髪を33℃以下のお湯で洗い、シャンプーで洗うのは週に2回まで、1回量は規定量の半分以下にとどめ、体にシャンプーが付着しないようにする
 5 薄毛が気になる場合は、髪をお湯やシャンプーで洗うときに頭皮を指でもむ。頭皮をこすらない
 6 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない
 7 髪を洗った後は、タオルを押し当てて水気を取った後、ドライヤーで乾かす。濡れた髪が顔や首など皮膚につかないようにする

 1・7は濡らさない、3・6はこすらないためのケアです。
 皮膚にかゆみやカサカサ、炎症が見られたら、湯船に漬からないようにしましょう。特におふろ上がりや睡眠中に症状が出るのは、お湯によって皮膚がダメージを受けている証拠。38℃以下のシャワーを浴びるか、シャワーもやめるようにします。
 石けんを使って洗うのは、足の指の間だけ。靴・靴下の中で、足の指は皮膚が重なり合って汚れがたまりやすく、白癬菌が感染しやすいためです。角層が傷つくと白癬菌が繁殖しやすくなるので、ゴシゴシとこすって洗わないようにします。
 髪の汚れもホコリと皮脂がメインで、焼肉屋で働いたり、ワックスなどのスタイリング剤を使っていない限り、33℃以下のお湯で落とせます。一般に、シャンプーに使われている洗浄成分は強力で、皮膚に付着すると皮脂を落としてしまいます。皮膚にトラブルがあるときは、シャンプーの使用を控えましょう。
 髪を洗うときに頭皮をこすると、生えたばかりの細い毛を抜き取ってしまいます。薄毛が気になる場合は、頭皮を押してもむように髪を洗います。
 髪が濡れっぱなしだと、顔や首なども濡れて、皮膚がもろくなります。ですから、速やかに乾かしましょう。 

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』 思春期の子どもたちへの説明

乾燥した陸上生活に
耐えられるように皮膚が進化

 「洗わない」スキンケアの重要性を語るために、まず、私たち人間も含めた陸上生物の皮膚の進化について説明しましょう。
 すでにご存じかもしれませんが、動物は魚類・両生類・は虫類・鳥類または哺乳類という順番で進化しました。魚類や両生類は水中で生活していたのですが、約3・6億年前に両生類が陸上に進出したのです。そのときに、体内の水分が蒸発してしまわないように、皮膚の最も表面に角層(角質層)ができました。
 角層は、水分の蒸発を防ぐだけでなく、紫外線や空気中の病原体が体に入ってくるのも防ぐバリア機能を果たしています。
 そして、毛がフサフサの犬や猫よりも、毛のない人間のほうが角層が厚く、その分バリア機能も強くなっています。
 人間の皮膚は、乾燥した陸上生活に耐えるように適応してきました。その一方で、水中など水に濡れる状況に人間の皮膚は耐えられないのです。

濡れるとふやけて
もろくなる

 角層を構成する角層細胞をティッシュペーパーにたとえると、角層はティッシュペーパーが何層にも重なったような状態で、体を守っています。
 ティッシュペーパーの層が厚くなるほど、体を守る力も強くなります。外界からの刺激や衝撃が強ければ、それに応じて、ティッシュペーパーがさらに積み重ねられます。足の裏や手のひらの皮膚が厚いのは、そのためです。
 最も外側にあるティッシュぺーパーは、刺激や衝撃を受けてボロボロになるので捨てられます。捨てられるペースに合わせて、新しいティッシュペーパーが補充される仕組みになっています。
 ティッシュペーパーは、乾燥した状態だとバラバラになりますね。ですから、ティッシュペーパーの間には程よく水分や脂分があり、お互いにくっついています。
 水分や脂分がなくなってしまうと、ティッシュペーパーどうしがはがれてしまいます。
 逆に脂分が多くなれば、ベタベタして、ホコリなどがつきやすくなります。
 最も困るのは水に濡れること。ティッシュペーパーがふやけてしまいます。

 ティッシュペーパーと同じように、角層細胞も濡れるとふやけて、もろくなるのです。

 さらに、ティッシュペーパーをたたいたり押したりしても破れませんが、引っ張るとピリッとすぐに破れます。角層も同様、たたく・押すという刺激よりも引っ張る力に弱いのです。


そもそも「清潔」とは
なんだろう

 私たち人間は、強靭な角層を持つように進化しましたが、角層を濡らし、こすって引っ張ると角層細胞がはがれ落ちてしまいます。こうして角層が薄くなると、体は「バリア機能が落ちたら困る」と、できるだけ早く角層細胞を作って補充します。
 急ぐと間違えやすくなるのは、学力テストも角層も同じ。短期間で作られた角層細胞は、通常のスピードで作られたものよりも欠陥が多く、本来のバリア機能が果たせません。

 角層のバリア機能が低下して、皮膚が乾燥し、紫外線や病原体を防げなくなって、かゆみや炎症が起こるわけです。見た目の面では、ニキビが腫れ上がる・ガサガサ・赤い・黒ずむなど、まったく清潔感はありません。

 皮膚を洗うときは、角層を水で濡らし、こすることはどうしても避けられません。ですから、できるだけ洗わないことが重要なのです。

 そもそも、「清潔」とは病原菌などが増殖しにくい状態を指すのではないでしょうか。
 皮膚を洗い過ぎれば、バリア機能が落ちて病原菌が入り込んだり増殖したりしやすいので、清潔とは言えないと私は思います。また、皮膚に傷ができてガサガサ・グジュグジュし、「清潔感」もないのです。

 日本のマスメディアは広告で成り立っていると言っても過言ではないでしょう。石けんや洗浄剤を扱っているメーカーは、テレビのゴールデンタイムに何本も広告を流すことができる資本を持った、大きな広告主です。広告主の意向に合わない情報を、マスメディアはなかなか流しません。その代わりに、「洗いなさい」「除菌しなさい」「抗菌効果があるものを使いなさい」というメッセージが、頻繁に発せられます。
 インターネットの情報も、よくよく読んでみると商品を売る目的で流されていることは少なくありません。

 これから大人になる人たちにお伝えしたいのは、情報を鵜呑みにしないこと。「前提を根底から疑う」という言葉は、あるデザイナーの受け売りですが、皮膚やデザインに限らずすべてのジャンルで大切です。
 私がお伝えする「洗わない」スキンケアについても、ご自分で試して、そのほかの情報と比較・検証し、継続するかどうかを決めていただければと思います。

 あともう1つ、「99%に効いた」などといった文言を耳にすることも多いでしょうが、統計についても疑いましょう。統計を取った条件を見ると、かなり偏っていたりするものです。それに、スキンケアをはじめとした健康法については、「99%に効いた」ことよりも、「自分は99%に含まれているか、それとも残りの1%なのか」のほうが重要です。確率的な正しさよりも、自分にとっての正しさを選択する気持ちでいてください。
 おもしろいことに、情報を比較・検証する習慣がつくと、勘がさえて「これは自分にとって正しい!」というひらめきがあるはずです。
 最後に、対人関係で悩みやすい時期にアルフレッド・アドラーの心理学は、皮膚の健康を守るうえでも非常に役立つと私は考えています。お勧めするのは『嫌われる勇気』(著/岸見 一郎 、古賀 史健 ダイヤモンド社)です。持って回ったような表現もあり、やや読みにくいかもしれませんが、ほかの自己啓発書を読む前に、ぜひ最初にこの本を読んでください。

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『「洗わない」スキンケア年代別ガイド』を作ります その2

パート1 基本の「洗わない」スキンケア
よく知られていることですが、タモリ、福山雅治、ローラといった著名人も石けんで体を洗っていないようです
皮膚のバリア機能を担う角層を守るために、濡らさない・こすらないことを重視します
ストレスケアで、入浴で心身をリフレッシュすることも大事ですが、洗い過ぎる習慣は改善しましょう
入浴後や睡眠中にかゆみ、炎症が起こったら、入浴で皮膚のバリア機能が低下していると認識しましょう



 基本的に顔は洗わない[濡らさない]
 目ヤニやよだれなどがついている部分だけ、水か32℃以下のお湯で洗う[濡らさない]
 顔を洗いたいときには、水か32℃以下のお湯を使用し、水を顔にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない[こすらない]
 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]


 基本的に顔は洗わない[濡らさない]
 汗をかいて顔や体を洗いたいときには、水か32℃以下のお湯を使用し、水を顔や体にかける程度で、手のひらなどでこすらない。石けんを使わない[こすらない]
 顔を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]
 顔や手にかゆみやカサカサ、炎症が見られたら、洗った回数をスマートフォンや手帳などに記録する[濡らさない][ストレスケア]


 前日のおふろ上がりや睡眠中に、かゆみやカサカサ、炎症が見られたら、湯船に漬からない[濡らさない]
 脇の下・また・足の指の間を、泡立てた石けんで洗う以外は、石けんを使わない→要説明
 体は手のひらで洗う。スポンジやタオルなどを使わない[こすらない]
 髪をシャンプーで洗うのは、週に2回までにとどめる→要説明
 薄毛が気になる場合は、髪をお湯やシャンプーで洗うときに頭皮を指でもむ。頭皮をこすらない→要説明(目に見える抜け毛よりも見えないほど細い毛を摩擦で抜き取るほうが問題が大きい)
 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]
 髪を洗った後は、タオルを押し当てて水気を取った後、ドライヤーで乾かす。濡れた髪が顔や首など皮膚につかないようにする[濡らさない]


パート2 赤ちゃんのスキンケア
皮膚の状態を気にしているのは赤ちゃん自身ですか? それともお父さんやお母さんですか?
赤ちゃんが機嫌よく過ごしているのなら、余計なケアは行わない
洗濯では洗剤が残るのを避けるため、洗いよりもすすぎを重視しましょう


ウンチをした後
 お尻に水をかけてウンチを洗い流し、コットンなどを押し当てて水気を取る[こすらない]
 お尻拭きは、外出時など、使用を必要最低限にとどめる[こすらない]

おふろ
 お湯に全身を漬けるのは、週2回以下、1回につき3分適度にとどめる[濡らさない]
 湯船やシャワーのお湯の温度は、38℃にする→要説明(羊水の温度、角層の厚さ)
 手のひらでなでるように体を洗い、ガーゼタオルやスポンジなどを使わない[こすらない]
 シワが寄っているところ、例えば首、わき、ひじ、おなか、また、ひざなどを、手のひらで丁寧に洗う→要説明
 足の指の間だけ、泡立てた石けんで洗う→要説明
 全身を拭くときは、タオルを押し当てて水気を取る。タオルで皮膚をこすらない[こすらない]
 赤ちゃんがかいている部分だけに保湿剤を塗る。塗った後もかゆがるようならば、ほかの保湿剤に切り替える→要説明(保湿剤の成分について)
 

パート3 子どものスキンケア
皮膚の状態を気にしているのは子ども自身ですか? それともお父さんやお母さんですか?
お父さん・お母さんが忙しすぎて、子どもに目が向いていないということはありませんか? あるいは、子どもの皮膚ばかりに目を向けていませんか?


乾燥肌のスキンケア
 睡眠を重視し、規則正しい生活を送らせる[ストレスケア]
 見た目がガサガサしているだけで、本人がかゆみや痛みを訴えていなければ、保湿剤などを使用しない[こすらない]
 両親が「皮膚が汚い」などの言葉を子どもに対して言わない[ストレスケア]
 両親は「必ず美肌になる」と口にするようにして、「一生治らないのではないか」などとは言わない[ストレスケア]
 皮膚を洗わない理由について、子どもに平易な言葉で説明する[濡らさない]
 植物由来のスキンケア用品も化学物質であり、子どもの皮膚を刺激するので、使用を控える→要説明
 子どもが皮膚をかいているときに「やめなさい」などと怒らず、かくと皮膚のバリア機能が壊れること、親として子どもの皮膚を大事に思っていることを伝える[ストレスケア]
 塾や習い事などが子どもにとって心理的な負担になっていないかを見直す[ストレスケア]
 

パート4 思春期のスキンケア
大人の想像以上に、思春期の子どもたちは葛藤を抱きやすいものです
スキンケアを大人が押し付けることは難しいので、説明をすることが大事でしょう


ニキビができたときのスキンケア
 日本人の 90 %以上が思春期にニキビを経験し、一時的に悪化しても、多くの場合が自然に治ると伝える[ストレスケア]→「90%」を要確認
 基本の「洗わない」スキンケアについて、やり方と理由を子どもに説明する[濡らさない]
 髪の刺激が炎症を悪化させるので、できるだけ皮膚に髪が接触しない髪型にする[こすらない]
 ニキビを気にして触り過ぎたり、洗顔剤を使い過ぎたりしないように、皮膚のバリア機能を子どもに説明する[ストレスケア]
 皮脂の分泌について、年齢のよる変化やストレスとの関係を子どもに説明する[ストレスケア]
 睡眠の重要性を子どもに説明する[ストレスケア]

体臭に対するスキンケア
 「自己臭恐怖症」という病気があることを子どもに説明する[ストレスケア]
 スポーツなどでたくさん汗をかいて、38℃のお湯で石けんを使わずに体を洗い流す習慣をつける→要説明
 靴は最低週1回は石けんで洗い、よく乾燥させる→要説明
 ドクダミ茶の足湯を試してみる→要説明(ドクダミの採取法、乾燥のしかた、薬効など)

パート5 大人のスキンケア
ガサガサもニキビ隠そうとすると、つい触ってしまい、皮膚のバリア機能を低下させます

乾燥肌・敏感肌の場合のメイクの選び方
 気になる部分をカバーするのではなく、目や唇などのポイントを目立たせる[こすらない]
 植物由来の化粧品やスキンケア用品も化学物質であり、皮膚を刺激するので、使用を控える→要説明
 皮膚にとってメイクは大気中のホコリと同様に汚れなので、「崩れにくい」「化粧直しがいらない」などとうたった商品は「皮膚からはがれにくい化学物質のホコリ」ととらえて使用を控える→要説明
 登山や海水浴など、紫外線を浴び続けるとき以外は、紫外線を跳ね返すパウダーファンデーションを、下地なしで皮膚にはたく[濡らさない]

ニキビができたときのスキンケア
 ストレスがあると皮膚を洗う・かく行為を招き、炎症が起こりやすくなることを再確認する[ストレスケア]
 ニキビをカバーするのではなく、目や唇などのポイントを目立たせる[こすらない]
 マスクは、皮膚に摩擦が生じ、炎症が悪化するので避ける[こすらない]

手荒れのスキンケア
 手を水やお湯で濡らす回数を、できるだけ減らす(ゴム手袋やポリエチレン手袋などを利用)[濡らさない]
 紙(本や雑誌も含む)や乾いた洗濯物を手で扱うときは、綿手袋などをはめる→要説明
 ひび割れができた場合は、寝る前に割れた部分だけにワセリンを塗ってラップで覆うと皮膚がふさがりやすい→要説明(湿潤療法)
 手を洗った回数をスマートフォンや手帳などに記録する[ストレスケア]

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